【17章】脱走
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今日も無事1日が終わった。
私は眠りにつくためにベッドに寝転んだ。
まだ夏の終わりで気温は高い。
薄いタオルケット1枚で十分だ。
ぼんやりと天井を見ながら今日の出来事を再生する。
明日はどんな1日が待っているのだろう。
私もヒーローになるために、もっともっと強くならなければいけない。
今のまま満足していては駄目だ。
電気は落としているが私は他の人達よりも夜目が効く。
暗順応した瞳は天井のある1点に焦点が定まった。
「(なんかあそこ変・・・)」
天井に黒いシミのような物が見えた。
何か確認しようと電気のリモコンに手を伸ばすが、一瞬躊躇った。
一呼吸置いて電気をつけた。
私は天井には目を向けず、部屋の扉を開けて1階へ下りた。
********
マグカップに飲み物を入れて部屋へ戻る。
ベッドに腰かけ少しずつ飲み物を傾けながら、不自然がないように天井のシミに向かって視線を上げた。
「(やっぱり・・・)」
あれはシミではなくレンズだ。
私は飲み干したマグカップを手に再び廊下に出た。
共有スペースに向かうフリをして、廊下を歩きながら視線だけをわずかに動かした。
「(1つ・・・2つ・・・)」
ところどころに同じ黒いシミ、ではなく『監視カメラ』を確認した。
「(なるほど)」
私が1人だけ2階なのは、信用されたからじゃない。
逆だ。
疑われている。
この階だけ監視カメラが埋め込まれているのだ。
この間、病室に来た男のせいかは分からないが、私はおそらく敵連合の仲間だと思われている。
入寮してから感じていた視線も、相澤さんが小声で話そうとしていたのも、合点がいった。
「仕方ない・・・か」
私は共有スペースの流しでマグカップを洗いながら呟いた。
********
「お疲れ様です」
俺は今日の監視当番であるミッドナイトさんにコーヒーを渡した。
「ありがとう」
「何かありましたか?」
「なーんにも。さっき飲み物を取りに行ったぐらい」
「そうでしょう。こんなことしても無駄だと思いますけど」
「私だってそう思うわよー。でも会議で決まったから仕方ないじゃない?」
あの神野の事件が発端でさらに名前への疑いが深まった。
爆豪を手引きしたのが名前ではないかというのだ。
逆に爆豪の証言を基に潔白の証明であると主張はしたが、相変わらず意見は二分している。
無罪を証明するのは有罪を証明するより難しい。
寮建設時、名前の部屋だけ監視カメラを付けるという決定に俺は強く反対をした。
"彼女のプライバシーの侵害です。これは許されることじゃない"
"国からの要望だ。無視できない"
ギリギリまで粘ったが、校長の立場を考えると最終的には飲まざるを得なかった。
何も知らない名前が笑顔を向けるたびに、心が痛む。
守ると言いながら何もしれやれていない。
俺は自分の不甲斐なさに溜息を吐いた。
私は眠りにつくためにベッドに寝転んだ。
まだ夏の終わりで気温は高い。
薄いタオルケット1枚で十分だ。
ぼんやりと天井を見ながら今日の出来事を再生する。
明日はどんな1日が待っているのだろう。
私もヒーローになるために、もっともっと強くならなければいけない。
今のまま満足していては駄目だ。
電気は落としているが私は他の人達よりも夜目が効く。
暗順応した瞳は天井のある1点に焦点が定まった。
「(なんかあそこ変・・・)」
天井に黒いシミのような物が見えた。
何か確認しようと電気のリモコンに手を伸ばすが、一瞬躊躇った。
一呼吸置いて電気をつけた。
私は天井には目を向けず、部屋の扉を開けて1階へ下りた。
********
マグカップに飲み物を入れて部屋へ戻る。
ベッドに腰かけ少しずつ飲み物を傾けながら、不自然がないように天井のシミに向かって視線を上げた。
「(やっぱり・・・)」
あれはシミではなくレンズだ。
私は飲み干したマグカップを手に再び廊下に出た。
共有スペースに向かうフリをして、廊下を歩きながら視線だけをわずかに動かした。
「(1つ・・・2つ・・・)」
ところどころに同じ黒いシミ、ではなく『監視カメラ』を確認した。
「(なるほど)」
私が1人だけ2階なのは、信用されたからじゃない。
逆だ。
疑われている。
この階だけ監視カメラが埋め込まれているのだ。
この間、病室に来た男のせいかは分からないが、私はおそらく敵連合の仲間だと思われている。
入寮してから感じていた視線も、相澤さんが小声で話そうとしていたのも、合点がいった。
「仕方ない・・・か」
私は共有スペースの流しでマグカップを洗いながら呟いた。
********
「お疲れ様です」
俺は今日の監視当番であるミッドナイトさんにコーヒーを渡した。
「ありがとう」
「何かありましたか?」
「なーんにも。さっき飲み物を取りに行ったぐらい」
「そうでしょう。こんなことしても無駄だと思いますけど」
「私だってそう思うわよー。でも会議で決まったから仕方ないじゃない?」
あの神野の事件が発端でさらに名前への疑いが深まった。
爆豪を手引きしたのが名前ではないかというのだ。
逆に爆豪の証言を基に潔白の証明であると主張はしたが、相変わらず意見は二分している。
無罪を証明するのは有罪を証明するより難しい。
寮建設時、名前の部屋だけ監視カメラを付けるという決定に俺は強く反対をした。
"彼女のプライバシーの侵害です。これは許されることじゃない"
"国からの要望だ。無視できない"
ギリギリまで粘ったが、校長の立場を考えると最終的には飲まざるを得なかった。
何も知らない名前が笑顔を向けるたびに、心が痛む。
守ると言いながら何もしれやれていない。
俺は自分の不甲斐なさに溜息を吐いた。
