【9章】半歩進む
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好きな人の匂いってなんでこんなに落ち着くんだろう。
遺伝子の相性がいいからって聞いたことあるなぁ。
不安定な気持ちが落ち着いていくのがよくわかる。
涙が止まっても、相澤先生は規則的に私の後頭部を上から下へ撫で下ろし、私はその気持ちよさから少し船を漕いだ。
最近よく眠れていなかったからなぁ。
相澤先生の手気持ちいいなぁ。
・・・眠い。
上の瞼が重くなってきた。
「名字・・・」
相澤先生が呼んでる。
「好きだ」
好き・・・?
私も相澤先生が好き・・・
「ん・・・!?」
私の頭は覚醒して、相澤先生の腕の中から身体を起こした。
「い、今・・・」
パチパチと瞬きをして相澤先生を見上げた。
「・・・寝てたんじゃなかったのか」
「寝落ちしかけてました・・・」
相澤先生が少し気まずそうにしているので、聞き間違いじゃないはず。
私はきゅっと相澤先生の服を掴んだ。
「私も好きです」
言わなければ、と思った。
臆病で色んなことをぐるぐる考えてしまう私だけど。
伝えたいことを伝えられなくなる恐怖も味わったから。
体裁とか色々考えてたけど、今この瞬間はそんなこと忘れた。
相澤先生も私の気持ちを分かっていたのだろう。
大して驚くこともなく、時折見せるその優しい表情で私の頭を撫でた。
「嬉しいよ」
「私も、嬉しいです」
ただ、次の瞬間その表情に翳りが見えて。
私は首を傾げた。
「本来ならここで付き合って欲しいと言うところなんだが・・・」
やっぱりヒーローだから無個性とは付き合えないのかな。
だったら悲しいけど仕方ない。
私は言葉の続きを待った。
「神野の件でまだ状況は落ち着かず、俺は記者会見の一件でおそらく週刊誌にもマークされてる。名字と撮られたらそれこそ危険だ。だから・・・」
相澤先生は私の手を握った。
「もう少しだけ待ってほしい。この状況が落ち着いたら、もう一度気持ちを伝える」
相澤先生の言葉は私が予想していたものとは違った。
「待っていていいんですか・・・?」
「名字が待てないなら、それは仕方ないとは思ってる」
「いえ!待ちます・・・!待ちたいです!」
夢みたい。
好きな人が私のことを好きと言ってくれて。
私と相澤先生は小指を絡めて未来の約束を交わした。
遺伝子の相性がいいからって聞いたことあるなぁ。
不安定な気持ちが落ち着いていくのがよくわかる。
涙が止まっても、相澤先生は規則的に私の後頭部を上から下へ撫で下ろし、私はその気持ちよさから少し船を漕いだ。
最近よく眠れていなかったからなぁ。
相澤先生の手気持ちいいなぁ。
・・・眠い。
上の瞼が重くなってきた。
「名字・・・」
相澤先生が呼んでる。
「好きだ」
好き・・・?
私も相澤先生が好き・・・
「ん・・・!?」
私の頭は覚醒して、相澤先生の腕の中から身体を起こした。
「い、今・・・」
パチパチと瞬きをして相澤先生を見上げた。
「・・・寝てたんじゃなかったのか」
「寝落ちしかけてました・・・」
相澤先生が少し気まずそうにしているので、聞き間違いじゃないはず。
私はきゅっと相澤先生の服を掴んだ。
「私も好きです」
言わなければ、と思った。
臆病で色んなことをぐるぐる考えてしまう私だけど。
伝えたいことを伝えられなくなる恐怖も味わったから。
体裁とか色々考えてたけど、今この瞬間はそんなこと忘れた。
相澤先生も私の気持ちを分かっていたのだろう。
大して驚くこともなく、時折見せるその優しい表情で私の頭を撫でた。
「嬉しいよ」
「私も、嬉しいです」
ただ、次の瞬間その表情に翳りが見えて。
私は首を傾げた。
「本来ならここで付き合って欲しいと言うところなんだが・・・」
やっぱりヒーローだから無個性とは付き合えないのかな。
だったら悲しいけど仕方ない。
私は言葉の続きを待った。
「神野の件でまだ状況は落ち着かず、俺は記者会見の一件でおそらく週刊誌にもマークされてる。名字と撮られたらそれこそ危険だ。だから・・・」
相澤先生は私の手を握った。
「もう少しだけ待ってほしい。この状況が落ち着いたら、もう一度気持ちを伝える」
相澤先生の言葉は私が予想していたものとは違った。
「待っていていいんですか・・・?」
「名字が待てないなら、それは仕方ないとは思ってる」
「いえ!待ちます・・・!待ちたいです!」
夢みたい。
好きな人が私のことを好きと言ってくれて。
私と相澤先生は小指を絡めて未来の約束を交わした。