【12章】勘違い
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名前の機嫌が悪い。
というよりは何か考え込んでいるようだ。
試験に集中しているかと思いきや時折どんよりとした空気を身に纏っている。
話しかけたらその時は一生懸命会話に参戦するのだが、いつの間にかすーっと引いていったかと思うとどこか上の空だ。
女心はわからん。
ジョークは絡みづらいが、ヒーローとして割と有意義な会話ができた。
個性を使って俺にちょっかいかけようとしてくるのは気に食わないが。
「え・・・うそ」
名前が驚きの声を上げた。
「爆豪くんと轟くんが・・・」
「まあ、あの試験内容じゃ受からないよ」
オールマイトが引退した今、より一層個の能力と共にヒーロー同士の協力が必要不可欠だ。
あの2人は当然の試験結果といえた。
名前はまるで自分の事のように肩を落とした。
「救済措置はあるだろう」
「え?」
「さ、行くか。じゃあなジョーク」
「今度チームアップしようぜ」
「本当に必要ならな」
俺らはジョークに別れを告げて、卵からひな鳥へと孵化した生徒達を迎えに行った。
帰りの車中。
仮免を取れたことで浮かれている生徒達を一喝した。
俺に怒られたことでテンションボルテージが下がり、疲れも相まってかほとんどの生徒が眠り出した。
静かになった車内で俺の隣に座る名前も少し船を漕いでいる。
「ついたら起こす、寝てていいぞ」
「いえ、勤務中なのでさすがにそれは」
こういうところ変に真面目だと思う。
適度に手を抜くということがどうも名字は苦手だ。
「どうせ着くまでやることなんてない」
「それはそうなんですけど・・・」
今にも閉じてしまいそうな上瞼を必死に持ち上げている名字。
しかしものの数分で意識は持っていかれたようで、こてんと俺の左肩に名前の頭が乗った。
生徒達に見られたらからかわれそうだが、あいにくあいつらも皆夢の中だ。
どうせ誰も見ていない。
俺は力の抜けた名前の右手に自身の左手を重ねた。
「相澤先生・・・」
起きていたのか。
顔を覗き込むが、いつもの澄んだ瞳は見えない。
寝言か?
寝言で自分の名前を呼ばれるのは何ともむず痒い気持ちになる。
再び少し口が開いたので耳を寄せた。
「私じゃ・・・だめです」
寝ているのは間違いないのだが、眉を寄せて苦しそうにしている。
「何が駄目なんだ?」
寝言を言っている人に返事をしてはいけないと言われているが、気になったので返してみた。
しかし名前がそれ以上口を開くことはなく、その続きは聞けなかった。
ゆらゆら揺れるバスの中、俺は名前の寝言について雄英に着くまで考えるハメになった。
というよりは何か考え込んでいるようだ。
試験に集中しているかと思いきや時折どんよりとした空気を身に纏っている。
話しかけたらその時は一生懸命会話に参戦するのだが、いつの間にかすーっと引いていったかと思うとどこか上の空だ。
女心はわからん。
ジョークは絡みづらいが、ヒーローとして割と有意義な会話ができた。
個性を使って俺にちょっかいかけようとしてくるのは気に食わないが。
「え・・・うそ」
名前が驚きの声を上げた。
「爆豪くんと轟くんが・・・」
「まあ、あの試験内容じゃ受からないよ」
オールマイトが引退した今、より一層個の能力と共にヒーロー同士の協力が必要不可欠だ。
あの2人は当然の試験結果といえた。
名前はまるで自分の事のように肩を落とした。
「救済措置はあるだろう」
「え?」
「さ、行くか。じゃあなジョーク」
「今度チームアップしようぜ」
「本当に必要ならな」
俺らはジョークに別れを告げて、卵からひな鳥へと孵化した生徒達を迎えに行った。
帰りの車中。
仮免を取れたことで浮かれている生徒達を一喝した。
俺に怒られたことでテンションボルテージが下がり、疲れも相まってかほとんどの生徒が眠り出した。
静かになった車内で俺の隣に座る名前も少し船を漕いでいる。
「ついたら起こす、寝てていいぞ」
「いえ、勤務中なのでさすがにそれは」
こういうところ変に真面目だと思う。
適度に手を抜くということがどうも名字は苦手だ。
「どうせ着くまでやることなんてない」
「それはそうなんですけど・・・」
今にも閉じてしまいそうな上瞼を必死に持ち上げている名字。
しかしものの数分で意識は持っていかれたようで、こてんと俺の左肩に名前の頭が乗った。
生徒達に見られたらからかわれそうだが、あいにくあいつらも皆夢の中だ。
どうせ誰も見ていない。
俺は力の抜けた名前の右手に自身の左手を重ねた。
「相澤先生・・・」
起きていたのか。
顔を覗き込むが、いつもの澄んだ瞳は見えない。
寝言か?
寝言で自分の名前を呼ばれるのは何ともむず痒い気持ちになる。
再び少し口が開いたので耳を寄せた。
「私じゃ・・・だめです」
寝ているのは間違いないのだが、眉を寄せて苦しそうにしている。
「何が駄目なんだ?」
寝言を言っている人に返事をしてはいけないと言われているが、気になったので返してみた。
しかし名前がそれ以上口を開くことはなく、その続きは聞けなかった。
ゆらゆら揺れるバスの中、俺は名前の寝言について雄英に着くまで考えるハメになった。