【1章】出会い
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「こんにちは、藤田さん」
私は以前路地裏で助けた男性との待ち合わせ場所に向かった。
助けたお礼にご飯をご馳走してくれるらしい。
本当は連絡先を教えるのも怖かったけど、話してみると案外いい人で、少しずつ私の心は開いていった。
そして今日のご飯も実は少し楽しみだった。
男性とご飯なんて滅多に行くことないし。
「こ、こんにちは」
挨拶もそこそこに、この間気になっていると話していた、最近オープンしたお店に私達は入った。
*************
ワンピースを着た名前ちゃん。
前に会った時より着飾って来てくれているのは自分のためだったりするのかなぁ~なんて鼻の下が伸びた。
「煙ファミリー?」
「うん。知ってる?」
「それは、まあ・・・名前ぐらいは・・・」
煙ファミリーは裏事業だけでなく、この世界で幅広い商売をしているので知名度は高いのだ。
俺みたいなショボい魔法で下っ端構成員にもなんやかんや煙さんは大事にしてくれるから、好きだ。
「俺も名前ちゃんみたいな希少魔法が使えたらなあ~」
治癒や時間に関する魔法は希少なのだ。
だから重宝される。
「あの・・・そのことなんだけど・・・」
名前ちゃんは周囲を伺いながら、声を潜めた。
「あまり私の魔法のことは話さないでほしい」
眉を下げて不安そうな表情を浮かべている彼女の顔は、美味しそうな料理を前に不釣り合いだった。
「あ!そう・・・だよな。ごめん。気を付ける」
この世界にいるから分かる。
希少魔法は悪用されやすいのだ。
ましてや自分がいる場所は隣の人間が明日には死体になっているなんてことがザラにある世界だ。
「ううん。藤田さんは悪い人じゃなさそうだし・・・」
「悪用なんてしないっ!誓って!」
「うん」
やっと見せてくれた笑顔に、俺もホッと胸をなでおろした。
*************
煙ファミリーって、噂であくどいこともやってるとか聞いたことあるけど・・・。
隣を歩く藤田さんからはそんな雰囲気微塵も感じなかった。
昼食を食べ終わった後も、なんとなく一緒にいる流れになって、そのまま身を任せていたら日が落ち始めた。
さすがに帰ることを告げると「送っていくよ」と言ってくれて、お言葉に甘えた。
「こっちの方に住んでるの・・・?」
「うん」
藤田さんが驚くのも無理ないよね。
街灯はほとんどなく、薄ぐらいここは女が住むには躊躇する場所だ。
「危なくない・・・?」
「うん・・・。でもあまりお金なくて」
情けないことに前回藤田さんの前で腹の虫を鳴らしてしまったのも、節約のために食事を抜いていたからだった。
「実は以前住んでた場所に強盗に入られちゃって」
「ええっ!?」
「私は外出中で無事だったんだけど、金目の物はごっそり・・・。またお金貯まったら引っ越すつもりだからそれまでの仮住まいなの」
「いや・・・でも」
「今失業中だからまずは働く場所見つけないといけないし」
働く場所もなければ、一文無し。
しかし、先日バイト募集の張り紙を見つけた飲食店に面接してもらえることが決まっている。
なんとかそこに雇ってもらえれば・・・。
「し、心配だ・・・」
「ありがとう。なんとかなるよ」
私は以前路地裏で助けた男性との待ち合わせ場所に向かった。
助けたお礼にご飯をご馳走してくれるらしい。
本当は連絡先を教えるのも怖かったけど、話してみると案外いい人で、少しずつ私の心は開いていった。
そして今日のご飯も実は少し楽しみだった。
男性とご飯なんて滅多に行くことないし。
「こ、こんにちは」
挨拶もそこそこに、この間気になっていると話していた、最近オープンしたお店に私達は入った。
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ワンピースを着た名前ちゃん。
前に会った時より着飾って来てくれているのは自分のためだったりするのかなぁ~なんて鼻の下が伸びた。
「煙ファミリー?」
「うん。知ってる?」
「それは、まあ・・・名前ぐらいは・・・」
煙ファミリーは裏事業だけでなく、この世界で幅広い商売をしているので知名度は高いのだ。
俺みたいなショボい魔法で下っ端構成員にもなんやかんや煙さんは大事にしてくれるから、好きだ。
「俺も名前ちゃんみたいな希少魔法が使えたらなあ~」
治癒や時間に関する魔法は希少なのだ。
だから重宝される。
「あの・・・そのことなんだけど・・・」
名前ちゃんは周囲を伺いながら、声を潜めた。
「あまり私の魔法のことは話さないでほしい」
眉を下げて不安そうな表情を浮かべている彼女の顔は、美味しそうな料理を前に不釣り合いだった。
「あ!そう・・・だよな。ごめん。気を付ける」
この世界にいるから分かる。
希少魔法は悪用されやすいのだ。
ましてや自分がいる場所は隣の人間が明日には死体になっているなんてことがザラにある世界だ。
「ううん。藤田さんは悪い人じゃなさそうだし・・・」
「悪用なんてしないっ!誓って!」
「うん」
やっと見せてくれた笑顔に、俺もホッと胸をなでおろした。
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煙ファミリーって、噂であくどいこともやってるとか聞いたことあるけど・・・。
隣を歩く藤田さんからはそんな雰囲気微塵も感じなかった。
昼食を食べ終わった後も、なんとなく一緒にいる流れになって、そのまま身を任せていたら日が落ち始めた。
さすがに帰ることを告げると「送っていくよ」と言ってくれて、お言葉に甘えた。
「こっちの方に住んでるの・・・?」
「うん」
藤田さんが驚くのも無理ないよね。
街灯はほとんどなく、薄ぐらいここは女が住むには躊躇する場所だ。
「危なくない・・・?」
「うん・・・。でもあまりお金なくて」
情けないことに前回藤田さんの前で腹の虫を鳴らしてしまったのも、節約のために食事を抜いていたからだった。
「実は以前住んでた場所に強盗に入られちゃって」
「ええっ!?」
「私は外出中で無事だったんだけど、金目の物はごっそり・・・。またお金貯まったら引っ越すつもりだからそれまでの仮住まいなの」
「いや・・・でも」
「今失業中だからまずは働く場所見つけないといけないし」
働く場所もなければ、一文無し。
しかし、先日バイト募集の張り紙を見つけた飲食店に面接してもらえることが決まっている。
なんとかそこに雇ってもらえれば・・・。
「し、心配だ・・・」
「ありがとう。なんとかなるよ」
