クモ男さんと一緒/巻島
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最近私にはハマっていることがある。
「巻島くん!」
私期待の眼差しを送ると、巻島くんは携帯から目を離して顔を上げた。
「っショ」
巻島くんが頷いて私に背中を向けた。
「やった!」
私は鞄から髪ゴムと櫛を取り出した。
「またやってるの?」
巻島くんの髪をいじっている私を見て友達が呆れた様子で私達に近づく。
「巻島くんの髪で編み込みの練習をしているの」
自分の髪で練習していたのだが、上手くいかないのでまずは全体像を掴むために人の髪の毛でやってみようという結論に達した。
はじめは友達にお願いしようと思っていたのだが、この話をしたところ巻島くんが自分の髪を使っていいと言ってくれたのだ。
「うまくなってきたでしょ?」
私が右サイドから巻島くんの髪を編み込んでいく。
「確かに最初の頃に比べたらだいぶ上達してるよ」
最初は巻島くんが「痛いっショ」と声を上げたり、髪が絡まってほどけなくなったり大変だった。
「よしできた」
私は巻島くんに渾身の出来栄えを鏡で披露した。
「おお。綺麗にできてるっショ」
次は自分の髪でできるようにマスターしよう。
「練習台になってくれてありがとう。次は自分の髪でできるように頑張るね」
「夏は暑いからたまにまた括ってくれっショ」
「うん」
せっかく綺麗にできたということで巻島くんはその日1日その髪型でいてくれた。
先生に突っ込まれていたが。
しかしわりと巻島くんの髪型はクラスで好評だった。
自分の鼻が高くなった気分だ。
******
ある日の放課後、部活へ行く前にトイレに行くと巻島くんに告げて教室を出た。
戻ると廊下からまだ巻島くんが教室にいるのが確認できた。
「待っててくれたんだ」
私は急いだが、先に別の女子生徒が巻島くんに話しかけた。
「その長い髪、部活中暑くないの?」
「あー、もう慣れたっショ」
「私ゴム持ってるから括ってあげようか!」
そう言って彼女はポーチから櫛と髪ゴムを取り出した。
「いや、悪いけど遠慮するっショ」
「どうして?」
彼女は納得いかなさそうだった。
「俺、人に髪触られるの好きじゃないから」
私は耳を疑った。
あれだけ私はここ最近巻島くんの髪をいじっていたのにまさか彼が人に髪を触られるのが嫌だなんて思いもしなかった。
巻島くんは優しいから言い出せなかったのだろうか。
「そっかー、残念」
女子生徒は鞄にポーチをしまい教室を出た。
入れ違いで私は教室に入った。
「よし、行くっショ」
巻島くんは私の鞄を渡してくれた。
「う、うん」
教室を出た巻島くんの隣に並んで部室へと向かった。
「あの・・・巻島くん」
私はさっきのことを聞こうと思った。
「ん?」
「えーっと、今日も頑張ろうね!」
ああ、私のチキン。
嫌な気持ちにさせていたのではないかと思うと言い出せなかった。
*****
「何かあったんスか」
鳴子が俺に耳打ちをしてきた。
「心当たりはないっショ・・・」
最近、名前は意外にも感情の起伏が激しいことに気が付いた。
顔にそのときの感情が出やすいというかなんというか。
今は何か考え込んで落ち込んでいるというのがよく分かる。
さっきまで普通だったのに。
大した長さを生きたわけではないが、人生の大半を自転車で占めてきた俺は、グラビアに夢中になる男子の気持ちは分かっても女心はわからない。
「名前?」
俺は勇気を出して喋りかけた。
「何かあったっショ?」
名前はじーっと俺の目を見つめたかと思えば、不意に視線が外されて今度は髪を見ていた。
「括りたいのか?」
俺はまた編み込みの練習がしたいのかと思い、時計を見る。
部活が始まるので少ししか時間ないけど頑張ればいけるか?
