【7章】後悔先に立たず
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奴らは爆豪くんを“勧誘"すると言っていた。
おそらく敵連合への勧誘だろう。
少なくとも交渉決裂するまでは彼の身の安全は保障されている。
「でも爆豪くんが大人しく仲間になるフリなんてするのかな・・・」
あの暴君が大人しく敵に従うとは思えない。
しかし一方で彼は非常に頭がいい。
それに個性だって強力だ。
この状況を生き残るにあたって一番邪魔なのは紛れもなく"私"だ。
万一戦闘が起きたときに私を人質として利用されたら爆豪くんは動けなくなる。
だから私はリスクを冒してでもチャンスがあれば逃げなければ。
私は隣の壁にぴったりと耳を張り付けた。
壁は薄いらしく、人の声が漏れ聞こえてくる。
しかしそれは爆豪くんでも、敵連合の連中の声でもなかった。
「相澤先生・・・?」
雑音が入っていることからテレビの音だと推測できた。
集中すると記者からの質問が飛び交い、それに相澤先生は答えているようだ。
うっすらとしか聞こえないけど、私は相澤先生の声を聞いてひどく安心した。
できる気がした。
相澤先生にはまた無謀だと怒られるかもしれないけど。
「私、ちゃんと成長してます」
私は手首を90度起こした。
縄の間に空洞が出来て、するりと簡単に抜け落ちた。
荼毘に手首を縛られる時、相澤先生にあの日教えてもらったように横にして縛るように誘導した。
自由になった両手をグーパーして違和感がないことを確認した。
私は再び壁に耳を寄せた。
死柄木が何やら喋っている。
私は外へ通ずるドアに耳を寄せた。
ドアの外に誰かいる気配はない。
念のため小さくコンコンと鳴らしたが、反応はなかった。
「今しかない・・・!」
死柄木の話に集中している今がチャンスだ。
私はドアを開けて、全速力で駆けだした。
「え・・・?」
私の足は止まった。
ピザの宅配の人が死柄木や荼毘のいる部屋の前に立っていたのだから。
「ピザーラ神野店です」
彼がドアをノックしドアが開くのと、私の存在に彼が気付いたのは同時だった。
彼は「シンリンカムイ!被害者1名確認、安全な場所へ!」そう叫ぶと、ピザの箱を放り投げ、踏み込んだ。
私は彼を知っている。
「エッジショットさん・・・」
雄英体育祭で関係者バッジを渡したから覚えていた。
私の身体には樹木が巻き付いた。
「シンリンカムイさん!」
彼は器用なまでに私を救助、その他部屋の中にいたヴィラン達を捕縛していた。
爆豪くんの安否が気になって、シンリンカムイさんに運ばれる瞬間、部屋に目線を向けると荼毘と目が合った。
彼はニヤリと笑った。
『 』
何を言ったかのか分からない。
私に向けた言葉だったのかも定かではない。
しかし、彼の目は私に恐怖を感じさせた。
私は無事に待機していた警察の方に保護され、そのまま病院へと搬送された。
おそらく敵連合への勧誘だろう。
少なくとも交渉決裂するまでは彼の身の安全は保障されている。
「でも爆豪くんが大人しく仲間になるフリなんてするのかな・・・」
あの暴君が大人しく敵に従うとは思えない。
しかし一方で彼は非常に頭がいい。
それに個性だって強力だ。
この状況を生き残るにあたって一番邪魔なのは紛れもなく"私"だ。
万一戦闘が起きたときに私を人質として利用されたら爆豪くんは動けなくなる。
だから私はリスクを冒してでもチャンスがあれば逃げなければ。
私は隣の壁にぴったりと耳を張り付けた。
壁は薄いらしく、人の声が漏れ聞こえてくる。
しかしそれは爆豪くんでも、敵連合の連中の声でもなかった。
「相澤先生・・・?」
雑音が入っていることからテレビの音だと推測できた。
集中すると記者からの質問が飛び交い、それに相澤先生は答えているようだ。
うっすらとしか聞こえないけど、私は相澤先生の声を聞いてひどく安心した。
できる気がした。
相澤先生にはまた無謀だと怒られるかもしれないけど。
「私、ちゃんと成長してます」
私は手首を90度起こした。
縄の間に空洞が出来て、するりと簡単に抜け落ちた。
荼毘に手首を縛られる時、相澤先生にあの日教えてもらったように横にして縛るように誘導した。
自由になった両手をグーパーして違和感がないことを確認した。
私は再び壁に耳を寄せた。
死柄木が何やら喋っている。
私は外へ通ずるドアに耳を寄せた。
ドアの外に誰かいる気配はない。
念のため小さくコンコンと鳴らしたが、反応はなかった。
「今しかない・・・!」
死柄木の話に集中している今がチャンスだ。
私はドアを開けて、全速力で駆けだした。
「え・・・?」
私の足は止まった。
ピザの宅配の人が死柄木や荼毘のいる部屋の前に立っていたのだから。
「ピザーラ神野店です」
彼がドアをノックしドアが開くのと、私の存在に彼が気付いたのは同時だった。
彼は「シンリンカムイ!被害者1名確認、安全な場所へ!」そう叫ぶと、ピザの箱を放り投げ、踏み込んだ。
私は彼を知っている。
「エッジショットさん・・・」
雄英体育祭で関係者バッジを渡したから覚えていた。
私の身体には樹木が巻き付いた。
「シンリンカムイさん!」
彼は器用なまでに私を救助、その他部屋の中にいたヴィラン達を捕縛していた。
爆豪くんの安否が気になって、シンリンカムイさんに運ばれる瞬間、部屋に目線を向けると荼毘と目が合った。
彼はニヤリと笑った。
『 』
何を言ったかのか分からない。
私に向けた言葉だったのかも定かではない。
しかし、彼の目は私に恐怖を感じさせた。
私は無事に待機していた警察の方に保護され、そのまま病院へと搬送された。