【12章】勘違い
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今年はヴィランの活性化が著しいということで例外的に1年生も仮免試験を受けることになった。
私は書類を整理し、消太さんへ渡した。
「すごいですね、もう仮免取るなんて・・・」
「仮免が取れればできることも増えるからな。現況を考えると悠長にしていられない」
「さすがヒーロー科・・・」
「名字もついてくるか?」
「いいんですか?」
「どんなもんか1回見ておくのもいいだろう」
「行きたいです!」
こんな機会滅多にない。
みんなの雄姿を私も見届けたいと思った。
「どうしよう、何か作って持っていきましょうか。レモンのはちみつ漬けとか?」
「・・・部活の試合じゃないんだぞ」
消太さんに呆れられてしまった。
「それに・・・そんなもの食べてる余裕なんてないだろうな」
口角を上げて笑う消太さんは昔自分が受けた試験を思い出しているのだろうか、すごく悪い笑顔だ。
「まあ、俺らは高みの見物だな」
「・・・楽しみにしてます」
みんな、頑張れ。
********
「緊張する~」
「みんな、頑張ってね」
試験会場へ向かうバスの中では遠足のように和気あいあいとした雰囲気も会場についた途端、皆緊張した面持ちに変わっていった。
「私、受付に行ってきます」
「ああ、よろしく」
生徒達の名簿を持って試験登録確認を行うために受付へ移動した。
「すみません、雄英高校の受付に来ました」
私は参加者リストを受付係に手渡した。
確認を待っている間、私は周囲を見渡した。
さすが仮免試験とあって、みんな強そうだなぁ。
それに1年が受けるなんて例外的だから、ここにいるほとんどは上級生ってことだよね。
「はい、雄英高校受付完了です」
「ありがとうございます」
私は参加証を受け取り皆がいるところへ戻った。
「あれ?」
消太さんが誰かと話している。
オレンジ色のバンダナを巻いた女性。
他校の先生だろうか。
それなら積もる話もあるだろう、とりあえず邪魔にならないように生徒達の和の端っこに身を寄せた。
すると耳に快活な女性の声が通った。
「イレイザーとは昔事務所が近くで助け助けられを繰り返す内に相思相愛の仲に」
ええ!!
私は砂藤くんの後ろに隠れながら様子を伺った。
消太さんは何か言っているが女性の声が大きすぎて聞こえない。
女性の話からすると昔相思相愛になったということは・・・元カノ!?
「付き合おう」
え、復縁希望!?
消太さんが何て言っているのか聞きたいけれど聞きたくないという気持ちが相まって私はこれ以上近づけない。
耳だけがダンボ状態だ。
「私と結婚したら笑いの絶えない幸せな家庭が築ける」
さらに逆プロポーズ!?
なんて大胆な女性なのか。
じゃなくて!!
私は今にも倒れそうだ。
トイレに行くふりをしてその場をそっと離れた。
トイレの傍の壁にもたれて今しがた起こったことを整理する。
女性の発言からおそらく彼女もヒーローで消太さんの元カノ。
なんらかしらの理由で別れたけれど、さっきの2人を見る限りおそらくひどい別れ方はしていないのだろう。
消太さんは優しいから・・・。
私との今の付き合えない状況みたいに、彼らには別れないといけない事情があっただけなのかも。
ヒーローならそんな状況いくらでもあり得る。
で、彼女の方が復縁を望んでいる。
この歳で復縁したらそのまま結婚とか・・・?
きっと消太さんは復縁したくても私に遠慮するだろう。
あの女性には悪いけど、私だって消太さんのことが好きなんだ。
せっかく両想いって分かったばかりなのに、簡単に身を引くなんてできない。
だからさっきの会話は聞かなかったことにしよう。
消太さんから復縁したいって言われたらその時は仕方がないけれど。
私は痛む胃を押さえながら集合場所へと戻った。
私は書類を整理し、消太さんへ渡した。
「すごいですね、もう仮免取るなんて・・・」
「仮免が取れればできることも増えるからな。現況を考えると悠長にしていられない」
「さすがヒーロー科・・・」
「名字もついてくるか?」
「いいんですか?」
「どんなもんか1回見ておくのもいいだろう」
「行きたいです!」
こんな機会滅多にない。
みんなの雄姿を私も見届けたいと思った。
「どうしよう、何か作って持っていきましょうか。レモンのはちみつ漬けとか?」
「・・・部活の試合じゃないんだぞ」
消太さんに呆れられてしまった。
「それに・・・そんなもの食べてる余裕なんてないだろうな」
口角を上げて笑う消太さんは昔自分が受けた試験を思い出しているのだろうか、すごく悪い笑顔だ。
「まあ、俺らは高みの見物だな」
「・・・楽しみにしてます」
みんな、頑張れ。
********
「緊張する~」
「みんな、頑張ってね」
試験会場へ向かうバスの中では遠足のように和気あいあいとした雰囲気も会場についた途端、皆緊張した面持ちに変わっていった。
「私、受付に行ってきます」
「ああ、よろしく」
生徒達の名簿を持って試験登録確認を行うために受付へ移動した。
「すみません、雄英高校の受付に来ました」
私は参加者リストを受付係に手渡した。
確認を待っている間、私は周囲を見渡した。
さすが仮免試験とあって、みんな強そうだなぁ。
それに1年が受けるなんて例外的だから、ここにいるほとんどは上級生ってことだよね。
「はい、雄英高校受付完了です」
「ありがとうございます」
私は参加証を受け取り皆がいるところへ戻った。
「あれ?」
消太さんが誰かと話している。
オレンジ色のバンダナを巻いた女性。
他校の先生だろうか。
それなら積もる話もあるだろう、とりあえず邪魔にならないように生徒達の和の端っこに身を寄せた。
すると耳に快活な女性の声が通った。
「イレイザーとは昔事務所が近くで助け助けられを繰り返す内に相思相愛の仲に」
ええ!!
私は砂藤くんの後ろに隠れながら様子を伺った。
消太さんは何か言っているが女性の声が大きすぎて聞こえない。
女性の話からすると昔相思相愛になったということは・・・元カノ!?
「付き合おう」
え、復縁希望!?
消太さんが何て言っているのか聞きたいけれど聞きたくないという気持ちが相まって私はこれ以上近づけない。
耳だけがダンボ状態だ。
「私と結婚したら笑いの絶えない幸せな家庭が築ける」
さらに逆プロポーズ!?
なんて大胆な女性なのか。
じゃなくて!!
私は今にも倒れそうだ。
トイレに行くふりをしてその場をそっと離れた。
トイレの傍の壁にもたれて今しがた起こったことを整理する。
女性の発言からおそらく彼女もヒーローで消太さんの元カノ。
なんらかしらの理由で別れたけれど、さっきの2人を見る限りおそらくひどい別れ方はしていないのだろう。
消太さんは優しいから・・・。
私との今の付き合えない状況みたいに、彼らには別れないといけない事情があっただけなのかも。
ヒーローならそんな状況いくらでもあり得る。
で、彼女の方が復縁を望んでいる。
この歳で復縁したらそのまま結婚とか・・・?
きっと消太さんは復縁したくても私に遠慮するだろう。
あの女性には悪いけど、私だって消太さんのことが好きなんだ。
せっかく両想いって分かったばかりなのに、簡単に身を引くなんてできない。
だからさっきの会話は聞かなかったことにしよう。
消太さんから復縁したいって言われたらその時は仕方がないけれど。
私は痛む胃を押さえながら集合場所へと戻った。