君のためなら/マイク
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「えっ・・・?」
俺は自分自身の目を疑った。
パチパチと瞬きをしてみるが、数十メートル先の光景は変わらなかった。
「消太・・・?」
晴れた日の休日。
今日、俺は自身の恋人である名前ちゃんの家に行く予定だった。
そして今アパートが視界に入ってきたところだった。
ここからでも見える共有部分に目をやると、ちょうど名前ちゃんの部屋の扉が開いた。
もしかして俺が来たっていうテレパシーでも伝わった!?とか思っていると、そこから出てきたのは我が愛しの名前ちゃんではなく、これまた見慣れた友人だった。
名前ちゃんは玄関にいるのか姿は見えない。
消太は二三言何かを話すと、アパートから出て行った。
俺は姿を見られないように咄嗟に近くの路地へ身体を滑り込ませた。
「何が・・・どーなってんだ」
心臓がバクバク音を立てた。
消太に気付かれないよう、気を付けて様子を伺うと、彼は颯爽とアパートから去っていった。
「えっ?マジで?」
浮気・・・?
だって、もし消太と事前に何か会う必要があるなら律儀な名前ちゃんは俺に連絡すると思うのだ。
しかし携帯を確認しても何も連絡は入っていない。
俺は恐る恐る名前ちゃんの携帯に電話を掛けた。
『もしもし?』
耳元から聞こえる彼女の声。
いつもと何も変わらない。
「もしもし?俺だけど」
『はい!どうかしましたか?』
いや、むしろ君がどうかしたのか聞きたい。
「もうすぐ家着くぜ」
『気を付けてきてくださいね!紅茶入れて待ってます』
最近付き合い始めたばかりの名前ちゃんは、まだ敬語がやめられない。
敬語を止めてほしいと思う一方で、それがまた初々しさを感じてあえて言わない俺がいた。
あんなに純粋そうな彼女が浮気?
未だに先ほどの光景が信じられず、とりあえず重い足取りで彼女のアパートのインターホンを鳴らした。
****************
「いらっしゃいです!」
「ん」
楽しみにしていた休日。
ひざしさんが来るから、朝から掃除を頑張った。
「これ、クッキー」
「わあっ。ありがとうございます!紅茶と一緒に食べましょう」
受け取ったお菓子のラッピングを開けてお皿に盛り付けてテーブルの上に出した。
クッキーと紅茶。
まるで女子会のようなセットだが、ひざしさんは何の違和感もなくそこに座っていた。
「いただきます」
断りを入れてクッキーを1枚手に取った。
「んー!美味しいです」
「そっか、良かった」
「・・・」
「・・・」
何か、ひざしさん様子がおかしい?
マシンガントークが得意なひざしさんが、今日はあまり喋らない。
「ひざしさん、体調悪いですか?」
「んーん。そうじゃねぇけど・・・」
「そうじゃないけど・・・?」
私は首を傾げた。
「・・・何かありましたか?」
「・・・」
困ったように視線を下げるひざしさんに私はクッキーを取る手を止めた。
彼はヒーローだ。
もしかしたら何か大きな悩み事があるのかも。
「私は一般人なので何もできないかもしれないですけど、もし話して楽になるなら教えて欲しいです」
向かい合わせに座っていたひざしさんは立ち上がると、私の後ろに移動した。
「?」
私を足の間に座らせ、ギュッと後ろから抱き締めた。
「さっき・・・消太来てた?」
「相澤先生?」
確かにここにさっきまで相澤先生がいた。
しかしどうして彼は知っているのだろうか。
私は電話が来たタイミングと相澤先生が帰った時間を思い出した。
「あっ!それは・・・」
私は慌てて、ひざしさんの方を向こうとするが、何を勘違いしているのか腕の力がさらに強まった。
「俺、名前ちゃんのこと信じていいんだよね?」
「当たり前じゃないですか!信じて下さいっ」
「じゃあ何で、あいつが来たの隠してたんだよ?」
「いや、隠してたというか言うほどのことでもないというか・・・」
「何だそれ?男を部屋に上げるのに彼氏の俺に言うほどのことでもないって、そんなことある?」
「だって・・・!」
「ただ、虫退治してもらっただけです!!」
****************
俺は名前ちゃんが勢いよく放った言葉に、唖然とした。
「え・・・?虫退治?」
「実は、掃除してたら見た事のない少し大きい虫が出てきて・・・あっ、Gじゃないですよ」
絶対に放さないとばかりに強めていた腕が緩んだ瞬間、名前ちゃんはくるりと俺の方を向いた。
俺の胡坐を掻いた上に座る名前ちゃんが胸の位置から俺を見上げた。
「私じゃとても無理なんで、相澤先生を召還したんです」
「WHY!?何で消太!?俺頼ってくれたらいいじゃん!」
「ひざしさん虫苦手じゃないですか!」
そう言われ、俺は思わず押し黙る。
「大量にいたらあれだけど、一匹ならいけるって!」
あの期末試験の時はイレギュラー!
