【12章】勘違い
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「もうすぐ着くぞ」
消太さんに優しく肩を叩かれた。
結局睡魔に逆らえず居眠りをしてしまった。
「すみません・・・寝てしまいました」
「疲れてるんだろ」
バスが着いて全員降りると消太さんが締めてそのまま解散。
私も帰っていいとの事だったので、そのまま自室へと戻った。
「う~ん」
車内で寝たからか目はすっきりしていた。
試験の間、ろくに集中せずに違うことばかり考えていたことに罪悪感が今更ながらに芽生える。
しかも再三時間を費やした結果、消化不良のまま終わってしまった。
私の中で2つの相反する気持ちがあることは自覚した。
1つは消太さんを渡したくない気持ち。
もう1つは、やはり私では釣り合わない気持ち。
ジョークさんと復縁した方が消太さんの為になる。
頭では分かっていても感情はそれを受け入れがたかった。
逆もまたしかりで、私の気持ちを大事にすればいいんだという一方、八方美人な元来の自分が本当にそれでいいのかと問いかけて来るのだ。
でもそれは本当に消太さんのことを思ってのことではなくて、結局のところ嫌な自分になることが嫌なのだ。
つまりただ自分がいい人でありたいだけ。
"いい人"でない自分を受け入れることができないのだ。
そんな感情が後者の気持ちを生ませる。
ほとほと自分が嫌になる。
「はあ・・・」
重い溜息は誰に聞かれることなく空中に消えていった。
********
今日の試験結果を校長に報告し、俺も休むために自室へと戻ることにした。
教員寮の廊下を歩き自室を目指す。
名前の部屋を通り過ぎ自室のドアノブに手を掛けた。
「・・・」
しかしやはり今日の彼女の態度が気になる。
過去の経験からこういったしこりを残したまま置いておくと、肥大化する可能性がある。
ドアノブから手を離し、踵を返した。
二度ノックすると中から「はい」と返事が返ってきた。
「俺だ」
カチャリと空いたドア。
名前は廊下に視線をやって他に誰もいないことを確認した。
「どうかしましたか?消太さん」
「ああ・・・ちょっと」
来たのはいいものの、どうやって切り出そうか。
なかなか話し出さない俺に名前は小首を傾げた。
「入りますか?」
「ああ、すまん」
引っ越し当日は段ボールの山だったここも、彼女のマメな性格なおかげか数日であっという間に片付いていた。
ベッドサイドに置かれた俺からの贈り物は埃一つ被っておらず、いかに大切に扱ってくれているかが分かった。
名前はお茶を入れてくれようとしたが、すぐに済むからと断った。
俺の前に腰を下ろした名前はどこか不安気な表情だ。
それどころか泣きそうな顔をしている。
「何かあったか?」
「いえ、すみません」
とうとう堪えきれなかった涙が落ちそうになるのを名前はティッシュで隠した。
「すみません、ダメですね。泣いちゃだめだって思ってたのに」
それでも必死に笑顔を作ろうとしていて、何が何だかわからず俺は狼狽した。
「どうした?」
理由が分からない以上慰めようもない。
俺はまず理由を聞くところから始めたのだが、名前は首を横に振るばかり。
「大丈夫です。消太さんの要件を聞きます」
何が大丈夫なのか。
大丈夫じゃないから泣くんだろう。
「今日の試験中も何か悩んでたみたいだからな。何でも話すって約束しただろ?だから聞きにきた」
「・・・話したいことがあって来たわけじゃないんですか?」
「名前の話を聞きに来た」
「・・・?」
名前は目頭に残った涙を指でおさえると少し戸惑っているようだ。
「・・・ジョークさんと復縁したいっていう話をしに来たわけじゃなくて?」
なんていうことだ。
やはり今日来ておいて正解だった。
消太さんに優しく肩を叩かれた。
結局睡魔に逆らえず居眠りをしてしまった。
「すみません・・・寝てしまいました」
「疲れてるんだろ」
バスが着いて全員降りると消太さんが締めてそのまま解散。
私も帰っていいとの事だったので、そのまま自室へと戻った。
「う~ん」
車内で寝たからか目はすっきりしていた。
試験の間、ろくに集中せずに違うことばかり考えていたことに罪悪感が今更ながらに芽生える。
しかも再三時間を費やした結果、消化不良のまま終わってしまった。
私の中で2つの相反する気持ちがあることは自覚した。
1つは消太さんを渡したくない気持ち。
もう1つは、やはり私では釣り合わない気持ち。
ジョークさんと復縁した方が消太さんの為になる。
頭では分かっていても感情はそれを受け入れがたかった。
逆もまたしかりで、私の気持ちを大事にすればいいんだという一方、八方美人な元来の自分が本当にそれでいいのかと問いかけて来るのだ。
でもそれは本当に消太さんのことを思ってのことではなくて、結局のところ嫌な自分になることが嫌なのだ。
つまりただ自分がいい人でありたいだけ。
"いい人"でない自分を受け入れることができないのだ。
そんな感情が後者の気持ちを生ませる。
ほとほと自分が嫌になる。
「はあ・・・」
重い溜息は誰に聞かれることなく空中に消えていった。
********
今日の試験結果を校長に報告し、俺も休むために自室へと戻ることにした。
教員寮の廊下を歩き自室を目指す。
名前の部屋を通り過ぎ自室のドアノブに手を掛けた。
「・・・」
しかしやはり今日の彼女の態度が気になる。
過去の経験からこういったしこりを残したまま置いておくと、肥大化する可能性がある。
ドアノブから手を離し、踵を返した。
二度ノックすると中から「はい」と返事が返ってきた。
「俺だ」
カチャリと空いたドア。
名前は廊下に視線をやって他に誰もいないことを確認した。
「どうかしましたか?消太さん」
「ああ・・・ちょっと」
来たのはいいものの、どうやって切り出そうか。
なかなか話し出さない俺に名前は小首を傾げた。
「入りますか?」
「ああ、すまん」
引っ越し当日は段ボールの山だったここも、彼女のマメな性格なおかげか数日であっという間に片付いていた。
ベッドサイドに置かれた俺からの贈り物は埃一つ被っておらず、いかに大切に扱ってくれているかが分かった。
名前はお茶を入れてくれようとしたが、すぐに済むからと断った。
俺の前に腰を下ろした名前はどこか不安気な表情だ。
それどころか泣きそうな顔をしている。
「何かあったか?」
「いえ、すみません」
とうとう堪えきれなかった涙が落ちそうになるのを名前はティッシュで隠した。
「すみません、ダメですね。泣いちゃだめだって思ってたのに」
それでも必死に笑顔を作ろうとしていて、何が何だかわからず俺は狼狽した。
「どうした?」
理由が分からない以上慰めようもない。
俺はまず理由を聞くところから始めたのだが、名前は首を横に振るばかり。
「大丈夫です。消太さんの要件を聞きます」
何が大丈夫なのか。
大丈夫じゃないから泣くんだろう。
「今日の試験中も何か悩んでたみたいだからな。何でも話すって約束しただろ?だから聞きにきた」
「・・・話したいことがあって来たわけじゃないんですか?」
「名前の話を聞きに来た」
「・・・?」
名前は目頭に残った涙を指でおさえると少し戸惑っているようだ。
「・・・ジョークさんと復縁したいっていう話をしに来たわけじゃなくて?」
なんていうことだ。
やはり今日来ておいて正解だった。
