【14章】絡まる糸
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺はベッドに脱いだスーツのジャケットを放り投げた。
「ハア・・・」
ベッドに腰かけ、今しがた別れた名前の部屋の方を向いた。
どうやら誰かにあの食事風景を目撃されてしまったらしい。
今思えばもっと気の利いた返事もあっただろうに、真鍋と一緒にいた名前に苛立ちを感じた俺は突き放してしまった。
もう1ヵ月も彼女と一緒に食を共にできていない。
今からもう一度部屋を訪ねて弁解することも考えたが、酒に酔っている様子の彼女がまともに受け止めてくれるか疑問だ。
少しタバコの臭いがついてしまったジャケットに目をやった。
急いては事を仕損じる。
俺は諦めて疲れた体を労わることを優先した。
********
結局何も解決しないまま月曜日を迎えた。
しいていうなら私の中から完全にお酒が抜けきったことぐらいだ。
「おはようございます」
「おはよう」
仕事は仕事。
自然に挨拶できたと思う。
そして消太さんも普通だ。
消太さんはキィ・・・と椅子を回転させて私の方を向いた。
「名字、今週も金曜日は無理そうだ」
「・・・わかりました」
まさか週始めに言われるなんて思わなかった。
「だが」
「私、1限目の授業に使われる資料取ってきますね」
わざとらしかっただろうか。
何か言いかけていたが遮って席を立った。
急ぎではないが、言ってしまった手前行かないわけにはいかない。
職員室を出て資料室へ向かった。
何やかんや仕事をしていたらあっという間に時間は過ぎてお昼休み。
私は食堂でご飯を済ませると残り時間は中庭で時間を潰した。
いつもなら消太さんに会いたくて職員室に早めに戻るのだが、今日ばかりはどんな顔をすればいいのか分からないので。
「おっ、名前ちゃん発見!」
「マイク先生」
「日向ぼっこ?」
「そんなところです」
「俺もいい?」
「もちろん」
私は一歩横にずれてベンチにスペースを空けた。
「よっこいせ」
「それ親父くさいです」
「マジで!」
いつも明るいマイク先生を見ていると元気が出る。
消太さんと対照的すぎて、どうやって2人が仲良くなったのかいつも不思議だ。
私達は他愛もない話をした。
いや、正確にはほとんどマイク先生が喋って、私が相槌を打っている。
そういえば、マイク先生はラジオをやっている。
そこでお悩み相談コーナーがあったはず。
もしかしたらいい回答が得られるかも。
でも私と消太さんのことをマイク先生に相談するなんて。
・・・ベタだけど友達の悩み設定でいくか。
「あのっ」
「何々~?」
「マイク先生ラジオでお悩み相談コーナーやってますよね?」
「うん」
「友達に相談されたんですけど、私何て返したらいいのか悩んでて」
「おっ!じゃあ俺が是非ともアドバイスを」
マイク先生は喜々と腕まくりをした。
「えっと・・・友達には好きな人がいて」
「恋の相談か!」
「はい。相手の人にも好きって言われたらしいんですけど、まだ2人は男性側の都合でお付き合いしてないんです。そうしたら最近男性が他の女性とご飯に行っていることがわかって。友人は男性と毎週ご飯を一緒に食べる仲なんですけど、その女性とは自分と行ったことのない高級ホテルでお食事してたらしくて。この場合ってやっぱり本命は後から出てきた女性なんでしょうか?」
「その食事って1回だけ?」
「いえ、複数回です」
「う~ん・・・じゃあ十中八九そうだろうなぁ」
分かってはいたが、がつーんと鈍器で殴られたぐらいショックだ。
「で、でも。男性のお仕事が落ち着いてら付き合うって約束してたんですよ?それまでも付き合っては無くても相手からの好意はちゃんと感じているような関係です」
「その女性と出会う前に喧嘩とかしてなかった?」
「してないです」
「人間の感情なんて簡単に変わるからな。多分その約束したときは確かに友達と付き合うつもりだったんだと思うぜ?でもどっかのタイミングでその女性と出会って好きになっちまったのかも」
「でもそれなら友達にそう言いませんか?まだ何も言われてないみたいで・・・」
「気まずいんじゃない?自分都合で待たせといて、他の女に気が移ったなんて俺なら言えないね」
「最近毎回仕事を理由にご飯を断られてるみたいなんですけど・・・」
「察して欲しいとか」
とんでもない男だな、とマイク先生は肩を竦めた。
そのとんでもない男は貴方の同僚であり、友人ですとは言えなかった。
「・・・すごく参考になりました。友人にどうやって伝えるか悩んじゃいますけど」
「恋なんてそこら中に転がってるから次行こうぜ!次!」
