【15章】解ける糸
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真鍋さんは私の気持ちに納得してくれたようだ。
会計時にはおきまりの「勝手に予約したのは僕ですから出させてください」「いえ、私も払います」の押し問答が繰り返され、無理矢理渡したお金を一部受け取ってもらうという形で終着した。
「なんだか騒がしいですね」
ホテルのロビーに人だかりができている。
エントランスを出ると私達はギョッとした。
警察がホテルを取り囲んでいたからだ。
私達は何事だと辺りを見回しながらその場を離れた。
少し距離を取ったところで後ろを振り返った。
「何かあったのでしょうか」
真鍋さんがポツリと呟いた一言に私は何も返さなかった。
********
翌朝、テレビを付けるとニュースが飛び込んできた。
"大手高級ホテルで裏賭博!あの大物議員も常連疑惑"
そこは紛れもなく私達が昨日食事をしていた場所だ。
私は思わず歯を磨いていた手を止めた。
全てを悟った。
ああ、消太さん本当に仕事だったんだ。
私はなんて間抜けなのだろう。
信じることができなかった自分を責めた。
********
正午が回ったころ、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
扉越しに「俺だ」と消太さんの声が聞こえた。
私は思わずドアを開ける手が止まった。
どんな顔をして会えばいいのだろう。
そんな私の戸惑う気持ちが伝わったのか「話がしたい。開けてくれ」と再度促された。
私はそっと部屋の鍵を開けた。
「こんにちは」
目を見ることはできなかった。
「邪魔するぞ」
消太さんは強引に部屋へ入った。
ケトルでお茶を用意し、消太さんの前に置く。
「ニュース見たか」
私は頷いた。
「まあ、あの通りだ。毎週金曜日に地下で行われていた賭場を押さえるために、俺ともう一人のヒーローが潜りで現場を探っていた。経営者はホテルのオーナーで、賭場に潜るためには紹介が必要だった。そしてあのレストランは賭場の常連客が出入りしている。先週やっとコネが作れて賭場へ入れた。そして昨日、一斉捜査だ」
消太さんは淡々と事件の概要を説明してくれた。
もう私の中で疑念の心など1ミリも残っていない。
今私の中にあるのは後悔だけだ。
「ごめんなさい」
泣くなんてずるいと思うけど、私は涙が止まらなかった。
「私・・・消太さんのこと信じられませんでした」
せめて顔を見られまいと目元を手で覆って俯いた。
「一つ、聞いてもいいか」
「はい」
「俺のことまだ好きか?」
会計時にはおきまりの「勝手に予約したのは僕ですから出させてください」「いえ、私も払います」の押し問答が繰り返され、無理矢理渡したお金を一部受け取ってもらうという形で終着した。
「なんだか騒がしいですね」
ホテルのロビーに人だかりができている。
エントランスを出ると私達はギョッとした。
警察がホテルを取り囲んでいたからだ。
私達は何事だと辺りを見回しながらその場を離れた。
少し距離を取ったところで後ろを振り返った。
「何かあったのでしょうか」
真鍋さんがポツリと呟いた一言に私は何も返さなかった。
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翌朝、テレビを付けるとニュースが飛び込んできた。
"大手高級ホテルで裏賭博!あの大物議員も常連疑惑"
そこは紛れもなく私達が昨日食事をしていた場所だ。
私は思わず歯を磨いていた手を止めた。
全てを悟った。
ああ、消太さん本当に仕事だったんだ。
私はなんて間抜けなのだろう。
信じることができなかった自分を責めた。
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正午が回ったころ、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
扉越しに「俺だ」と消太さんの声が聞こえた。
私は思わずドアを開ける手が止まった。
どんな顔をして会えばいいのだろう。
そんな私の戸惑う気持ちが伝わったのか「話がしたい。開けてくれ」と再度促された。
私はそっと部屋の鍵を開けた。
「こんにちは」
目を見ることはできなかった。
「邪魔するぞ」
消太さんは強引に部屋へ入った。
ケトルでお茶を用意し、消太さんの前に置く。
「ニュース見たか」
私は頷いた。
「まあ、あの通りだ。毎週金曜日に地下で行われていた賭場を押さえるために、俺ともう一人のヒーローが潜りで現場を探っていた。経営者はホテルのオーナーで、賭場に潜るためには紹介が必要だった。そしてあのレストランは賭場の常連客が出入りしている。先週やっとコネが作れて賭場へ入れた。そして昨日、一斉捜査だ」
消太さんは淡々と事件の概要を説明してくれた。
もう私の中で疑念の心など1ミリも残っていない。
今私の中にあるのは後悔だけだ。
「ごめんなさい」
泣くなんてずるいと思うけど、私は涙が止まらなかった。
「私・・・消太さんのこと信じられませんでした」
せめて顔を見られまいと目元を手で覆って俯いた。
「一つ、聞いてもいいか」
「はい」
「俺のことまだ好きか?」