【14章】絡まる糸
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本日の業務も無事終了した。
どっと疲れを感じているのは、休み明け月曜日一発目だからという理由だけではないだろう。
私は自室でクッションを抱えながらマイク先生との会話を反芻した。
信じたくはないが、マイク先生の言うことが合っているように思えた。
もう想いを伝え合ってから随分と時間が経ってしまった。
きっとあの時は確かに私のことを好きでいてくれたに違いない。
むしろ最近まで。
例えば最近私との食事を断る理由にしている"仕事"であの女性と出会って、好きになってしまったとか。
一目惚れなんていう言葉もあるぐらいだし、不可避な恋に落ちることなど誰にでもありえる。
だから逢瀬を重ねてるのかも。
私に言い出しにくかったのかな。
そりゃ言えないよね。
マイク先生も言っていたように、自己都合で待たせておきながら気持ちが移ろったなんて。
察するのに1ヵ月もかかってしまった。
自分が恋に落ちて、ちゃんと消太さんのことが見えていなかったのだろうか。
恋は盲目ってよく言うしね。
私は大きく息を吸って吐いた。
********
「名字さん、こんにちは」
「こんにちは」
廊下を歩いていると真鍋さんと鉢合わせした。
今は授業中なので他に誰もいない。
「あれからどうでしたか?」
「う~ん・・・」
真鍋さんには迷惑を掛けてしまった手前隠さずにちゃんと話すべきだ。
私はポリポリと頬を掻いた。
「私、諦めようと思います」
あの日、真鍋さんが帰った後の廊下での出来事、さらにマイク先生との会話とそこから一晩考えて出した結論を初めて人に話した。
「単純な話です。私と付き合うより前に別の人を好きになってしまった」
思い出すのは楽しかった消太さんとの日々。
消太さんのことだから相手の女性の個性なんて関係ない。
私が無個性であることはもっと関係ない。
でも・・・。
「無個性が原因でフラれるよりずっと辛いですね」
女としての敗北を突き付けられた。
見上げた真鍋さんの表情はまるで自分が傷ついているようだった。
「何で真鍋さんがそんな顔するんですか」
「あのっ・・・!」
***************
運がいいのか悪いのか。
ここ最近総務課が忙しいとのことで校長の命により、名前は今週いっぱい総務課に派遣されることが決まった。
総務課か・・・。
俺は真鍋の顔が過った。
名前に言わなければならないことは何一つ伝えられていない。
せめて「今は何も話せないが、信じてほしい」と伝えられていれば少しは違ったのだろうか。
そんな簡単なことをあの日は思うように進まない状況に対する焦りと苛立ちで見失ってしまった。
名前をフォローしなければと思う一方で、俺自身に余裕がない今また下手に不安を煽る結果になるぐらいならいっそ全てが片付いた後にした方がいいのではないかという考えもあった。
そこへ名前の派遣要請。
正直少しほっとした。
一旦は仕事に集中し、それが終われば・・・。
俺は充血する目に目薬を挿した。
「相澤先生、ただいま戻りました!」
晴れやかな表情で席につく名前を見て安堵した。
「総務課すっごく忙しくて。私はひたすら案内のプリントを封筒詰めする作業してました」
「そうか」
「御園さんとも久しぶりに色々お話できました」
「そういえば仲良かったな」
「えへへ」
ニコニコ笑顔を向ける彼女に罪悪感が湧いた。
「名字、本当に悪い」
「何がですか?」
「ずっと飯食えてないだろ」
「いえ!気にしないでください。またいつか食べましょうね」
俺はこの時、名前の最後の言葉が社交辞令だったことに気付かなかった。
どっと疲れを感じているのは、休み明け月曜日一発目だからという理由だけではないだろう。
私は自室でクッションを抱えながらマイク先生との会話を反芻した。
信じたくはないが、マイク先生の言うことが合っているように思えた。
もう想いを伝え合ってから随分と時間が経ってしまった。
きっとあの時は確かに私のことを好きでいてくれたに違いない。
むしろ最近まで。
例えば最近私との食事を断る理由にしている"仕事"であの女性と出会って、好きになってしまったとか。
一目惚れなんていう言葉もあるぐらいだし、不可避な恋に落ちることなど誰にでもありえる。
だから逢瀬を重ねてるのかも。
私に言い出しにくかったのかな。
そりゃ言えないよね。
マイク先生も言っていたように、自己都合で待たせておきながら気持ちが移ろったなんて。
察するのに1ヵ月もかかってしまった。
自分が恋に落ちて、ちゃんと消太さんのことが見えていなかったのだろうか。
恋は盲目ってよく言うしね。
私は大きく息を吸って吐いた。
********
「名字さん、こんにちは」
「こんにちは」
廊下を歩いていると真鍋さんと鉢合わせした。
今は授業中なので他に誰もいない。
「あれからどうでしたか?」
「う~ん・・・」
真鍋さんには迷惑を掛けてしまった手前隠さずにちゃんと話すべきだ。
私はポリポリと頬を掻いた。
「私、諦めようと思います」
あの日、真鍋さんが帰った後の廊下での出来事、さらにマイク先生との会話とそこから一晩考えて出した結論を初めて人に話した。
「単純な話です。私と付き合うより前に別の人を好きになってしまった」
思い出すのは楽しかった消太さんとの日々。
消太さんのことだから相手の女性の個性なんて関係ない。
私が無個性であることはもっと関係ない。
でも・・・。
「無個性が原因でフラれるよりずっと辛いですね」
女としての敗北を突き付けられた。
見上げた真鍋さんの表情はまるで自分が傷ついているようだった。
「何で真鍋さんがそんな顔するんですか」
「あのっ・・・!」
***************
運がいいのか悪いのか。
ここ最近総務課が忙しいとのことで校長の命により、名前は今週いっぱい総務課に派遣されることが決まった。
総務課か・・・。
俺は真鍋の顔が過った。
名前に言わなければならないことは何一つ伝えられていない。
せめて「今は何も話せないが、信じてほしい」と伝えられていれば少しは違ったのだろうか。
そんな簡単なことをあの日は思うように進まない状況に対する焦りと苛立ちで見失ってしまった。
名前をフォローしなければと思う一方で、俺自身に余裕がない今また下手に不安を煽る結果になるぐらいならいっそ全てが片付いた後にした方がいいのではないかという考えもあった。
そこへ名前の派遣要請。
正直少しほっとした。
一旦は仕事に集中し、それが終われば・・・。
俺は充血する目に目薬を挿した。
「相澤先生、ただいま戻りました!」
晴れやかな表情で席につく名前を見て安堵した。
「総務課すっごく忙しくて。私はひたすら案内のプリントを封筒詰めする作業してました」
「そうか」
「御園さんとも久しぶりに色々お話できました」
「そういえば仲良かったな」
「えへへ」
ニコニコ笑顔を向ける彼女に罪悪感が湧いた。
「名字、本当に悪い」
「何がですか?」
「ずっと飯食えてないだろ」
「いえ!気にしないでください。またいつか食べましょうね」
俺はこの時、名前の最後の言葉が社交辞令だったことに気付かなかった。