一刀両断された私の悩み相談。
感傷に浸る間もなく予鈴のチャイムが鳴った。
「ハア・・・」
ベッドに腰かけ、今しがた別れた名前の部屋の方を向いた。
どうやら誰かにあの食事風景を目撃されてしまったらしい。
今思えばもっと気の利いた返事もあっただろうに、真鍋と一緒にいた名前に苛立ちを感じた俺は突き放してしまった。
もう1ヵ月も彼女と一緒に食を共にできていない。
今からもう一度部屋を訪ねて弁解することも考えたが、酒に酔っている様子の彼女がまともに受け止めてくれるか疑問だ。
少しタバコの臭いがついてしまったジャケットに目をやった。
急いては事を仕損じる。
俺は諦めて疲れた体を労わることを優先した。
********
結局何も解決しないまま月曜日を迎えた。
しいていうなら私の中から完全にお酒が抜けきったことぐらいだ。
「おはようございます」
「おはよう」
仕事は仕事。
自然に挨拶できたと思う。
そして消太さんも普通だ。
消太さんはキィ・・・と椅子を回転させて私の方を向いた。
「名字、今週も金曜日は無理そうだ」
「・・・わかりました」
まさか週始めに言われるなんて思わなかった。
「だが」
「私、1限目の授業に使われる資料取ってきますね」
わざとらしかっただろうか。
何か言いかけていたが遮って席を立った。
急ぎではないが、言ってしまった手前行かないわけにはいかない。
職員室を出て資料室へ向かった。
何やかんや仕事をしていたらあっという間に時間は過ぎてお昼休み。
私は食堂でご飯を済ませると残り時間は中庭で時間を潰した。
いつもなら消太さんに会いたくて職員室に早めに戻るのだが、今日ばかりはどんな顔をすればいいのか分からないので。
「おっ、名前ちゃん発見!」
「マイク先生」
「日向ぼっこ?」
「そんなところです」
「俺もいい?」
「もちろん」
私は一歩横にずれてベンチにスペースを空けた。
「よっこいせ」
「それ親父くさいです」
「マジで!」
いつも明るいマイク先生を見ていると元気が出る。
消太さんと対照的すぎて、どうやって2人が仲良くなったのかいつも不思議だ。
私達は他愛もない話をした。
いや、正確にはほとんどマイク先生が喋って、私が相槌を打っている。
そういえば、マイク先生はラジオをやっている。
そこでお悩み相談コーナーがあったはず。
もしかしたらいい回答が得られるかも。
でも私と消太さんのことをマイク先生に相談するなんて。
・・・ベタだけど友達の悩み設定でいくか。
「あのっ」
「何々~?」
「マイク先生ラジオでお悩み相談コーナーやってますよね?」
「うん」
「友達に相談されたんですけど、私何て返したらいいのか悩んでて」
「おっ!じゃあ俺が是非ともアドバイスを」
マイク先生は喜々と腕まくりをした。
「えっと・・・友達には好きな人がいて」
「恋の相談か!」
「はい。相手の人にも好きって言われたらしいんですけど、まだ2人は男性側の都合でお付き合いしてないんです。そうしたら最近男性が他の女性とご飯に行っていることがわかって。友人は男性と毎週ご飯を一緒に食べる仲なんですけど、その女性とは自分と行ったことのない高級ホテルでお食事してたらしくて。この場合ってやっぱり本命は後から出てきた女性なんでしょうか?」
「その食事って1回だけ?」
「いえ、複数回です」
「う~ん・・・じゃあ十中八九そうだろうなぁ」
分かってはいたが、がつーんと鈍器で殴られたぐらいショックだ。
「で、でも。男性のお仕事が落ち着いてら付き合うって約束してたんですよ?それまでも付き合っては無くても相手からの好意はちゃんと感じているような関係です」
「その女性と出会う前に喧嘩とかしてなかった?」
「してないです」
「人間の感情なんて簡単に変わるからな。多分その約束したときは確かに友達と付き合うつもりだったんだと思うぜ?でもどっかのタイミングでその女性と出会って好きになっちまったのかも」
「でもそれなら友達にそう言いませんか?まだ何も言われてないみたいで・・・」
「気まずいんじゃない?自分都合で待たせといて、他の女に気が移ったなんて俺なら言えないね」
「最近毎回仕事を理由にご飯を断られてるみたいなんですけど・・・」
「察して欲しいとか」
とんでもない男だな、とマイク先生は肩を竦めた。
そのとんでもない男は貴方の同僚であり、友人ですとは言えなかった。
「・・・すごく参考になりました。友人にどうやって伝えるか悩んじゃいますけど」
「恋なんてそこら中に転がってるから次行こうぜ!次!」
一刀両断された私の悩み相談。
感傷に浸る間もなく予鈴のチャイムが鳴った。
