【16章】何ももたない君だから
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「消太さん!お帰りなさい」
「ただいま」
あれから私は寮を出た。
今住んでいるのは消太さんが以前契約していた部屋。
マイク先生は私達が付き合い始めたことに喜んでくれたが、また私の引っ越しを手伝わされていて少し申し訳なかった。
「今日は肉じゃがにしました!」
「美味そうだな」
消太さんは教員寮を離れることができないので、毎日夕食だけ食べにくる「通い夫」を続けてくれている。
「でも、消太さん結婚前提なんてよく決断できましたね」
「それはお互い様。お互い適齢期だしな」
ここの契約を残していたのも、近いうち一緒に住む為だったと話してくれた。
消太さんはずっと私との将来を考えてくれていた。
「もし結婚前提じゃなければ、さすがにもっと早い段階で付き合ってたよ」
お味噌汁を啜りながら消太さんは喋った。
「ところで今日は変わったことはなかったか」
「はい、平和な1日でした」
消太さんは私が寮を出てから過保護になった。
いつ何があるか分からないからと学校から5分の距離でも帰宅したら必ず連絡を入れる。
パワーローダー先生に頼んで作ってもらったらしい緊急信号マスコット『ピーコちゃん』は万一誘拐されたときボタンを押すと消太さんの元に緊急信号が飛ぶようになっている。
私は肌身離さずそれを持っている。
「教員寮も今はまだ俺が常駐しているが、近い内に当直制になるらしい」
「そうなんですか!」
「そうなればここに寝泊まりに来る回数も増やせる」
「楽しみです」
「ところで・・・名前はいつまで敬語で話すんだ?」
「へ?あ、何となくこのままでした」
「距離を感じる」
消太さんは案外可愛いところがある。
少しムスッとした表情が可愛く思えて私はクスクス笑った。
「一緒に住める日が来るの、楽しみにしてるね」
私の返答に消太さんは満足そうに口角を上げた。
夕食後は小一時間ほどまったりする時間を取ってくれる。
ソファに横並びになって座り、昨日やっていたドラマの続きを流した。
ぴったりと横にくっつき私は消太さんの肩に頭をコテンと倒した。
いつも私が頭を乗せやすいように、少し前にずれて座ってくれるところに優しさを感じる。
「なあ」
「なに?」
「籍はいつ入れたい?」
「んー、消太さんは?」
「こういうのは女の方が拘りあるんじゃないのか?」
「う~ん。じゃあ初めて会った日とか。早いかな?」
「あの俺が敵にボコボコにされてた時か」
「言い方!」
そう言われたら縁起が悪い日のように感じてしまうではないか。
「それならマイク達と初めて飲み会をした日の方がいいんじゃないか?」
「確かに!あの日は私にとって特別な日だったから」
「じゃあ決まりだな。それまでにフラれないようにするよ」
「それは私のセリフ!」
身体の前に翳した左手の薬指には、永遠を誓うシルバーのリングが輝いていた。
~何ももたない君だから Fin~
「ただいま」
あれから私は寮を出た。
今住んでいるのは消太さんが以前契約していた部屋。
マイク先生は私達が付き合い始めたことに喜んでくれたが、また私の引っ越しを手伝わされていて少し申し訳なかった。
「今日は肉じゃがにしました!」
「美味そうだな」
消太さんは教員寮を離れることができないので、毎日夕食だけ食べにくる「通い夫」を続けてくれている。
「でも、消太さん結婚前提なんてよく決断できましたね」
「それはお互い様。お互い適齢期だしな」
ここの契約を残していたのも、近いうち一緒に住む為だったと話してくれた。
消太さんはずっと私との将来を考えてくれていた。
「もし結婚前提じゃなければ、さすがにもっと早い段階で付き合ってたよ」
お味噌汁を啜りながら消太さんは喋った。
「ところで今日は変わったことはなかったか」
「はい、平和な1日でした」
消太さんは私が寮を出てから過保護になった。
いつ何があるか分からないからと学校から5分の距離でも帰宅したら必ず連絡を入れる。
パワーローダー先生に頼んで作ってもらったらしい緊急信号マスコット『ピーコちゃん』は万一誘拐されたときボタンを押すと消太さんの元に緊急信号が飛ぶようになっている。
私は肌身離さずそれを持っている。
「教員寮も今はまだ俺が常駐しているが、近い内に当直制になるらしい」
「そうなんですか!」
「そうなればここに寝泊まりに来る回数も増やせる」
「楽しみです」
「ところで・・・名前はいつまで敬語で話すんだ?」
「へ?あ、何となくこのままでした」
「距離を感じる」
消太さんは案外可愛いところがある。
少しムスッとした表情が可愛く思えて私はクスクス笑った。
「一緒に住める日が来るの、楽しみにしてるね」
私の返答に消太さんは満足そうに口角を上げた。
夕食後は小一時間ほどまったりする時間を取ってくれる。
ソファに横並びになって座り、昨日やっていたドラマの続きを流した。
ぴったりと横にくっつき私は消太さんの肩に頭をコテンと倒した。
いつも私が頭を乗せやすいように、少し前にずれて座ってくれるところに優しさを感じる。
「なあ」
「なに?」
「籍はいつ入れたい?」
「んー、消太さんは?」
「こういうのは女の方が拘りあるんじゃないのか?」
「う~ん。じゃあ初めて会った日とか。早いかな?」
「あの俺が敵にボコボコにされてた時か」
「言い方!」
そう言われたら縁起が悪い日のように感じてしまうではないか。
「それならマイク達と初めて飲み会をした日の方がいいんじゃないか?」
「確かに!あの日は私にとって特別な日だったから」
「じゃあ決まりだな。それまでにフラれないようにするよ」
「それは私のセリフ!」
身体の前に翳した左手の薬指には、永遠を誓うシルバーのリングが輝いていた。
~何ももたない君だから Fin~