【11章】三角関係
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カレーの鍋を洗うのは億劫だ。
とりあえず水につけている間、お皿を洗っていく。
「さすがに人数多いな」
「カレー美味しかったですね」
「そうだな。代わるよ。名前は皿を拭いていってくれ」
「ありがとうございます」
横並びでになって流れ作業で片していく。
「でもよくあの質問躱しましたね。もし上鳴くんがエピソード披露したらどうするつもりだったんですか?」
「そのときは・・・素直に話してたかもな?」
「ええ!」
「あいつらの生活スケジュール的に恋愛してる余裕なんてないから、その可能性は低い」
「クラス同士とか・・・」
「このクラスで付き合ったとして隠し通せると思うか?」
「一瞬でバレそうですね」
勝算があってこその発言だったのか。
さすが消太さん。
「好きな人はいない・・・ね」
私はギクリと肩を震わせた。
「ふーん」
「いやいや!あの状況じゃそう言うしかないじゃないですか。もしいるなんて言ったら、根掘り葉掘り聞かれちゃいますよ!」
消太さんの方を見て弁解したら、彼は肩を竦めた。
「うー。すみません」
私は悪くないと思う、と口を尖らせながらも謝った。
「・・・あいつ、名前に少し気があるように見えるが」
「あいつ?」
「真鍋さん」
「まさか!」
「今日は真鍋さんとご飯食べたのか?」
「何で知ってるんですか?」
「芦戸が密告してきた」
私は頭を抱えた。
「真鍋さんには失礼なことをしてしまったので、その謝罪をしただけです!」
だんまりを決め込む消太さんに私は続けて弁明した。
「それ以上何もないですよ。本当です」
「ふっ」
消太さんの口からは堪えきれなかった笑いが漏れた。
「別に怒ってないよ」
「なんだ、何も返してくれないから」
「慌ててる名前が可愛くて、つい・・・ね」
「かわっ・・・!?」
あわわと動揺していると、つるっとお皿が手から落ちた。
「あっ!」
咄嗟に手を伸ばすと消太さんも同じく手を伸ばしていて、泡のついた手が触れた。
お皿は地面に落ちたが、幸い割れなかった。
「・・・泡ついちゃいます」
「どうせだろ」
消太さんは泡がついたままの手で私の手を握った。
お皿を拾うためにしゃがみ込んだ私に合わせて消太さんもしゃがみ込んだ。
身長差がなくなったので必然的に距離が近い。
「誰か来るかもしれないですよ」
掴まれたままの手に視線を落とした。
「みんな今頃風呂か自室で宿題だ」
なんだか隠れて悪いことをしているみたいでドキドキする。
誰かの足音が聞こえてこないか耳は研ぎ澄まされているが、視線は消太さんに釘付け。
「名字さんは、好きな人いないんですか?」
消太さんは少し意地悪な顔つきでそう聞いた。
「・・・いますよ。相澤先生はいないんですか?」
「いるよ」
私達は顔を見合わせて笑った。
そういえば友人が言っていた。
付き合う少し前の時期が一番楽しいと。
その通りかもしれない。
私、今が一番楽しい。
とりあえず水につけている間、お皿を洗っていく。
「さすがに人数多いな」
「カレー美味しかったですね」
「そうだな。代わるよ。名前は皿を拭いていってくれ」
「ありがとうございます」
横並びでになって流れ作業で片していく。
「でもよくあの質問躱しましたね。もし上鳴くんがエピソード披露したらどうするつもりだったんですか?」
「そのときは・・・素直に話してたかもな?」
「ええ!」
「あいつらの生活スケジュール的に恋愛してる余裕なんてないから、その可能性は低い」
「クラス同士とか・・・」
「このクラスで付き合ったとして隠し通せると思うか?」
「一瞬でバレそうですね」
勝算があってこその発言だったのか。
さすが消太さん。
「好きな人はいない・・・ね」
私はギクリと肩を震わせた。
「ふーん」
「いやいや!あの状況じゃそう言うしかないじゃないですか。もしいるなんて言ったら、根掘り葉掘り聞かれちゃいますよ!」
消太さんの方を見て弁解したら、彼は肩を竦めた。
「うー。すみません」
私は悪くないと思う、と口を尖らせながらも謝った。
「・・・あいつ、名前に少し気があるように見えるが」
「あいつ?」
「真鍋さん」
「まさか!」
「今日は真鍋さんとご飯食べたのか?」
「何で知ってるんですか?」
「芦戸が密告してきた」
私は頭を抱えた。
「真鍋さんには失礼なことをしてしまったので、その謝罪をしただけです!」
だんまりを決め込む消太さんに私は続けて弁明した。
「それ以上何もないですよ。本当です」
「ふっ」
消太さんの口からは堪えきれなかった笑いが漏れた。
「別に怒ってないよ」
「なんだ、何も返してくれないから」
「慌ててる名前が可愛くて、つい・・・ね」
「かわっ・・・!?」
あわわと動揺していると、つるっとお皿が手から落ちた。
「あっ!」
咄嗟に手を伸ばすと消太さんも同じく手を伸ばしていて、泡のついた手が触れた。
お皿は地面に落ちたが、幸い割れなかった。
「・・・泡ついちゃいます」
「どうせだろ」
消太さんは泡がついたままの手で私の手を握った。
お皿を拾うためにしゃがみ込んだ私に合わせて消太さんもしゃがみ込んだ。
身長差がなくなったので必然的に距離が近い。
「誰か来るかもしれないですよ」
掴まれたままの手に視線を落とした。
「みんな今頃風呂か自室で宿題だ」
なんだか隠れて悪いことをしているみたいでドキドキする。
誰かの足音が聞こえてこないか耳は研ぎ澄まされているが、視線は消太さんに釘付け。
「名字さんは、好きな人いないんですか?」
消太さんは少し意地悪な顔つきでそう聞いた。
「・・・いますよ。相澤先生はいないんですか?」
「いるよ」
私達は顔を見合わせて笑った。
そういえば友人が言っていた。
付き合う少し前の時期が一番楽しいと。
その通りかもしれない。
私、今が一番楽しい。