【16章】夏祭り
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「あ、花火・・・」
お祭り会場からは少し離れているが、しっかり見えた。
色とりどりの花火が打ち上がる。
「綺麗・・・」
腹の底に響く大きな音。
大輪の花は夜空に一瞬咲くと瞬く間に消えていく。
「あ!」
オールマイトの顔が打ち上がった。
「今の花火技術って凄いんだな」
相澤さんがポツリと呟いた。
「あまり花火見たりしないの?」
「まぁ、見てのとおり人混みは嫌いだからな。もう何十年レベルだ」
「そっか」
それなら今日という日をより一層大事にしなければ。
花火を見上げる相澤さんの横顔もしっかり頭に焼き付けた。
「来年も2人で来るか」
相澤さんの言葉は花火の音で掻き消されて、私には届かなかった。
********
花火が終わると、そのまま人混みの流れに沿って歩いた。
途中でお祭り会場に再び入った。
「このまま寮に行けば皆に会えるよね」
「すぐそこだしな。近所の小さい子どもでも帰れる距離だ」
相澤さんははぐれないように手を繋いでくれた。
はぐれても自分で帰れる距離だが、それでも嬉しかった。
ほわほわした温かい気持ちでいると、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「ん?うわっ!」
私は慌てて相澤さんの手を離した。
「どうした?・・・障子か」
障子くんの触手が人混みの合間を縫って私の肩を叩いたのだ。
目玉がこちらを向いていてちょっと怖い。
くいっと指し示す方向に目を向ければ少し後ろに1-Aの皆がいた。
私はひらひらと手を振った。
しかし、足を止めて人混みに逆らうと迷惑になるので、私達はそのまま会場の外まで歩き続けた。
出口で人々の帰路が四方に分かれることで少し空いた。
横道にそれて皆を待つ。
「名前ちゃん!心配しとったんよ」
「私、いつも心配かけてばかりだね。ごめんね」
「花火見れた?」
「うん!ばっちり」
そのまま私は女子達の輪に入って、寮まで歩いた。
横目で相澤さんの姿を確認すると、全員いるか人数を数えているようだった。
「相澤先生とずっと一緒だったの?」
梅雨ちゃんが首を傾げて尋ねた。
「うん。花火も相澤先生と見たよ」
「うわー。もっと探せば良かった!先生と一緒だと気張ったんじゃない?」
「そんなことないよ。とっても花火綺麗だったし」
むしろ相澤さんと2人っきりになれて嬉しかった。
そんなこと口が裂けても言えないけど。
「もしかして~・・・名字、恋しちゃってたり!?」
芦戸さんが小突いてきた。
当たってるから怖い。
「もー!!冗談やめてよ!」
「名前さん、私は応援致しますわ!卒業してしまえば、たとえ元生徒でも関係ありませんわ」
「ちょっと、百ちゃんまで・・・」
お祭りのテンションにつられて勝手に盛り上がっていく皆を止める術を、私は持たなかった。
お祭り会場からは少し離れているが、しっかり見えた。
色とりどりの花火が打ち上がる。
「綺麗・・・」
腹の底に響く大きな音。
大輪の花は夜空に一瞬咲くと瞬く間に消えていく。
「あ!」
オールマイトの顔が打ち上がった。
「今の花火技術って凄いんだな」
相澤さんがポツリと呟いた。
「あまり花火見たりしないの?」
「まぁ、見てのとおり人混みは嫌いだからな。もう何十年レベルだ」
「そっか」
それなら今日という日をより一層大事にしなければ。
花火を見上げる相澤さんの横顔もしっかり頭に焼き付けた。
「来年も2人で来るか」
相澤さんの言葉は花火の音で掻き消されて、私には届かなかった。
********
花火が終わると、そのまま人混みの流れに沿って歩いた。
途中でお祭り会場に再び入った。
「このまま寮に行けば皆に会えるよね」
「すぐそこだしな。近所の小さい子どもでも帰れる距離だ」
相澤さんははぐれないように手を繋いでくれた。
はぐれても自分で帰れる距離だが、それでも嬉しかった。
ほわほわした温かい気持ちでいると、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「ん?うわっ!」
私は慌てて相澤さんの手を離した。
「どうした?・・・障子か」
障子くんの触手が人混みの合間を縫って私の肩を叩いたのだ。
目玉がこちらを向いていてちょっと怖い。
くいっと指し示す方向に目を向ければ少し後ろに1-Aの皆がいた。
私はひらひらと手を振った。
しかし、足を止めて人混みに逆らうと迷惑になるので、私達はそのまま会場の外まで歩き続けた。
出口で人々の帰路が四方に分かれることで少し空いた。
横道にそれて皆を待つ。
「名前ちゃん!心配しとったんよ」
「私、いつも心配かけてばかりだね。ごめんね」
「花火見れた?」
「うん!ばっちり」
そのまま私は女子達の輪に入って、寮まで歩いた。
横目で相澤さんの姿を確認すると、全員いるか人数を数えているようだった。
「相澤先生とずっと一緒だったの?」
梅雨ちゃんが首を傾げて尋ねた。
「うん。花火も相澤先生と見たよ」
「うわー。もっと探せば良かった!先生と一緒だと気張ったんじゃない?」
「そんなことないよ。とっても花火綺麗だったし」
むしろ相澤さんと2人っきりになれて嬉しかった。
そんなこと口が裂けても言えないけど。
「もしかして~・・・名字、恋しちゃってたり!?」
芦戸さんが小突いてきた。
当たってるから怖い。
「もー!!冗談やめてよ!」
「名前さん、私は応援致しますわ!卒業してしまえば、たとえ元生徒でも関係ありませんわ」
「ちょっと、百ちゃんまで・・・」
お祭りのテンションにつられて勝手に盛り上がっていく皆を止める術を、私は持たなかった。