愛しの彼女に頼まれたら虫ぐらいいける!!・・・・・・多分。
「本当ですか・・・?」
心配そうに伺う彼女の頭を撫でた。
「うん。だからもう消太に頼むのはナシな」
***********
おまけ
「・・・でもあとで一緒にホームセンター行こ?」
「ホームセンター?」
「殺虫剤だけ買って置いとかせて」
俺は自分自身の目を疑った。
パチパチと瞬きをしてみるが、数十メートル先の光景は変わらなかった。
「消太・・・?」
晴れた日の休日。
今日、俺は自身の恋人である名前ちゃんの家に行く予定だった。
そして今アパートが視界に入ってきたところだった。
ここからでも見える共有部分に目をやると、ちょうど名前ちゃんの部屋の扉が開いた。
もしかして俺が来たっていうテレパシーでも伝わった!?とか思っていると、そこから出てきたのは我が愛しの名前ちゃんではなく、これまた見慣れた友人だった。
名前ちゃんは玄関にいるのか姿は見えない。
消太は二三言何かを話すと、アパートから出て行った。
俺は姿を見られないように咄嗟に近くの路地へ身体を滑り込ませた。
「何が・・・どーなってんだ」
心臓がバクバク音を立てた。
消太に気付かれないよう、気を付けて様子を伺うと、彼は颯爽とアパートから去っていった。
「えっ?マジで?」
浮気・・・?
だって、もし消太と事前に何か会う必要があるなら律儀な名前ちゃんは俺に連絡すると思うのだ。
しかし携帯を確認しても何も連絡は入っていない。
俺は恐る恐る名前ちゃんの携帯に電話を掛けた。
『もしもし?』
耳元から聞こえる彼女の声。
いつもと何も変わらない。
「もしもし?俺だけど」
『はい!どうかしましたか?』
いや、むしろ君がどうかしたのか聞きたい。
「もうすぐ家着くぜ」
『気を付けてきてくださいね!紅茶入れて待ってます』
最近付き合い始めたばかりの名前ちゃんは、まだ敬語がやめられない。
敬語を止めてほしいと思う一方で、それがまた初々しさを感じてあえて言わない俺がいた。
あんなに純粋そうな彼女が浮気?
未だに先ほどの光景が信じられず、とりあえず重い足取りで彼女のアパートのインターホンを鳴らした。
****************
「いらっしゃいです!」
「ん」
楽しみにしていた休日。
ひざしさんが来るから、朝から掃除を頑張った。
「これ、クッキー」
「わあっ。ありがとうございます!紅茶と一緒に食べましょう」
受け取ったお菓子のラッピングを開けてお皿に盛り付けてテーブルの上に出した。
クッキーと紅茶。
まるで女子会のようなセットだが、ひざしさんは何の違和感もなくそこに座っていた。
「いただきます」
断りを入れてクッキーを1枚手に取った。
「んー!美味しいです」
「そっか、良かった」
「・・・」
「・・・」
何か、ひざしさん様子がおかしい?
マシンガントークが得意なひざしさんが、今日はあまり喋らない。
「ひざしさん、体調悪いですか?」
「んーん。そうじゃねぇけど・・・」
「そうじゃないけど・・・?」
私は首を傾げた。
「・・・何かありましたか?」
「・・・」
困ったように視線を下げるひざしさんに私はクッキーを取る手を止めた。
彼はヒーローだ。
もしかしたら何か大きな悩み事があるのかも。
「私は一般人なので何もできないかもしれないですけど、もし話して楽になるなら教えて欲しいです」
向かい合わせに座っていたひざしさんは立ち上がると、私の後ろに移動した。
「?」
私を足の間に座らせ、ギュッと後ろから抱き締めた。
「さっき・・・消太来てた?」
「相澤先生?」
確かにここにさっきまで相澤先生がいた。
しかしどうして彼は知っているのだろうか。
私は電話が来たタイミングと相澤先生が帰った時間を思い出した。
「あっ!それは・・・」
私は慌てて、ひざしさんの方を向こうとするが、何を勘違いしているのか腕の力がさらに強まった。
「俺、名前ちゃんのこと信じていいんだよね?」
「当たり前じゃないですか!信じて下さいっ」
「じゃあ何で、あいつが来たの隠してたんだよ?」
「いや、隠してたというか言うほどのことでもないというか・・・」
「何だそれ?男を部屋に上げるのに彼氏の俺に言うほどのことでもないって、そんなことある?」
「だって・・・!」
「ただ、虫退治してもらっただけです!!」
****************
俺は名前ちゃんが勢いよく放った言葉に、唖然とした。
「え・・・?虫退治?」
「実は、掃除してたら見た事のない少し大きい虫が出てきて・・・あっ、Gじゃないですよ」
絶対に放さないとばかりに強めていた腕が緩んだ瞬間、名前ちゃんはくるりと俺の方を向いた。
俺の胡坐を掻いた上に座る名前ちゃんが胸の位置から俺を見上げた。
「私じゃとても無理なんで、相澤先生を召還したんです」
「WHY!?何で消太!?俺頼ってくれたらいいじゃん!」
「ひざしさん虫苦手じゃないですか!」
そう言われ、俺は思わず押し黙る。
「大量にいたらあれだけど、一匹ならいけるって!」
あの期末試験の時はイレギュラー!
愛しの彼女に頼まれたら虫ぐらいいける!!・・・・・・多分。
「本当ですか・・・?」
心配そうに伺う彼女の頭を撫でた。
「うん。だからもう消太に頼むのはナシな」
***********
おまけ
「・・・でもあとで一緒にホームセンター行こ?」
「ホームセンター?」
「殺虫剤だけ買って置いとかせて」
1/1ページ