【14章】絡まる糸
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
楽しかった女子会はあっという間で。
帰り道はまだ気分の高揚が冷めきらなかった。
「ふんふん」
自然と鼻歌が出ていた。
ハッとなり周囲を見渡すが誰もいないので聞かれなかったことに胸を撫で下ろした。
「消太さんに会いたいなぁ」
さっき、話題に上ったこともあり無性に会いたくなった。
大通りに出て、横断歩道を渡ろうとしたが生憎赤信号になってしまったので足を止める。
華の金曜日なので私以外にも飲み会をしていた人たちは多いのだろう。
行き交う人々はどこか陽気な人が多かった。
信号が変わるまでの間手持無沙汰なので人間ウォッチングをする。
酔っ払いのサラリーマン。
コンパ帰りの大学生。
私達と同じ女子会。
腕を組むカップル。
「・・・ん!?」
私は眉を寄せて目を細めた。
最後に目を向けた腕を組んだカップル。
男性はスーツを着ていて、女性は高級なブランドワンピースを身に纏っていた。
髪を一纏めにした男性の後ろ姿に既視感をもった。
「・・・消太さん?」
いや、そんなまさか。
だって彼は今日ヒーローの仕事だと言っていた。
この距離ではよく見えない。
私は信号が変わったと同時に早歩きで人混みに紛れながらそのカップルの後を追った。
男性の顔を見たいが、あまり距離を詰めすぎると気づかれてしまう。
見失わないようにするのが精一杯だった。
彼らは高級ホテルのエントランスをくぐった。
入るか迷ったが、私の服装では目立ってしまう。
木影に隠れながらどうしようか迷っていると、彼らはホテル内のレストランに入ったようだ。
予約していたらしく、窓際の席に案内される。
「うそ・・・」
窓ガラス越しに確認できた男性は間違いなく私の想い人だった。
「なんで・・・?」
ふと私の脳内に成実ちゃんの言葉が過った。
"キープされてる可能性ない?"
"この人に限ってはないんだからね"
そんなはずない。
消太さんに限ってそんなはずは。
きっとあれはお仕事だ。
私は目の前の事実に対して、自分に都合のいい解釈ばかりを探した。
****************
さっきまでの昂った気持ちはどこへ行ったのか。
私のオーラはきっと淀んでいる。
芸術的ともいえるフルコースが2人の前に運ばれて、どこからどう見てもデートを楽しんでいるようにしか見えず、胸が苦しくなった私はすぐにその場を離れた。
真っ赤なルージュが印象的な女性だった。
「ホテルでご飯なんて私とはしたことないくせに・・・」
外出中であると分かっているので、自室にあるクッションを消太さんの部屋側の壁に投げつけた。
ボスンと情けない音を立てて落下した。
別に高級ホテルでご飯を食べたいわけじゃない。
消太さんと一緒なら何だっていい。
でも、いざ他の女性と高級ホテルでディナーなんてしていることを知ったら、私との格差を思い知らされる。
私は安上がりな女だと思われているのだろうか。
髪飾り一つで舞い上がった私はチョロい女なのだろうか。
成実ちゃん達が言っていたように私は値踏みされているのだろうか。
1人でいると悪い方向へ悪い方向へと思考が進んでしまう。
今までの彼との軌跡からそんなはずはないと思う一方で「もしかしたら」という疑念が拭えないのだ。
消太さんに直接聞きたくても聞けない。
何でも相談するって約束したけど、こういう時はどうしたらいい?
「はっ・・・」
ぐるぐる考え込んでいるうちにうたた寝してしまった。
時計を見る日付を越えようとしている。
このまま寝てしまおう。
私はもう一度瞼を閉じた。
カチャン。
静寂な中で鍵が開く音がした。
消太さんの部屋だ。
「帰ってきたんだ・・・」
もしかしたらそのまま高級ホテルにお泊りするのかと思っていたので、帰宅したことに安堵した。
ねぇ、消太さん。
あの女の人誰ですか?
今日本当にお仕事だったんですか?
