【3章】放っておけない
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恵比寿に案内させ、ケムリの買取をしている店に押し入った。
「邪魔するぞ」
「あんたは…」
店の主人は俺のことを知っている様子だった。
話は早い。
「こいつと一緒に来た女のこと覚えてるか」
恵比寿を前に押し出すと、目の前の老人は目を凝らした。
「ああ。覚えているよ、なんせあの魔法だからね…」
「その女の情報を聞きに来た奴は?」
「それは居ない」
しれっとぬかすそいつの首元を掴み引き寄せた。
「あまり舐めたこと言ってると店ごと潰すぞ」
「ほ、本当だ…!!」
じっと目を見て脅しをかけるが、首を横に振るばかり。
「邪魔するぞ」
「ちょ、ちょっと」
カウンターを飛び越え、店の奥に見えた、ケムリの棚の前に立った。
何か手がかりはないか、と端から順に目を通す。
「アイツのケムリはどこだ」
「これ…です。危ないから絶対開けないでくださいよ」
危ない?
名前のケムリに危ない要素なんてあるか?
まるで劇薬を扱うかのような言い方に、俺は顔を顰めた。
だが、そこに貼られたラベルを読んで、さらに眉間の皺が増えたのであった。
**********************
「ハァッ…」
吐き出したケムリは瓶の中に詰められた。
漏れないように念入りに固く締めた。
「あの…本当に、コレ…。こんな扱い方できるものじゃなくて…」
「うるせぇ」
「……」
ケムリを瓶に詰める作業をまるで内職のように行った。
この事自体も心配だが…。
私、どうなってしまうんだろう。
十分集め終わったら殺される…?
不安になって、できるだけゆっくりケムリを詰めた。
そして、ケムリも無限に出てくるわけではない。
「これ以上は無理…です」
本当はもう少し出せるけど、万が一のために取っておきたかった。
「フン。そこに座れ」
指示された場所に座ると、男は私の手を縛り始めた。
「こんなことしなくても、逃げないし、逃げられないです」
懇願してみるが、聞く耳を持ってくれなかった。
「あの煙ファミリーの一員だぞ。信用できない」
どこからどう見ても普通の女なのだが、煙ファミリーという大きな存在が私のことまで必要以上に大きく見せてしまっていた。
後ろ手できつく結ばれてしまい、痛かった。
緩められないか外側に力を入れて広げてみるが、難しそうだ。
私が四苦八苦していると、外から喧騒が聞こえた。
「何だ、お前らっ!」
「あ、こいつ煙ファミリーの…!」
煙ファミリーといえば沢山人がいるのに。
それでも私の脳裏にはふっと心さんの顔が浮かんだ。
どんな顔をして会えばいいのだろう。
助かる、という安堵の気持ちより気まずさが上回った。
外に居た人が中に転がり込んできた。
「いってぇ…」
脇腹から流れる血を抑え、私が用意した瓶を手に持った。
「ダメっ!!!」
咄嗟に上げた声に男は構うことなく瓶の蓋を開けてケムリを自分に掛けた。
「名前!?」
聞こえてきた声はやはり彼のものだった。
だが私はその声に構わず、ケムリを被った男に手を伸ばそうとした。しかし生憎縛られているためグシャリとその場に崩れた。
「おいっ」
心さんは部屋に居た男達を自身のケムリで分解した。
「ア?」
私のケムリを浴びた男にも心さんは手を掛けようとしたが、ピタリと止まった。
「心さん、そこから離れて!私のケムリ浴びちゃだめです!」
私の声よりも早く、彼の野生のカンが働き、すでに距離を取っていた。
「・・・・そういうことか」
「おぎゃぁああ」
今なら心さんの背後を取れるのでは、と思ってしまうぐらい彼はケムリを浴びて赤ちゃんになってしまった男のことを見つめていた。
「邪魔するぞ」
「あんたは…」
店の主人は俺のことを知っている様子だった。
話は早い。
「こいつと一緒に来た女のこと覚えてるか」
恵比寿を前に押し出すと、目の前の老人は目を凝らした。
「ああ。覚えているよ、なんせあの魔法だからね…」
「その女の情報を聞きに来た奴は?」
「それは居ない」
しれっとぬかすそいつの首元を掴み引き寄せた。
「あまり舐めたこと言ってると店ごと潰すぞ」
「ほ、本当だ…!!」
じっと目を見て脅しをかけるが、首を横に振るばかり。
「邪魔するぞ」
「ちょ、ちょっと」
カウンターを飛び越え、店の奥に見えた、ケムリの棚の前に立った。
何か手がかりはないか、と端から順に目を通す。
「アイツのケムリはどこだ」
「これ…です。危ないから絶対開けないでくださいよ」
危ない?
名前のケムリに危ない要素なんてあるか?
まるで劇薬を扱うかのような言い方に、俺は顔を顰めた。
だが、そこに貼られたラベルを読んで、さらに眉間の皺が増えたのであった。
**********************
「ハァッ…」
吐き出したケムリは瓶の中に詰められた。
漏れないように念入りに固く締めた。
「あの…本当に、コレ…。こんな扱い方できるものじゃなくて…」
「うるせぇ」
「……」
ケムリを瓶に詰める作業をまるで内職のように行った。
この事自体も心配だが…。
私、どうなってしまうんだろう。
十分集め終わったら殺される…?
不安になって、できるだけゆっくりケムリを詰めた。
そして、ケムリも無限に出てくるわけではない。
「これ以上は無理…です」
本当はもう少し出せるけど、万が一のために取っておきたかった。
「フン。そこに座れ」
指示された場所に座ると、男は私の手を縛り始めた。
「こんなことしなくても、逃げないし、逃げられないです」
懇願してみるが、聞く耳を持ってくれなかった。
「あの煙ファミリーの一員だぞ。信用できない」
どこからどう見ても普通の女なのだが、煙ファミリーという大きな存在が私のことまで必要以上に大きく見せてしまっていた。
後ろ手できつく結ばれてしまい、痛かった。
緩められないか外側に力を入れて広げてみるが、難しそうだ。
私が四苦八苦していると、外から喧騒が聞こえた。
「何だ、お前らっ!」
「あ、こいつ煙ファミリーの…!」
煙ファミリーといえば沢山人がいるのに。
それでも私の脳裏にはふっと心さんの顔が浮かんだ。
どんな顔をして会えばいいのだろう。
助かる、という安堵の気持ちより気まずさが上回った。
外に居た人が中に転がり込んできた。
「いってぇ…」
脇腹から流れる血を抑え、私が用意した瓶を手に持った。
「ダメっ!!!」
咄嗟に上げた声に男は構うことなく瓶の蓋を開けてケムリを自分に掛けた。
「名前!?」
聞こえてきた声はやはり彼のものだった。
だが私はその声に構わず、ケムリを被った男に手を伸ばそうとした。しかし生憎縛られているためグシャリとその場に崩れた。
「おいっ」
心さんは部屋に居た男達を自身のケムリで分解した。
「ア?」
私のケムリを浴びた男にも心さんは手を掛けようとしたが、ピタリと止まった。
「心さん、そこから離れて!私のケムリ浴びちゃだめです!」
私の声よりも早く、彼の野生のカンが働き、すでに距離を取っていた。
「・・・・そういうことか」
「おぎゃぁああ」
今なら心さんの背後を取れるのでは、と思ってしまうぐらい彼はケムリを浴びて赤ちゃんになってしまった男のことを見つめていた。
