【19章】敵
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名字をキッチンに誘導し、立ったままマフィンを齧りながら世間話をしているフリをした。
「分からない。隈なく探したが、誰も見つからなかったというのが現状だ」
「誤作動っていうのは生徒達を不安にさせない嘘ってこと?」
「誤作動の線も拭いきれない」
「でも前の件があるからね」
「USJ事件のときは、マスコミをカモフラージュに使われたわけだが・・・。侵入された形跡は残っていた。しかし今回はそれもない」
「そっか・・・」
名前は顎に手を当て深く考え込んでいる。
「だが、USJ事件からさらにセキュリティ強化したこの場所に侵入できるとしたら並大抵の実力じゃない。ましてや痕跡も残さずに・・・」
「もしくは、まだ校内に居る可能性も捨てきれない」
「そんな恐ろしいこと考えたくもないがな」
しかし、ヒーローが束になって探してこうも見つからないとなると校内にまだ潜んでいる可能性は限りなく低い。
「とにかく、最善の注意を払う。それしかできない」
もうあんな事件二度と起こしてくれるな。
目の傷が痛んだ気がした。
********
「あまり怖い顔するな。怪しまれる」
「あ、うん・・・」
小声で相澤さんに指摘されてハッと顔を上げた。
共有スペースに戻り、みんなの輪に混ざった。
ふと視線を感じて右を向くと、三奈ちゃんがグッと親指を立てていた。
「(だから!違うって・・・!!)」
私はぶんぶんと腕を振った。
女子メンバーは私が相澤さんを好きだと思っている。
「(いや、違わないか・・・)」
百ちゃんに淹れてもらった紅茶を啜りながら皆と一緒にテレビを見る。
夕方のニュース番組。
お天気キャスターが今週の天気予報を話している。
終わると画面が切り替わり、今日起こった事件をキャスターが読み上げる。
『速報です。○○市にて女性の遺体が発見されました。遺体は食べられたような痕跡があるとのことで、近隣の山からクマが下りてきたのではないかと注意を呼び掛けています。クマを目撃された方は近づかずに警察への通報を・・・』
毎日どこかで起きている死亡事件。
クマが出没するのも有り得ない話ではない。
「クマかぁー。口田の出番じゃね?」
上鳴くんが言った。
「口田、念のため応援要請が掛かったときのために準備しとけ」
相澤先生が口田くんに声を掛けた。
「分からない。隈なく探したが、誰も見つからなかったというのが現状だ」
「誤作動っていうのは生徒達を不安にさせない嘘ってこと?」
「誤作動の線も拭いきれない」
「でも前の件があるからね」
「USJ事件のときは、マスコミをカモフラージュに使われたわけだが・・・。侵入された形跡は残っていた。しかし今回はそれもない」
「そっか・・・」
名前は顎に手を当て深く考え込んでいる。
「だが、USJ事件からさらにセキュリティ強化したこの場所に侵入できるとしたら並大抵の実力じゃない。ましてや痕跡も残さずに・・・」
「もしくは、まだ校内に居る可能性も捨てきれない」
「そんな恐ろしいこと考えたくもないがな」
しかし、ヒーローが束になって探してこうも見つからないとなると校内にまだ潜んでいる可能性は限りなく低い。
「とにかく、最善の注意を払う。それしかできない」
もうあんな事件二度と起こしてくれるな。
目の傷が痛んだ気がした。
********
「あまり怖い顔するな。怪しまれる」
「あ、うん・・・」
小声で相澤さんに指摘されてハッと顔を上げた。
共有スペースに戻り、みんなの輪に混ざった。
ふと視線を感じて右を向くと、三奈ちゃんがグッと親指を立てていた。
「(だから!違うって・・・!!)」
私はぶんぶんと腕を振った。
女子メンバーは私が相澤さんを好きだと思っている。
「(いや、違わないか・・・)」
百ちゃんに淹れてもらった紅茶を啜りながら皆と一緒にテレビを見る。
夕方のニュース番組。
お天気キャスターが今週の天気予報を話している。
終わると画面が切り替わり、今日起こった事件をキャスターが読み上げる。
『速報です。○○市にて女性の遺体が発見されました。遺体は食べられたような痕跡があるとのことで、近隣の山からクマが下りてきたのではないかと注意を呼び掛けています。クマを目撃された方は近づかずに警察への通報を・・・』
毎日どこかで起きている死亡事件。
クマが出没するのも有り得ない話ではない。
「クマかぁー。口田の出番じゃね?」
上鳴くんが言った。
「口田、念のため応援要請が掛かったときのために準備しとけ」
相澤先生が口田くんに声を掛けた。
