【17章】脱走
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私は監視カメラに気付いて以降も気付かないフリをして過ごした。
「あれからどーなんだ」
共有スペースのソファに座ってテレビを見ていると、爆豪くんがドカリと腰を横に降ろした。
「うん、気のせいだったみたい。もう大丈夫」
「・・・そうは見えねぇけど」
爆豪くんの赤い瞳と視線が絡まる。
「顔色悪ぃぞ」
「そんなことないよ」
私は首を横に振った。
「そーかよ」
「そういえば、必殺技の授業。爆豪くんいい感じだったね」
「当たりめーだ。ずっと考えてたからな」
「さすが!。必殺技なんて考えた事ないから苦戦してる」
「なくても十分だろ。名字は」
「でもヒーローには必要なんでしょ?」
みんなみたいにこれ!といった技がなく、アイデアも乏しい。
「もうすぐ仮免だね」
「ヨユーだわ」
私も爆豪くんが仮免を取得すると疑わなかった。
だから合格者一覧の中に爆豪くんと轟くんの番号が載っていなかったことに心底驚くことになったのだ・・・。
********
「仮免取得おめでとう」
「ありがとう!」
私は今、相澤さんの部屋に来ている。
話し合った結果、コソコソすると怪しまれるので、廊下では堂々と歩き、他の先生達にも挨拶をした。
相澤さんは時々私とコミュニケーションを取るために部屋へ呼ぶことを先に周知してくれた。
元々一緒に住んでいたので、簡単に許可は下りた。
生徒の目だけ気を付ければいい。
「わっ!豪華!」
「せっかくだからな」
テーブルの上に並べられた料理の数々に歓喜した。
おそらくデパ地下の商品だろう。
「そんな・・・いいのに」
その気遣いが嬉しかった。
「俺も食べたかったから、ちょうどいい口実だ」
「・・・いただきます」
手を合わせて料理をつついた。
サラダから口に運ぶ。
「仮免、さすがだな。ギャングオルカといい勝負してたじゃないか」
「超音波喰らったときは死ぬかと思った・・・」
耳が良い分ダメージが大きかった。
「採点はほぼ満点だったな」
「救助の声掛けでちょっと引かれたけどね」
メインディッシュを小皿に取って箸でつまんだ。
「どうした?」
「ううん。この味が分かればなぁって思って」
料理は味だけじゃないと分かったが、それでもやっぱり相澤さんがせっかく自分のために買ってきてくれたこの料理の味を感じられないことが残念でならなかった。
「そうだな」
こればかりはどうしようもない。
相澤さんは慰めるように、頭を撫でてくれた。
あ、なんか久しぶり。
寮に入ってから、やはり相澤さんと一緒に居られる時間は減った。
「ちょっとだけ、手繋いでいい?」
「ああ」
隣に移動して、そっと手を繋いだ。
ああ、とっても安心する。
伝わってくる体温が私の心を溶かしてくれた。
「あれからどーなんだ」
共有スペースのソファに座ってテレビを見ていると、爆豪くんがドカリと腰を横に降ろした。
「うん、気のせいだったみたい。もう大丈夫」
「・・・そうは見えねぇけど」
爆豪くんの赤い瞳と視線が絡まる。
「顔色悪ぃぞ」
「そんなことないよ」
私は首を横に振った。
「そーかよ」
「そういえば、必殺技の授業。爆豪くんいい感じだったね」
「当たりめーだ。ずっと考えてたからな」
「さすが!。必殺技なんて考えた事ないから苦戦してる」
「なくても十分だろ。名字は」
「でもヒーローには必要なんでしょ?」
みんなみたいにこれ!といった技がなく、アイデアも乏しい。
「もうすぐ仮免だね」
「ヨユーだわ」
私も爆豪くんが仮免を取得すると疑わなかった。
だから合格者一覧の中に爆豪くんと轟くんの番号が載っていなかったことに心底驚くことになったのだ・・・。
********
「仮免取得おめでとう」
「ありがとう!」
私は今、相澤さんの部屋に来ている。
話し合った結果、コソコソすると怪しまれるので、廊下では堂々と歩き、他の先生達にも挨拶をした。
相澤さんは時々私とコミュニケーションを取るために部屋へ呼ぶことを先に周知してくれた。
元々一緒に住んでいたので、簡単に許可は下りた。
生徒の目だけ気を付ければいい。
「わっ!豪華!」
「せっかくだからな」
テーブルの上に並べられた料理の数々に歓喜した。
おそらくデパ地下の商品だろう。
「そんな・・・いいのに」
その気遣いが嬉しかった。
「俺も食べたかったから、ちょうどいい口実だ」
「・・・いただきます」
手を合わせて料理をつついた。
サラダから口に運ぶ。
「仮免、さすがだな。ギャングオルカといい勝負してたじゃないか」
「超音波喰らったときは死ぬかと思った・・・」
耳が良い分ダメージが大きかった。
「採点はほぼ満点だったな」
「救助の声掛けでちょっと引かれたけどね」
メインディッシュを小皿に取って箸でつまんだ。
「どうした?」
「ううん。この味が分かればなぁって思って」
料理は味だけじゃないと分かったが、それでもやっぱり相澤さんがせっかく自分のために買ってきてくれたこの料理の味を感じられないことが残念でならなかった。
「そうだな」
こればかりはどうしようもない。
相澤さんは慰めるように、頭を撫でてくれた。
あ、なんか久しぶり。
寮に入ってから、やはり相澤さんと一緒に居られる時間は減った。
「ちょっとだけ、手繋いでいい?」
「ああ」
隣に移動して、そっと手を繋いだ。
ああ、とっても安心する。
伝わってくる体温が私の心を溶かしてくれた。