このまま隣の部屋を訪ねれば答えてくれるのだろうか。
私が"彼女"であれば大義名分を振りかざして問い詰められるのだろうが、生憎私には何もなかった。
そう、何もないのだ。
消太さんが他の女の人とデートしても私にそれを責める権利などない。
だって"彼女"じゃないから。
結局いつもそこに行きつく。
翌朝目覚めたら、枕が少し濡れていた。
帰り道はまだ気分の高揚が冷めきらなかった。
「ふんふん」
自然と鼻歌が出ていた。
ハッとなり周囲を見渡すが誰もいないので聞かれなかったことに胸を撫で下ろした。
「消太さんに会いたいなぁ」
さっき、話題に上ったこともあり無性に会いたくなった。
大通りに出て、横断歩道を渡ろうとしたが生憎赤信号になってしまったので足を止める。
華の金曜日なので私以外にも飲み会をしていた人たちは多いのだろう。
行き交う人々はどこか陽気な人が多かった。
信号が変わるまでの間手持無沙汰なので人間ウォッチングをする。
酔っ払いのサラリーマン。
コンパ帰りの大学生。
私達と同じ女子会。
腕を組むカップル。
「・・・ん!?」
私は眉を寄せて目を細めた。
最後に目を向けた腕を組んだカップル。
男性はスーツを着ていて、女性は高級なブランドワンピースを身に纏っていた。
髪を一纏めにした男性の後ろ姿に既視感をもった。
「・・・消太さん?」
いや、そんなまさか。
だって彼は今日ヒーローの仕事だと言っていた。
この距離ではよく見えない。
私は信号が変わったと同時に早歩きで人混みに紛れながらそのカップルの後を追った。
男性の顔を見たいが、あまり距離を詰めすぎると気づかれてしまう。
見失わないようにするのが精一杯だった。
彼らは高級ホテルのエントランスをくぐった。
入るか迷ったが、私の服装では目立ってしまう。
木影に隠れながらどうしようか迷っていると、彼らはホテル内のレストランに入ったようだ。
予約していたらしく、窓際の席に案内される。
「うそ・・・」
窓ガラス越しに確認できた男性は間違いなく私の想い人だった。
「なんで・・・?」
ふと私の脳内に成実ちゃんの言葉が過った。
"キープされてる可能性ない?"
"この人に限ってはないんだからね"
そんなはずない。
消太さんに限ってそんなはずは。
きっとあれはお仕事だ。
私は目の前の事実に対して、自分に都合のいい解釈ばかりを探した。
****************
さっきまでの昂った気持ちはどこへ行ったのか。
私のオーラはきっと淀んでいる。
芸術的ともいえるフルコースが2人の前に運ばれて、どこからどう見てもデートを楽しんでいるようにしか見えず、胸が苦しくなった私はすぐにその場を離れた。
真っ赤なルージュが印象的な女性だった。
「ホテルでご飯なんて私とはしたことないくせに・・・」
外出中であると分かっているので、自室にあるクッションを消太さんの部屋側の壁に投げつけた。
ボスンと情けない音を立てて落下した。
別に高級ホテルでご飯を食べたいわけじゃない。
消太さんと一緒なら何だっていい。
でも、いざ他の女性と高級ホテルでディナーなんてしていることを知ったら、私との格差を思い知らされる。
私は安上がりな女だと思われているのだろうか。
髪飾り一つで舞い上がった私はチョロい女なのだろうか。
成実ちゃん達が言っていたように私は値踏みされているのだろうか。
1人でいると悪い方向へ悪い方向へと思考が進んでしまう。
今までの彼との軌跡からそんなはずはないと思う一方で「もしかしたら」という疑念が拭えないのだ。
消太さんに直接聞きたくても聞けない。
何でも相談するって約束したけど、こういう時はどうしたらいい?
「はっ・・・」
ぐるぐる考え込んでいるうちにうたた寝してしまった。
時計を見る日付を越えようとしている。
このまま寝てしまおう。
私はもう一度瞼を閉じた。
カチャン。
静寂な中で鍵が開く音がした。
消太さんの部屋だ。
「帰ってきたんだ・・・」
もしかしたらそのまま高級ホテルにお泊りするのかと思っていたので、帰宅したことに安堵した。
ねぇ、消太さん。
あの女の人誰ですか?
今日本当にお仕事だったんですか?
このまま隣の部屋を訪ねれば答えてくれるのだろうか。
私が"彼女"であれば大義名分を振りかざして問い詰められるのだろうが、生憎私には何もなかった。
そう、何もないのだ。
消太さんが他の女の人とデートしても私にそれを責める権利などない。
だって"彼女"じゃないから。
結局いつもそこに行きつく。
翌朝目覚めたら、枕が少し濡れていた。