俺の意識が時計に逸れてる間にふと髪に違和感を感じた。
気づけば名前が恐る恐る俺の髪に指を絡めていた。
「嫌だった…?」
名前が機嫌を伺うように尋ねた。
「嫌じゃないっショ」
俺はそのままの感情を答えた。
「気使ってくれてない?」
首を横に振って応えた。
「だってさっき…教室で…」
彼女の言いたいことにこの時点で気づいた。
「あれは違うっショ!」
「髪触られるの嫌だったんだよね?」
名前は肩を落としていた。
「あー、なんていうか、基本的に触られるの嫌だけど、名前は特別っショ」
俺は長い髪を掻き上げた。
「むしろ触ってほしい…って言ったら変態みたいだな」
俺が言いたいことがよく分かっていない様子だった。
「だから!髪を触っていい人とダメな人がいて、名前はいい人ってこと。これからも時々髪を括ってほしいっショ」
とにかく嫌じゃなかったということは伝えたかった。
やっと言いたかったことが伝わったのか、名前は破顔してみせた。
「よかったー!嫌われちゃったらどうしようかと思ってた」
ホッとした様子の名前にむしろ俺の方がホッとした。
次いつ括ってくれるのか、その日が待ち遠しいと思いながら俺はジャージに袖を通した。
「巻島くん!」
私期待の眼差しを送ると、巻島くんは携帯から目を離して顔を上げた。
「っショ」
巻島くんが頷いて私に背中を向けた。
「やった!」
私は鞄から髪ゴムと櫛を取り出した。
「またやってるの?」
巻島くんの髪をいじっている私を見て友達が呆れた様子で私達に近づく。
「巻島くんの髪で編み込みの練習をしているの」
自分の髪で練習していたのだが、上手くいかないのでまずは全体像を掴むために人の髪の毛でやってみようという結論に達した。
はじめは友達にお願いしようと思っていたのだが、この話をしたところ巻島くんが自分の髪を使っていいと言ってくれたのだ。
「うまくなってきたでしょ?」
私が右サイドから巻島くんの髪を編み込んでいく。
「確かに最初の頃に比べたらだいぶ上達してるよ」
最初は巻島くんが「痛いっショ」と声を上げたり、髪が絡まってほどけなくなったり大変だった。
「よしできた」
私は巻島くんに渾身の出来栄えを鏡で披露した。
「おお。綺麗にできてるっショ」
次は自分の髪でできるようにマスターしよう。
「練習台になってくれてありがとう。次は自分の髪でできるように頑張るね」
「夏は暑いからたまにまた括ってくれっショ」
「うん」
せっかく綺麗にできたということで巻島くんはその日1日その髪型でいてくれた。
先生に突っ込まれていたが。
しかしわりと巻島くんの髪型はクラスで好評だった。
自分の鼻が高くなった気分だ。
******
ある日の放課後、部活へ行く前にトイレに行くと巻島くんに告げて教室を出た。
戻ると廊下からまだ巻島くんが教室にいるのが確認できた。
「待っててくれたんだ」
私は急いだが、先に別の女子生徒が巻島くんに話しかけた。
「その長い髪、部活中暑くないの?」
「あー、もう慣れたっショ」
「私ゴム持ってるから括ってあげようか!」
そう言って彼女はポーチから櫛と髪ゴムを取り出した。
「いや、悪いけど遠慮するっショ」
「どうして?」
彼女は納得いかなさそうだった。
「俺、人に髪触られるの好きじゃないから」
私は耳を疑った。
あれだけ私はここ最近巻島くんの髪をいじっていたのにまさか彼が人に髪を触られるのが嫌だなんて思いもしなかった。
巻島くんは優しいから言い出せなかったのだろうか。
「そっかー、残念」
女子生徒は鞄にポーチをしまい教室を出た。
入れ違いで私は教室に入った。
「よし、行くっショ」
巻島くんは私の鞄を渡してくれた。
「う、うん」
教室を出た巻島くんの隣に並んで部室へと向かった。
「あの・・・巻島くん」
私はさっきのことを聞こうと思った。
「ん?」
「えーっと、今日も頑張ろうね!」
ああ、私のチキン。
嫌な気持ちにさせていたのではないかと思うと言い出せなかった。
*****
「何かあったんスか」
鳴子が俺に耳打ちをしてきた。
「心当たりはないっショ・・・」
最近、名前は意外にも感情の起伏が激しいことに気が付いた。
顔にそのときの感情が出やすいというかなんというか。
今は何か考え込んで落ち込んでいるというのがよく分かる。
さっきまで普通だったのに。
大した長さを生きたわけではないが、人生の大半を自転車で占めてきた俺は、グラビアに夢中になる男子の気持ちは分かっても女心はわからない。
「名前?」
俺は勇気を出して喋りかけた。
「何かあったっショ?」
名前はじーっと俺の目を見つめたかと思えば、不意に視線が外されて今度は髪を見ていた。
「括りたいのか?」
俺はまた編み込みの練習がしたいのかと思い、時計を見る。
部活が始まるので少ししか時間ないけど頑張ればいけるか?
俺の意識が時計に逸れてる間にふと髪に違和感を感じた。
気づけば名前が恐る恐る俺の髪に指を絡めていた。
「嫌だった…?」
名前が機嫌を伺うように尋ねた。
「嫌じゃないっショ」
俺はそのままの感情を答えた。
「気使ってくれてない?」
首を横に振って応えた。
「だってさっき…教室で…」
彼女の言いたいことにこの時点で気づいた。
「あれは違うっショ!」
「髪触られるの嫌だったんだよね?」
名前は肩を落としていた。
「あー、なんていうか、基本的に触られるの嫌だけど、名前は特別っショ」
俺は長い髪を掻き上げた。
「むしろ触ってほしい…って言ったら変態みたいだな」
俺が言いたいことがよく分かっていない様子だった。
「だから!髪を触っていい人とダメな人がいて、名前はいい人ってこと。これからも時々髪を括ってほしいっショ」
とにかく嫌じゃなかったということは伝えたかった。
やっと言いたかったことが伝わったのか、名前は破顔してみせた。
「よかったー!嫌われちゃったらどうしようかと思ってた」
ホッとした様子の名前にむしろ俺の方がホッとした。
次いつ括ってくれるのか、その日が待ち遠しいと思いながら俺はジャージに袖を通した。
