【3章】決意
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「あ、お帰りなさい」
私は会議から帰ってきた相澤さんに声を掛けた。
図書室で借りてきた本を閉じた。
「名前、話があるからついてこい」
「うん?」
私は相澤さんの背中を追った。
会議から戻ってきた他の先生達の視線が、気のせいか私に集まっている気がする。
私はいざとなればいつでも喰種化できるように神経を研ぎ澄ませた。
来客用の応接室に入ると相澤さんは鍵を閉めた。
座るように促されたのでソファに腰かける。
「何かピリピリしてたね」
「さっきの会議で、名前の今後を話してた」
「だろうね。何?やっぱり警察に引き渡す?」
私はソファから少し腰を浮かせた。
相澤さんの目を見ると、彼の瞳からは強い決意が感じられた。
「名前、ヒーローを目指さないか?」
「ヒーロー・・・?」
あまりにも唐突な提案に私は言葉に詰まった。
「名前の力はこの世界で活かしていくには十分すぎるものだ。せっかくなら人の為に使ってみないか?」
「人の為って・・・?」
相澤さんはテレビを付けた。
チャンネルを回してニュース番組に切り替えた。
「名前にはまだ教えていないことがある。ヒーローの存在意義だ」
映し出された画面では街で暴れる巨漢をアメリカン画風のムキムキマッチョマンが取り押さえてた。
「この世界には敵と呼ばれる犯罪を犯す人間がいる。それを取り締まるのが我々ヒーローの役目だ」
画面越しにヒーローを称える一般市民が映っていた。
「私が、これに?」
「ああ、名前ならなれる」
相澤さんは断言するが、私はお伽噺を聞かされているような感覚だった。
「・・・ちょっと考えたい」
「分かった」
*******************
相澤さんは職員室に戻った後、すぐに次の授業のため離席した。
私は再び本を読むために、しおりを挟んだページを開いたが、全く内容が頭に入ってこない。
「名前ちゃん、相澤くんから話聞いた?」
「ヒーローの件?正直、ピンと来なくて・・・」
ミッドナイトさんにありのままの気持ちを伝えた。
「会議での相澤君見せてあげたかったわ~」
彼女は会議での相澤先生の熱弁ぶりを私に話してくれた。
「・・・・・でね、相澤君こう言ったのよ」
”彼女に必要なのは『拘束』でも『保護』でもない”
”『権利』と『教育』です”
”人が生まれながらに持っている『権利』を彼女に与え、我々教員が『教育』することで道を間違えないように手を差し伸べる。そうすれば彼女はこの世界に貢献する存在になると確信しています”
「相澤さんがそんなことを・・・」
私は手元に視線を落とした。
「それでもやっぱり反対する教員はいたのよ。そうしたら・・・」
”万一の時は俺・・・イレイザーヘッドが全ての責任を負います”
「もうここまで言われたら誰も反対しないわよ」
何で・・・?
何で私なんかの為にそこまでしてくれるの?
私の胸の奥は熱かった。
私は会議から帰ってきた相澤さんに声を掛けた。
図書室で借りてきた本を閉じた。
「名前、話があるからついてこい」
「うん?」
私は相澤さんの背中を追った。
会議から戻ってきた他の先生達の視線が、気のせいか私に集まっている気がする。
私はいざとなればいつでも喰種化できるように神経を研ぎ澄ませた。
来客用の応接室に入ると相澤さんは鍵を閉めた。
座るように促されたのでソファに腰かける。
「何かピリピリしてたね」
「さっきの会議で、名前の今後を話してた」
「だろうね。何?やっぱり警察に引き渡す?」
私はソファから少し腰を浮かせた。
相澤さんの目を見ると、彼の瞳からは強い決意が感じられた。
「名前、ヒーローを目指さないか?」
「ヒーロー・・・?」
あまりにも唐突な提案に私は言葉に詰まった。
「名前の力はこの世界で活かしていくには十分すぎるものだ。せっかくなら人の為に使ってみないか?」
「人の為って・・・?」
相澤さんはテレビを付けた。
チャンネルを回してニュース番組に切り替えた。
「名前にはまだ教えていないことがある。ヒーローの存在意義だ」
映し出された画面では街で暴れる巨漢をアメリカン画風のムキムキマッチョマンが取り押さえてた。
「この世界には敵と呼ばれる犯罪を犯す人間がいる。それを取り締まるのが我々ヒーローの役目だ」
画面越しにヒーローを称える一般市民が映っていた。
「私が、これに?」
「ああ、名前ならなれる」
相澤さんは断言するが、私はお伽噺を聞かされているような感覚だった。
「・・・ちょっと考えたい」
「分かった」
*******************
相澤さんは職員室に戻った後、すぐに次の授業のため離席した。
私は再び本を読むために、しおりを挟んだページを開いたが、全く内容が頭に入ってこない。
「名前ちゃん、相澤くんから話聞いた?」
「ヒーローの件?正直、ピンと来なくて・・・」
ミッドナイトさんにありのままの気持ちを伝えた。
「会議での相澤君見せてあげたかったわ~」
彼女は会議での相澤先生の熱弁ぶりを私に話してくれた。
「・・・・・でね、相澤君こう言ったのよ」
”彼女に必要なのは『拘束』でも『保護』でもない”
”『権利』と『教育』です”
”人が生まれながらに持っている『権利』を彼女に与え、我々教員が『教育』することで道を間違えないように手を差し伸べる。そうすれば彼女はこの世界に貢献する存在になると確信しています”
「相澤さんがそんなことを・・・」
私は手元に視線を落とした。
「それでもやっぱり反対する教員はいたのよ。そうしたら・・・」
”万一の時は俺・・・イレイザーヘッドが全ての責任を負います”
「もうここまで言われたら誰も反対しないわよ」
何で・・・?
何で私なんかの為にそこまでしてくれるの?
私の胸の奥は熱かった。