【17章】脱走
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名前が仮免を無事に取得した。
実力に申し分はないが、いかんせんメンタルが不安定なので、試験中に何かの拍子でフラッシュバックが起こったらと少し心配はしていた。
しかし俺の心配はよそにあっさり合格してきた。
ただ、その代わり爆豪と轟が不合格だったが。
祝いの席を用意してやれば、ニコニコと幸せそうに頬を綻ばせていた。
その表情を見ると、俺の口元も自然に緩む。
しかし、あまり長居はさせられない。
「もうそろそろ寮に戻った方がいいな」
時計を見て帰宅を促した。
「・・・帰りたくないなぁ」
ポツリと呟いた名前。
「寂しいのか」
いつものように少し恥ずかしそうに「うん」と頷くのだと思っていた。
「うん」
しかしその表情は恥ずかしそうというより、悲しそう、そして苦しそうに見えた。
「名前?」
彼女の様子がおかしいと思い、手を伸ばすがその手を避けて名前は立ち上がった。
「ごちそうさまでした!今日はありがとう」
「あ、ああ・・・」
「私、帰るね」
この時、俺は名前がすでに監視カメラの存在に気付いていて、そのストレスを抱えていることに気付いてやれなかった。
********
「うりゃー!!!!」
部屋に監視カメラがあるというのは想像以上のストレスである。
部屋で着替えるのだって気を遣うが、隠し過ぎると気づいていることに気付かれてしまうのであえて堂々と着替えたり。
「(これでも女なんですけど!!)」
そりゃ、ホークスと色々あった時は腹決めたけど、それとこれとは話が違う。
でも、相澤さんのことを考えたらここは変に事を荒立てずに、時が過ぎるのを待つしかない。
「気合い入ってるね~」
「次、お願いします!」
私はこのストレスをランチラッシュの厨房で発散していた。
「次はこのキャベツ千切りしてくれる?」
「はい!」
料理の腕がメキメキ上達している私は、寮のごはん作りのお手伝いをさせて貰っている。
「いや~、本当に助かるよ。ありがとう」
「いえ、むしろ私の方が色々教えて頂けて感謝しています」
そして私にとっての避難所となってくれていることも。
「まさかこんなに料理が好きになるなんてね」
「自分でもびっくりです!」
「このまま僕のところにおいでよ~」
「私ヒーローになるので!」
「クックヒーロー2号はどう?」
笑いながら手元の包丁を動かした。
「(それにしても・・・)」
本当にこのままでいいのだろうか。
ただこのまま時をやり過ごすだけで。
だって私は敵じゃない・・・。
私に注意が向いていることは雄英にとって時間の無駄だ。
しかし、それは私自身だから言えることで。
「はぁ・・・」
私の溜息は鍋の湯気と共に消えていった。
実力に申し分はないが、いかんせんメンタルが不安定なので、試験中に何かの拍子でフラッシュバックが起こったらと少し心配はしていた。
しかし俺の心配はよそにあっさり合格してきた。
ただ、その代わり爆豪と轟が不合格だったが。
祝いの席を用意してやれば、ニコニコと幸せそうに頬を綻ばせていた。
その表情を見ると、俺の口元も自然に緩む。
しかし、あまり長居はさせられない。
「もうそろそろ寮に戻った方がいいな」
時計を見て帰宅を促した。
「・・・帰りたくないなぁ」
ポツリと呟いた名前。
「寂しいのか」
いつものように少し恥ずかしそうに「うん」と頷くのだと思っていた。
「うん」
しかしその表情は恥ずかしそうというより、悲しそう、そして苦しそうに見えた。
「名前?」
彼女の様子がおかしいと思い、手を伸ばすがその手を避けて名前は立ち上がった。
「ごちそうさまでした!今日はありがとう」
「あ、ああ・・・」
「私、帰るね」
この時、俺は名前がすでに監視カメラの存在に気付いていて、そのストレスを抱えていることに気付いてやれなかった。
********
「うりゃー!!!!」
部屋に監視カメラがあるというのは想像以上のストレスである。
部屋で着替えるのだって気を遣うが、隠し過ぎると気づいていることに気付かれてしまうのであえて堂々と着替えたり。
「(これでも女なんですけど!!)」
そりゃ、ホークスと色々あった時は腹決めたけど、それとこれとは話が違う。
でも、相澤さんのことを考えたらここは変に事を荒立てずに、時が過ぎるのを待つしかない。
「気合い入ってるね~」
「次、お願いします!」
私はこのストレスをランチラッシュの厨房で発散していた。
「次はこのキャベツ千切りしてくれる?」
「はい!」
料理の腕がメキメキ上達している私は、寮のごはん作りのお手伝いをさせて貰っている。
「いや~、本当に助かるよ。ありがとう」
「いえ、むしろ私の方が色々教えて頂けて感謝しています」
そして私にとっての避難所となってくれていることも。
「まさかこんなに料理が好きになるなんてね」
「自分でもびっくりです!」
「このまま僕のところにおいでよ~」
「私ヒーローになるので!」
「クックヒーロー2号はどう?」
笑いながら手元の包丁を動かした。
「(それにしても・・・)」
本当にこのままでいいのだろうか。
ただこのまま時をやり過ごすだけで。
だって私は敵じゃない・・・。
私に注意が向いていることは雄英にとって時間の無駄だ。
しかし、それは私自身だから言えることで。
「はぁ・・・」
私の溜息は鍋の湯気と共に消えていった。
