【11章】三角関係
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食堂はちょうどお昼時なので混雑していた。
「ドンピシャで食べるのは久しぶりです」
「事務所の方はお昼の時間ずらしてますもんね」
教員は生徒と生活が連動しているため、お昼休憩も同じ時間に取っているが事務職の人たちは混雑を回避するために時間をずらしている。
真鍋さんとも食堂で会ったことは一度もない。
「今日はおすすめ定食にしようかな!」
ランチラッシュに注文すると煮魚の定食が出てきた。
「わっ。五穀米だ!美味しそう」
「僕はカツカレーにしました」
「いいですね」
私達は空いている席を探した。
ちょうど窓側の2人掛けが空いていたのでトレーを置いた。
「席見つかって良かったです」
「ラッキーですね」
向かい合わせになって座った。
お昼を一緒に食べるなんて初めてだが、ここは職場なのでもっぱら仕事の話になった。
郷田さんが相変わらず煩くて敵わないとか、最近は寮が新設されたから総務課が残業続きとか。
「総務課、大変ですね。御園さんは元気ですか?」
「彼女は総務課の元気印なので」
良かった、と私は笑った。
「むしろ名字さんが戻って来てくれて嬉しいです。ここ一週間で僕の一番良い事かもしれません」
周囲を見渡したら生徒達は皆各々の休み時間を楽しんでいる。
誰も私達の会話など聞いていないだろう。
「真鍋さん、あの時はごめんなさい。そしてありがとうございます」
私は頭を下げた。
「え、え、頭上げて下さい。僕は何もされてないし、してもいないので」
「心配してくれてたのに、いきなり突き放すようなことをしてしまって」
私は今までの経緯を真鍋さんに説明した。
荼毘のことも含めて。
真鍋さんは私の説明を時折悲痛な表情を浮かべながら聞いてくれた。
「そんな大変なことがあったのに僕は何もできなくて・・・すみません」
「そんなことないです!真鍋さんが相澤先生に言ってくれたんですよね・・・?」
「相澤先生から聞いたんですか?」
「いいえ。でも相澤先生が来たのは真鍋さんと会った翌日だっから」
私がそう切り込むと真鍋さんは肩をすくめた。
「私が今ここに戻ってこられたのは真鍋さんのおかげです。ありがとうございました」
お礼を言うと真鍋さんは照れくさそうに頭を掻いた。
「僕、自分が無個性で初めて良かったと思ったかもしれません」
「え?」
「名字さんの考えてることとか、他の人より少しだけ察せる気がするから」
私にとっても真鍋さんは消太さんとは違う意味で少し特別な人だ。
爆豪くんなら「モブ同士が傷舐め合ってんじゃねぇ」とか言いそうだけど。
「もし真鍋さんに困ったことがあれば私が助けます」
「ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」
「こちらこそ!」
「あ、この話の流れで聞いていいのか分からないんですけど・・・」
真鍋さんは食べ終わったトレーを端に寄せて少し身を乗り出した。
疑問に思いつつ、私も同じように身を乗り出して耳を近づけた。
「・・・相澤先生とはお付き合いされてるんですか?」
「ええ!?」
私は身体を戻して真鍋さんと距離を取った。
「し、してませんよ!」
「そうなんですか・・・。だから余計な口出ししてしまったかなって思ってたんですけど」
私はぶんぶんと首を横に振った。
ミッドナイト先生にも聞かれたし・・・そんなに私達顔に出やすいのだろうか。
いや、出ているとしたら私か。
気を付けないと・・・。
「名前さん!!!」
呼ばれたので顔を向けると芦戸さんと上鳴くんがトレーを持って立っていた。
「名前さんは相澤先生一筋だと思ってたのに!」
「もう、次から次へと!こちらは総務課の真鍋さん」
「こんにちは」
真鍋さんを紹介すると二人ともぺこりと挨拶をした。
「名前さんとはどういったご関係で?」
「ここに居るんだから職場の同僚に決まってるでしょ。部署違うけど」
「ふ~ん」
「名前さん今度寮遊びに来てよ。夜ご飯一緒に食べよう!」
「嬉しい!ありがとう」
「相澤先生とデートしない日に!」
「だからそんなんじゃないってば」
約束だからね~!と2人は嵐のように去っていった。
「すみません、真鍋さん」
「あはは、慕われているんですね」
「仲良くやってます」
「生徒達からもそう見えているんですね」
「違いますよ!あの子達は何でも恋愛に発展させたがる年頃なんです」
「高校生あるあるですね」
「私達も行きましょうか」
昼休みも終わりに近づいているのでトレーを持って立ちあがった。
「あの・・・」
「はい」
「・・・いえ、何でもないです。行きましょう」
何か言いかけた真鍋さんだったが、トレーを持って行ってしまったので私も後ろに続いた。
真鍋さんにちゃんと謝罪と感謝の言葉を伝えられた私は、満足して食堂を後にした。
*********
おまけ
「(良かったら今度ご飯どうですか・・・って言えなかったな)」
「真鍋さん?」
「(付き合ってないって言ってたし、誘うのは大丈夫だよね・・・?)」
「ちょっと聞いてる?」
「(無個性でも恋愛対象入るかな・・・)」
「何ボーっとしてるの?」
「わっ、御園さん!」
