【2章】ようこそ、煙ファミリーへ
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「心。名前にあの映画を見せてやれ」
「食後に見る映画じゃねぇだろ」
心さんは渋々食事を終えた私を別室に案内した。
「これは・・・?」
ソファーに座るように促されたので、腰を下ろした。
DVDをセットすると隣に心さんもドカリ、と座った。
「自作の映画・・・ですか?」
冒頭から煙さんが出演している。
「ファミリーの歴史を映像化したものだ。だが、まあ脚色がひどい」
「ええっ・・・」
脚色されてるなら見る意味よ・・・。
あれか、トップがカラスを白と言うのであればカラスは白色ということか。
「ほら」
心さんは私に向かって袋を差し出した。
「吐きたくなったらこれに吐け」
「そんな内容なんですか!?」
「俺は平気だが・・・名前は繊細そうだからな」
「あ、名前・・・」
「ファミリーの一員になったんだ。名前くらいいいだろ」
嫌か?と聞かれ、私は首を横に振った。
「私も心さんって呼んでもいいですか?」
「好きにしろ」
「ありがとうございます」
*************
「おい・・・大丈夫か」
「し、心さんと能井さんが・・・」
新しくファミリーの一員となった女はやはり繊細だった。
いや、きっと俺らの方が異常で彼女が正常なのだろう。
能井と俺の腹が引き裂かれるシーンで眩暈を起こしていた。
「まあ、あれだ。要は十字目と敵対しているわけだが、相手のボスが死んだかどうかわからない。だから確認するために時を遡る魔法使いを探してるってわけだ」
「すみません・・・。最後全然見れなくて」
「最初から見せずに俺が要約すりゃよかったな」
吐き気を堪えている名前を見ると不憫に思えた。
「そんなんで大丈夫なのか・・・。名前の魔法を使うってときは、まあ悲惨な状態だぞ」
擦り傷ぐらいだったら魔法なんていらねぇからな。
「わ、分からないです・・・」
「フッ」
「え?」
「そこは頑張ります、じゃないのかよ」
「じ、自信なくて・・・」
普段能井と恵比寿しか女と関わらないから、彼女は妙に儚く映る。
「でも・・・ガンバリマス」
頑張らないとお給料もらえないし・・・と小さな声で呟く名前にまた笑いが漏れた。
「金かよ」
「お金がないと、何もできないです」
「違いねぇ」
俺はファミリーに入る前の貧しかった頃の自分を思い出した。
「その内慣れるだろ」
まあ、しばらくは袋を常備しといた方がいいな。
名前の部屋になる場所を案内し、その後自室に戻った俺は黒いポリ袋をいつもより多めにスーツに忍ばせたのであった。
「食後に見る映画じゃねぇだろ」
心さんは渋々食事を終えた私を別室に案内した。
「これは・・・?」
ソファーに座るように促されたので、腰を下ろした。
DVDをセットすると隣に心さんもドカリ、と座った。
「自作の映画・・・ですか?」
冒頭から煙さんが出演している。
「ファミリーの歴史を映像化したものだ。だが、まあ脚色がひどい」
「ええっ・・・」
脚色されてるなら見る意味よ・・・。
あれか、トップがカラスを白と言うのであればカラスは白色ということか。
「ほら」
心さんは私に向かって袋を差し出した。
「吐きたくなったらこれに吐け」
「そんな内容なんですか!?」
「俺は平気だが・・・名前は繊細そうだからな」
「あ、名前・・・」
「ファミリーの一員になったんだ。名前くらいいいだろ」
嫌か?と聞かれ、私は首を横に振った。
「私も心さんって呼んでもいいですか?」
「好きにしろ」
「ありがとうございます」
*************
「おい・・・大丈夫か」
「し、心さんと能井さんが・・・」
新しくファミリーの一員となった女はやはり繊細だった。
いや、きっと俺らの方が異常で彼女が正常なのだろう。
能井と俺の腹が引き裂かれるシーンで眩暈を起こしていた。
「まあ、あれだ。要は十字目と敵対しているわけだが、相手のボスが死んだかどうかわからない。だから確認するために時を遡る魔法使いを探してるってわけだ」
「すみません・・・。最後全然見れなくて」
「最初から見せずに俺が要約すりゃよかったな」
吐き気を堪えている名前を見ると不憫に思えた。
「そんなんで大丈夫なのか・・・。名前の魔法を使うってときは、まあ悲惨な状態だぞ」
擦り傷ぐらいだったら魔法なんていらねぇからな。
「わ、分からないです・・・」
「フッ」
「え?」
「そこは頑張ります、じゃないのかよ」
「じ、自信なくて・・・」
普段能井と恵比寿しか女と関わらないから、彼女は妙に儚く映る。
「でも・・・ガンバリマス」
頑張らないとお給料もらえないし・・・と小さな声で呟く名前にまた笑いが漏れた。
「金かよ」
「お金がないと、何もできないです」
「違いねぇ」
俺はファミリーに入る前の貧しかった頃の自分を思い出した。
「その内慣れるだろ」
まあ、しばらくは袋を常備しといた方がいいな。
名前の部屋になる場所を案内し、その後自室に戻った俺は黒いポリ袋をいつもより多めにスーツに忍ばせたのであった。
