【2章】知る
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相澤さんと暮らし始めて数日が経った。
「あれ、今日は食堂で食べないの?」
仕事が終わったようなので今日もいつもの流れで食堂に向かおうとしたら、そのまま帰宅するらしい。
「今日は家で食べる」
「ふーん・・・」
どう考えてもこの人自炊しないよね。
もしかして飲料ゼリー?
まぁ、なんでもいいけど。
帰宅して冷蔵庫から飲料ゼリーを取り出そうとしたら止められた。
「そんな物食べたら夜ご飯食べられなくなるぞ」
「じゃあ何食べるの?」
「もうすぐ来るから待っとけ」
相澤さんはがちゃがちゃと戸棚を探り始めた。
「確かこの辺にしまってあったはずなんだが・・・あった」
引っ張り出してきたのはカセットコンロと大きな土鍋だった。
「テーブルに置いてくれ」
相澤さんから受け取ると、言われたままテーブルに置いた。
小皿と箸を4人分用意して、それらを均等に並べていく姿をぼーっと見ていた。
「誰か来るの?」
「ああ」
スン・・・と私の鼻が反応した。
聴覚を研ぎ澄ませると足音が聞こえてくる。
ピンポーン。
チャイムが鳴ると相澤さんは玄関へ向かっていった。
「お疲れ」
「よっ!共同生活どんな感じ?」
「あら、名前ちゃんは?」
「リビングに居ますよ」
会話と共にこちらに足音が向かってくる。
「あら?」
ミッドナイトさんは首を傾げた。
「いないわよ」
「あ、上」
「何してるんだ、降りてこい」
天井の角に手足を広げて宙に浮いている私の姿を見て、相澤さんは眉を顰めた。
「どうしてそんなところにいるの?」
ミッドナイトさんに尋ねられ、私は大人しく手を離して床に着地した。
素早く相澤さんの後ろに隠れる。
「おい、どうした」
私は相澤さんのシャツを掴みながらグルルと喉を唸らせた。
「あ、マイクが嫌なのね」
ミッドナイトさんが私の心を代弁してくれる。
「俺!?」
「ああ。そういやお前名前に攻撃してたからな」
「いやいや!!あれはお互い様じゃん!?俺も被害者よ!?」
私の平衡感覚を奪ったあの男はマイクというらしい。
だが確かにこの人がいうように私も彼を気絶させた。
「ごめんね~。許して・・・ね?」
相澤さん越しにウインクを飛ばしてきた。
私はおずおずと相澤さんの後ろから顔を出す。
「私も、ごめんなさい」
「よし、仲直り!食べましょ」
*****************
グツグツと煮立つ鍋に具材を放り込んでいく。
「名前ちゃんは鍋の具材何が好き?」
「初めて食べるから分からない」
「What!?そっちの世界に鍋文化ないの?」
「あるのかもしれないけど、私は食べたことない。どうやって食べるの?」
「白菜はもう煮えてるからいけるわよ。取ってあげる」
ミッドナイトさんにお椀を渡して入れてもらっていた。
「ほら、ポン酢を入れろ」
そのまま食べようとしたので俺はポン酢を手渡そうとしたが、どれぐらい入れるか分からないだろうと思い、蓋を開けて入れてやった。
「ありがとう」
パクパクと食べ出した様子を見て、俺達もそれぞれ自分達の分を取り分けた。
やはりこういう時にトークの上手いマイクがいるのは助かる。
始めこそ警戒心剥き出しで今にも攻撃しそうだったが、少しずつ彼女の心を溶かしていっているようだった。
時折、マイクの冗談に声を上げて笑っている様子を見ると、今ならいけるかもしれないと思った。
「なあ」
「ん?」
俺の問いかけに名前は返事をした。
「もう少し名前のことについて聞いてもいいか」
俺の言葉に名前は箸を置いて警戒の色を強めた。
「いいよ」
「名前は前に"私を殺せば手柄になる"と言っていたな。何か前の世界で罪を犯したのか?」
俺を含め3人の視線が名前に集まった。
「罪を犯した・・・というよりは存在自体が罪だったから」
その一言を皮切りに名前は自分がいた世界のルールを話し始めた。
名前が語る異世界は俺らにとっては信じられない世界だった。
人間と喰種が命を取り合う世界。
その世界には人間が作った法律があった。
"喰種を見つけたら捜査局へ通報”
通報を受けた捜査局は喰種を狩る。
喰種はもちろん抵抗し、人間を狩る。
種族の違う2種間での争いは今日まで続いている・・・。
話を聞き終えた俺には一つ疑問が湧いた。
「そもそもどうして人間側はそんな法律を作ったんだ?」
名前は言葉に詰まった。
「・・・さあ?私が生まれたときにはすでにそういうルールだったから」
名前は話はこれで終わりだといった様子で鍋に再び箸を伸ばした。
「あれ、今日は食堂で食べないの?」
仕事が終わったようなので今日もいつもの流れで食堂に向かおうとしたら、そのまま帰宅するらしい。
「今日は家で食べる」
「ふーん・・・」
どう考えてもこの人自炊しないよね。
もしかして飲料ゼリー?
