【15章】解ける糸
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「はあ・・・」
私は待ち合わせ場所に急いだ。
真鍋さんとの廊下での会話を反芻すると、思わず溜息が漏れてしまった。
"あのっ・・・!"
"今週末またご飯に行きませんか?"
あの時は落ち込んでいたし、この間みたいにご飯を食べに行くぐらいならと軽い気持ちでOKしてしまった。
しかし前日の木曜日に「ホテルのディナー予約したんで!」と言われて驚いてしまった。
"あいつ、名前に気があるんじゃないのか?"
消太さんの言葉が頭を過った。
さすがにホテルのディナーと聞いて、ただのお友達だと思われているとは思わない。
先に知っていれば、さすがにおいそれと了承はしなかった。
だが聞かされたのは前日で、予約までしてくれているのに「やっぱり行きません」とは言えなかった。
ましてや色々と恩のある人だ。
とりあえずこの1回は行って、これっきりにしよう。
そう思っていた。
「お待たせしました!」
早歩きの足を噴水の前で待つ彼の傍で止めると、わずかに息が乱れた。
「お疲れ様です」
「すみません、財布を職員室に取りに行ってて」
「いえいえ!予約の時間には間に合いますから」
「どこのホテルですか?」
「こっちです」
真鍋さんは私の質問に答えることなく、足を進めた。
「私服、似合ってますね」
「ありがとうございます」
嬉しいけれど消太さんに言われた時に感じた胸の高鳴りはなかった。
今日服を選ぶときも、真鍋さんに見てもらうためではなく、場に浮かないようにしないとという意識の方が強かった。
「あの、この方向って・・・」
足を進めていくとある場所と同じ方向であることに気付いた。
私の胸がざわつく。
「着きました」
そこは、例の高級ホテルだった。
********
「何でここにしたんですか?」
私は恨めし気な視線を真鍋さんに向けた。
押し進められるままにレストランへと案内され、ウエイターに引いてもらった椅子に腰かけた。
「毎週通い詰めるほど美味しいディナーって気になりませんか?」
「まあ・・・」
確かに毎週食べにくるぐらいだから余程美味しいのだろう。
「鉢合わせするかもしれないじゃないですか・・・」
「そのときは見せつけてやったらいいんじゃないですか」
真鍋さんはいたずらっ子のような表情を浮かべた。
「確かに、諦めるってそういうことですもんね」
そうだ、むしろ消太さんに後悔させてやるぐらいの気持ちでいいのかもしれない。
少しぐらい意地悪しても許されると思う。
「どんな料理か楽しみです!」
もう席に着いてしまったから後には引けない。
それならいっそと料理を楽しむことにした。
私は待ち合わせ場所に急いだ。
真鍋さんとの廊下での会話を反芻すると、思わず溜息が漏れてしまった。
"あのっ・・・!"
"今週末またご飯に行きませんか?"
あの時は落ち込んでいたし、この間みたいにご飯を食べに行くぐらいならと軽い気持ちでOKしてしまった。
しかし前日の木曜日に「ホテルのディナー予約したんで!」と言われて驚いてしまった。
"あいつ、名前に気があるんじゃないのか?"
消太さんの言葉が頭を過った。
さすがにホテルのディナーと聞いて、ただのお友達だと思われているとは思わない。
先に知っていれば、さすがにおいそれと了承はしなかった。
だが聞かされたのは前日で、予約までしてくれているのに「やっぱり行きません」とは言えなかった。
ましてや色々と恩のある人だ。
とりあえずこの1回は行って、これっきりにしよう。
そう思っていた。
「お待たせしました!」
早歩きの足を噴水の前で待つ彼の傍で止めると、わずかに息が乱れた。
「お疲れ様です」
「すみません、財布を職員室に取りに行ってて」
「いえいえ!予約の時間には間に合いますから」
「どこのホテルですか?」
「こっちです」
真鍋さんは私の質問に答えることなく、足を進めた。
「私服、似合ってますね」
「ありがとうございます」
嬉しいけれど消太さんに言われた時に感じた胸の高鳴りはなかった。
今日服を選ぶときも、真鍋さんに見てもらうためではなく、場に浮かないようにしないとという意識の方が強かった。
「あの、この方向って・・・」
足を進めていくとある場所と同じ方向であることに気付いた。
私の胸がざわつく。
「着きました」
そこは、例の高級ホテルだった。
********
「何でここにしたんですか?」
私は恨めし気な視線を真鍋さんに向けた。
押し進められるままにレストランへと案内され、ウエイターに引いてもらった椅子に腰かけた。
「毎週通い詰めるほど美味しいディナーって気になりませんか?」
「まあ・・・」
確かに毎週食べにくるぐらいだから余程美味しいのだろう。
「鉢合わせするかもしれないじゃないですか・・・」
「そのときは見せつけてやったらいいんじゃないですか」
真鍋さんはいたずらっ子のような表情を浮かべた。
「確かに、諦めるってそういうことですもんね」
そうだ、むしろ消太さんに後悔させてやるぐらいの気持ちでいいのかもしれない。
少しぐらい意地悪しても許されると思う。
「どんな料理か楽しみです!」
もう席に着いてしまったから後には引けない。
それならいっそと料理を楽しむことにした。
