【17章】脱走
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「どうしたんだ?」
「わっ」
轟くんに顔を覗き込まれて、思わずのけぞった。
今はヒーロー基礎学の授業中。
「ぼーっとしてたら危ねぇぞ」
「そうだね。ごめん」
相澤さんは私の監視カメラをしきりに気にしてくれた。
もちろんそれもあるが、私としてはとにかく相澤さんが正しい事を証明したい。
相澤さんの方が正しいのに、他の教員と対立していることを直に感じて悔しかった。
私は敵なんかじゃない。
分かってほしいけど分かってもらえないもどかしさ。
そして攻め入られるのではないかという不安感。
私の足は小刻みに揺れていた。
********
「名字さん!」
「発目さん」
入寮してからも放課後の自習はちゃんと行っていた。
自習室へ行く途中、発目さんに呼び止められた。
「この間頼まれていた物できました!」
「ありがとう」
「いえいえ!ここのボタンを押すと・・・」
「分かった。試してみるね」
「感想ぜひ教えて下さいね!自信作です!!」
「ちなみにこのことは・・・」
「もちろん誰にも言ってません!サプライズ仕掛けるんですよね?」
「そうなの。ありがとう!」
私は発目さんに操作方法を教えてもらい、お礼を言って受け取った。
掌サイズのそれをポケットにしまう。
発目さんと別れてから、自習室へ行くのをやめて踵を返した。
普段使われていなさそうなトイレへ足を運んだ。
周囲に誰もいないことを確認し、個室へ入る。
「これか・・・」
発目さんに言われたボタンを押した。
「すごい・・・」
ボンッと音を立てて形状を変えた。
「完璧だ」
再びボタンを押すと掌サイズに戻った。
「よし・・・」
ポケットに仕舞って、私は浮足立ちながらトイレから出た。
*******************
一時期、名前は少し落ち込んだり暗い表情をしていたが、ここ最近持ち直したようだ。
笑顔も増えているようでホッとしている。
しかし一方で気になることが。
「・・・名字、起きろ」
授業中に船を漕ぐなんて珍しい。
俺は教壇から名前の席へ歩き、持っていた教科書を丸めてポコンと頭を叩いた。
「ハッ!!」
名前はすぐに目を覚ました。
「ごめんなさい」
「名字が寝るなんて珍しー」
上鳴が俺の心を代弁した。
「ちゃんと聞いとけよ。テストに出るぞ」
ノートを見るとミミズが這ったような文字が続いていた。
「・・・ごめんなさい」
しゅんと肩を竦める名前を見て、教壇に戻った。
授業を続けるが、時折名前はあくびをかみ殺している。
様子が気になりながらも授業を進めた。
********
「名字、ちょっと来い」
初めて授業中に居眠りしてしまった。
授業終わりに呼ばれ、教壇へと向かう。
「体調悪いのか」
「えっ!?違う違う」
私は首を横に振った。
「ちょっと最近夜更かししちゃって」
「そうか・・・」
これからは気を付けようと思いながら席に戻った。
********
やっぱりおかしい・・・。
名前も生きているんだから居眠りぐらいするだろう、と思ったがやはり引っかかるものがあった。
手元にはここ最近の名前の小テストの結果。
成績が下がってきている。
そして何よりもあの言葉・・・。
"ちょっと最近夜更かししちゃって"
そんなはずはない。
監視カメラで確認する限り、彼女は日付が変わる頃には就寝している。
今日の監視当番は俺。
いつも通りもうすでにベッドで眠っている。
俺の胸はなぜかざわついていた。
「わっ」
轟くんに顔を覗き込まれて、思わずのけぞった。
今はヒーロー基礎学の授業中。
「ぼーっとしてたら危ねぇぞ」
「そうだね。ごめん」
相澤さんは私の監視カメラをしきりに気にしてくれた。
もちろんそれもあるが、私としてはとにかく相澤さんが正しい事を証明したい。
相澤さんの方が正しいのに、他の教員と対立していることを直に感じて悔しかった。
私は敵なんかじゃない。
分かってほしいけど分かってもらえないもどかしさ。
そして攻め入られるのではないかという不安感。
私の足は小刻みに揺れていた。
********
「名字さん!」
「発目さん」
入寮してからも放課後の自習はちゃんと行っていた。
自習室へ行く途中、発目さんに呼び止められた。
「この間頼まれていた物できました!」
「ありがとう」
「いえいえ!ここのボタンを押すと・・・」
「分かった。試してみるね」
「感想ぜひ教えて下さいね!自信作です!!」
「ちなみにこのことは・・・」
「もちろん誰にも言ってません!サプライズ仕掛けるんですよね?」
「そうなの。ありがとう!」
私は発目さんに操作方法を教えてもらい、お礼を言って受け取った。
掌サイズのそれをポケットにしまう。
発目さんと別れてから、自習室へ行くのをやめて踵を返した。
普段使われていなさそうなトイレへ足を運んだ。
周囲に誰もいないことを確認し、個室へ入る。
「これか・・・」
発目さんに言われたボタンを押した。
「すごい・・・」
ボンッと音を立てて形状を変えた。
「完璧だ」
再びボタンを押すと掌サイズに戻った。
「よし・・・」
ポケットに仕舞って、私は浮足立ちながらトイレから出た。
*******************
一時期、名前は少し落ち込んだり暗い表情をしていたが、ここ最近持ち直したようだ。
笑顔も増えているようでホッとしている。
しかし一方で気になることが。
「・・・名字、起きろ」
授業中に船を漕ぐなんて珍しい。
俺は教壇から名前の席へ歩き、持っていた教科書を丸めてポコンと頭を叩いた。
「ハッ!!」
名前はすぐに目を覚ました。
「ごめんなさい」
「名字が寝るなんて珍しー」
上鳴が俺の心を代弁した。
「ちゃんと聞いとけよ。テストに出るぞ」
ノートを見るとミミズが這ったような文字が続いていた。
「・・・ごめんなさい」
しゅんと肩を竦める名前を見て、教壇に戻った。
授業を続けるが、時折名前はあくびをかみ殺している。
様子が気になりながらも授業を進めた。
********
「名字、ちょっと来い」
初めて授業中に居眠りしてしまった。
授業終わりに呼ばれ、教壇へと向かう。
「体調悪いのか」
「えっ!?違う違う」
私は首を横に振った。
「ちょっと最近夜更かししちゃって」
「そうか・・・」
これからは気を付けようと思いながら席に戻った。
********
やっぱりおかしい・・・。
名前も生きているんだから居眠りぐらいするだろう、と思ったがやはり引っかかるものがあった。
手元にはここ最近の名前の小テストの結果。
成績が下がってきている。
そして何よりもあの言葉・・・。
"ちょっと最近夜更かししちゃって"
そんなはずはない。
監視カメラで確認する限り、彼女は日付が変わる頃には就寝している。
今日の監視当番は俺。
いつも通りもうすでにベッドで眠っている。
俺の胸はなぜかざわついていた。