「業者への支払い請求書溜まってるんだから捌いてくださいよ」
「すみません・・・」
「ドンピシャで食べるのは久しぶりです」
「事務所の方はお昼の時間ずらしてますもんね」
教員は生徒と生活が連動しているため、お昼休憩も同じ時間に取っているが事務職の人たちは混雑を回避するために時間をずらしている。
真鍋さんとも食堂で会ったことは一度もない。
「今日はおすすめ定食にしようかな!」
ランチラッシュに注文すると煮魚の定食が出てきた。
「わっ。五穀米だ!美味しそう」
「僕はカツカレーにしました」
「いいですね」
私達は空いている席を探した。
ちょうど窓側の2人掛けが空いていたのでトレーを置いた。
「席見つかって良かったです」
「ラッキーですね」
向かい合わせになって座った。
お昼を一緒に食べるなんて初めてだが、ここは職場なのでもっぱら仕事の話になった。
郷田さんが相変わらず煩くて敵わないとか、最近は寮が新設されたから総務課が残業続きとか。
「総務課、大変ですね。御園さんは元気ですか?」
「彼女は総務課の元気印なので」
良かった、と私は笑った。
「むしろ名字さんが戻って来てくれて嬉しいです。ここ一週間で僕の一番良い事かもしれません」
周囲を見渡したら生徒達は皆各々の休み時間を楽しんでいる。
誰も私達の会話など聞いていないだろう。
「真鍋さん、あの時はごめんなさい。そしてありがとうございます」
私は頭を下げた。
「え、え、頭上げて下さい。僕は何もされてないし、してもいないので」
「心配してくれてたのに、いきなり突き放すようなことをしてしまって」
私は今までの経緯を真鍋さんに説明した。
荼毘のことも含めて。
真鍋さんは私の説明を時折悲痛な表情を浮かべながら聞いてくれた。
「そんな大変なことがあったのに僕は何もできなくて・・・すみません」
「そんなことないです!真鍋さんが相澤先生に言ってくれたんですよね・・・?」
「相澤先生から聞いたんですか?」
「いいえ。でも相澤先生が来たのは真鍋さんと会った翌日だっから」
私がそう切り込むと真鍋さんは肩をすくめた。
「私が今ここに戻ってこられたのは真鍋さんのおかげです。ありがとうございました」
お礼を言うと真鍋さんは照れくさそうに頭を掻いた。
「僕、自分が無個性で初めて良かったと思ったかもしれません」
「え?」
「名字さんの考えてることとか、他の人より少しだけ察せる気がするから」
私にとっても真鍋さんは消太さんとは違う意味で少し特別な人だ。
爆豪くんなら「モブ同士が傷舐め合ってんじゃねぇ」とか言いそうだけど。
「もし真鍋さんに困ったことがあれば私が助けます」
「ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」
「こちらこそ!」
「あ、この話の流れで聞いていいのか分からないんですけど・・・」
真鍋さんは食べ終わったトレーを端に寄せて少し身を乗り出した。
疑問に思いつつ、私も同じように身を乗り出して耳を近づけた。
「・・・相澤先生とはお付き合いされてるんですか?」
「ええ!?」
私は身体を戻して真鍋さんと距離を取った。
「し、してませんよ!」
「そうなんですか・・・。だから余計な口出ししてしまったかなって思ってたんですけど」
私はぶんぶんと首を横に振った。
ミッドナイト先生にも聞かれたし・・・そんなに私達顔に出やすいのだろうか。
いや、出ているとしたら私か。
気を付けないと・・・。
「名前さん!!!」
呼ばれたので顔を向けると芦戸さんと上鳴くんがトレーを持って立っていた。
「名前さんは相澤先生一筋だと思ってたのに!」
「もう、次から次へと!こちらは総務課の真鍋さん」
「こんにちは」
真鍋さんを紹介すると二人ともぺこりと挨拶をした。
「名前さんとはどういったご関係で?」
「ここに居るんだから職場の同僚に決まってるでしょ。部署違うけど」
「ふ~ん」
「名前さん今度寮遊びに来てよ。夜ご飯一緒に食べよう!」
「嬉しい!ありがとう」
「相澤先生とデートしない日に!」
「だからそんなんじゃないってば」
約束だからね~!と2人は嵐のように去っていった。
「すみません、真鍋さん」
「あはは、慕われているんですね」
「仲良くやってます」
「生徒達からもそう見えているんですね」
「違いますよ!あの子達は何でも恋愛に発展させたがる年頃なんです」
「高校生あるあるですね」
「私達も行きましょうか」
昼休みも終わりに近づいているのでトレーを持って立ちあがった。
「あの・・・」
「はい」
「・・・いえ、何でもないです。行きましょう」
何か言いかけた真鍋さんだったが、トレーを持って行ってしまったので私も後ろに続いた。
真鍋さんにちゃんと謝罪と感謝の言葉を伝えられた私は、満足して食堂を後にした。
*********
おまけ
「(良かったら今度ご飯どうですか・・・って言えなかったな)」
「真鍋さん?」
「(付き合ってないって言ってたし、誘うのは大丈夫だよね・・・?)」
「ちょっと聞いてる?」
「(無個性でも恋愛対象入るかな・・・)」
「何ボーっとしてるの?」
「わっ、御園さん!」
「業者への支払い請求書溜まってるんだから捌いてくださいよ」
「すみません・・・」