まぁ、なんでもいいけど。
帰宅して冷蔵庫から飲料ゼリーを取り出そうとしたら止められた。
「そんな物食べたら夜ご飯食べられなくなるぞ」
「じゃあ何食べるの?」
「もうすぐ来るから待っとけ」
相澤さんはがちゃがちゃと戸棚を探り始めた。
「確かこの辺にしまってあったはずなんだが・・・あった」
引っ張り出してきたのはカセットコンロと大きな土鍋だった。
「テーブルに置いてくれ」
相澤さんから受け取ると、言われたままテーブルに置いた。
小皿と箸を4人分用意して、それらを均等に並べていく姿をぼーっと見ていた。
「誰か来るの?」
「ああ」
スン・・・と私の鼻が反応した。
聴覚を研ぎ澄ませると足音が聞こえてくる。
ピンポーン。
チャイムが鳴ると相澤さんは玄関へ向かっていった。
「お疲れ」
「よっ!共同生活どんな感じ?」
「あら、名前ちゃんは?」
「リビングに居ますよ」
会話と共にこちらに足音が向かってくる。
「あら?」
ミッドナイトさんは首を傾げた。
「いないわよ」
「あ、上」
「何してるんだ、降りてこい」
天井の角に手足を広げて宙に浮いている私の姿を見て、相澤さんは眉を顰めた。
「どうしてそんなところにいるの?」
ミッドナイトさんに尋ねられ、私は大人しく手を離して床に着地した。
素早く相澤さんの後ろに隠れる。
「おい、どうした」
私は相澤さんのシャツを掴みながらグルルと喉を唸らせた。
「あ、マイクが嫌なのね」
ミッドナイトさんが私の心を代弁してくれる。
「俺!?」
「ああ。そういやお前名前に攻撃してたからな」
「いやいや!!あれはお互い様じゃん!?俺も被害者よ!?」
私の平衡感覚を奪ったあの男はマイクというらしい。
だが確かにこの人がいうように私も彼を気絶させた。
「ごめんね~。許して・・・ね?」
相澤さん越しにウインクを飛ばしてきた。
私はおずおずと相澤さんの後ろから顔を出す。
「私も、ごめんなさい」
「よし、仲直り!食べましょ」
*****************
グツグツと煮立つ鍋に具材を放り込んでいく。
「名前ちゃんは鍋の具材何が好き?」
「初めて食べるから分からない」
「What!?そっちの世界に鍋文化ないの?」
「あるのかもしれないけど、私は食べたことない。どうやって食べるの?」
「白菜はもう煮えてるからいけるわよ。取ってあげる」
ミッドナイトさんにお椀を渡して入れてもらっていた。
「ほら、ポン酢を入れろ」
そのまま食べようとしたので俺はポン酢を手渡そうとしたが、どれぐらい入れるか分からないだろうと思い、蓋を開けて入れてやった。
「ありがとう」
パクパクと食べ出した様子を見て、俺達もそれぞれ自分達の分を取り分けた。
やはりこういう時にトークの上手いマイクがいるのは助かる。
始めこそ警戒心剥き出しで今にも攻撃しそうだったが、少しずつ彼女の心を溶かしていっているようだった。
時折、マイクの冗談に声を上げて笑っている様子を見ると、今ならいけるかもしれないと思った。
「なあ」
「ん?」
俺の問いかけに名前は返事をした。
「もう少し名前のことについて聞いてもいいか」
俺の言葉に名前は箸を置いて警戒の色を強めた。
「いいよ」
「名前は前に"私を殺せば手柄になる"と言っていたな。何か前の世界で罪を犯したのか?」
俺を含め3人の視線が名前に集まった。
「罪を犯した・・・というよりは存在自体が罪だったから」
その一言を皮切りに名前は自分がいた世界のルールを話し始めた。
名前が語る異世界は俺らにとっては信じられない世界だった。
人間と喰種が命を取り合う世界。
その世界には人間が作った法律があった。
"喰種を見つけたら捜査局へ通報”
通報を受けた捜査局は喰種を狩る。
喰種はもちろん抵抗し、人間を狩る。
種族の違う2種間での争いは今日まで続いている・・・。
話を聞き終えた俺には一つ疑問が湧いた。
「そもそもどうして人間側はそんな法律を作ったんだ?」
名前は言葉に詰まった。
「・・・さあ?私が生まれたときにはすでにそういうルールだったから」
名前は話はこれで終わりだといった様子で鍋に再び箸を伸ばした。