【11章】三角関係
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人に見られたくないものや、大事なものほど身近に置いておくことが一番安心するというが、まさにその通りだと思う。
「相澤先生、書類できました」
「ありがとう」
名前が隣に戻ってきたことで、俺のデスクに山積みになっていた書類はみるみる内に減っていく。
「あ、これ提出期限過ぎてますよ。私すぐに総務課に持っていきます!」
「悪いな。よろしく頼むよ」
「任せて下さい!」
名前の表情は水を得た魚のように生き生きしている。
離れていた期間はたった1カ月だったけれど地獄のように長く感じた。
いや、毎日仕事に追われていたから長くはないか。
お互いがお互いを求めていた。
再会したときは血色が悪く、身体も折れるのではないかと思うほど細くなっていた名前もたった2日ほどでこんなにも回復するものなのかというほど元に戻っていた。
俺の存在が一人の女性の調子を左右するとは、むず痒い反面嬉しくもあった。
ごちゃごちゃ考えるから上手くいかない。
分かってはいるのだが、合理主義を突き詰めすぎた結果らしい。
俺とは正反対の性格である同僚に今の現状を零そうものなら「プラトニックすぎんだろ!イマドキ中学生の方が進んでるぜ!」と言われるのがオチなので、口が裂けても言わない。
名前は名前でどちらかというと俺と似たタイプだ。
きっと学生時代は大人しい女子のグループにいたのだろう。
性格もインドア派のようで休みも毎週外へ出歩くタイプではない。
きっと付き合ったら、家でDVD見ながらとりとめもない話しをするのだろう。
まだ少し先の話になりそうだが。
これぐらいゆっくりの方が俺達らしいのではないか。
なんて、不器用な俺の言い訳にすぎないことを思った。
*********
私は提出期限が遅れてしまった書類を総務課に提出しにきた。
ドアを開けると、同じ作りなのだがどことなく雰囲気が違うので、学生時代他クラスへ入るときのように少し緊張してしまう。
「あの・・・真鍋さん」
パソコンと睨めっこをしていた真鍋さんに背後から声を掛けた。
「名字さん!」
真鍋さんは驚いた様子で振り返った。
「これ、一日期限過ぎちゃって。すみません」
「いえいえ!それは構わないんですけど・・・」
彼には悪いことをしてしまった。
きちんと謝らなければ。
そして事情も説明しなければと思った。
「あの、お昼はいつも食堂ですか?」
「はい、名字さんも?」
「今日は食堂にしようと思ってて。良かったら一緒にいかがですか?」
「ぜひ」
時計に目をやると丁度お昼の時間だった。
「キリがいいのでもう行きましょうか」
パソコンをスリープモードにすると真鍋さんは財布を持って立ち上がった。
「あ、途中職員室寄っていいですか?私も財布取りたいので」
「もちろんです」
私達は廊下を並んで歩いた。
「すぐに取ってきます」
真鍋さんには廊下で待っていてもらって、デスクへ戻ると財布を取った。
「お昼行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」
相澤先生に声を掛けて職員室を出た。
「相澤先生、書類できました」
「ありがとう」
名前が隣に戻ってきたことで、俺のデスクに山積みになっていた書類はみるみる内に減っていく。
「あ、これ提出期限過ぎてますよ。私すぐに総務課に持っていきます!」
「悪いな。よろしく頼むよ」
「任せて下さい!」
名前の表情は水を得た魚のように生き生きしている。
離れていた期間はたった1カ月だったけれど地獄のように長く感じた。
いや、毎日仕事に追われていたから長くはないか。
お互いがお互いを求めていた。
再会したときは血色が悪く、身体も折れるのではないかと思うほど細くなっていた名前もたった2日ほどでこんなにも回復するものなのかというほど元に戻っていた。
俺の存在が一人の女性の調子を左右するとは、むず痒い反面嬉しくもあった。
ごちゃごちゃ考えるから上手くいかない。
分かってはいるのだが、合理主義を突き詰めすぎた結果らしい。
俺とは正反対の性格である同僚に今の現状を零そうものなら「プラトニックすぎんだろ!イマドキ中学生の方が進んでるぜ!」と言われるのがオチなので、口が裂けても言わない。
名前は名前でどちらかというと俺と似たタイプだ。
きっと学生時代は大人しい女子のグループにいたのだろう。
性格もインドア派のようで休みも毎週外へ出歩くタイプではない。
きっと付き合ったら、家でDVD見ながらとりとめもない話しをするのだろう。
まだ少し先の話になりそうだが。
これぐらいゆっくりの方が俺達らしいのではないか。
なんて、不器用な俺の言い訳にすぎないことを思った。
*********
私は提出期限が遅れてしまった書類を総務課に提出しにきた。
ドアを開けると、同じ作りなのだがどことなく雰囲気が違うので、学生時代他クラスへ入るときのように少し緊張してしまう。
「あの・・・真鍋さん」
パソコンと睨めっこをしていた真鍋さんに背後から声を掛けた。
「名字さん!」
真鍋さんは驚いた様子で振り返った。
「これ、一日期限過ぎちゃって。すみません」
「いえいえ!それは構わないんですけど・・・」
彼には悪いことをしてしまった。
きちんと謝らなければ。
そして事情も説明しなければと思った。
「あの、お昼はいつも食堂ですか?」
「はい、名字さんも?」
「今日は食堂にしようと思ってて。良かったら一緒にいかがですか?」
「ぜひ」
時計に目をやると丁度お昼の時間だった。
「キリがいいのでもう行きましょうか」
パソコンをスリープモードにすると真鍋さんは財布を持って立ち上がった。
「あ、途中職員室寄っていいですか?私も財布取りたいので」
「もちろんです」
私達は廊下を並んで歩いた。
「すぐに取ってきます」
真鍋さんには廊下で待っていてもらって、デスクへ戻ると財布を取った。
「お昼行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」
相澤先生に声を掛けて職員室を出た。