【7章】後悔先に立たず
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女子達に風呂へ連行された名字を見送ると、俺は明日の打ち合わせをプシーキャッツの方々と行った。
打ち合わせといっても前回粗方決めているので、最終チェックといった方が適切かもしれない。
「では、明日はこれでお願いします」
「りょーかい!」
まとめ終えて、部屋から出ると洸汰くんを抱えた緑谷と出くわした。
「どうしたんだ?」
「えっと・・・実は」
緑谷から風呂での出来事を一部始終報告を受けた。
「峰田のやつ・・・」
あの性欲の権化はどうにかならんのか。
あそこまで欲求に忠実であるといっそ清々しくさえある。
「あ、名字さんも逆上せてしまったみたいで、麗日さん達が部屋へ運んでます」
「名字も?」
俺は眉を顰めた。
「名字さん女子達に色々言われてたみたいなんで・・・」
「色々?」
「あっ、いや、ちゃんと聞こえたわけじゃないんですけど」
顔を赤くしながらゴニョゴニョ話す緑谷に俺の眉間の皺が増えた。
「はっきり言え」
「はい!名字さんと相澤先生が付き合っているんじゃないかって女子に聞かれてました!」
ドスの効いた俺の声に対して、緑谷はまくしたてるように説明し、洸汰くんを介抱すると言ってそそくさとその場を離れた。
俺は頭を抱えた。
「生徒に勘づかれてるのか・・・」
仕事中に私情を持ち込んではいないはず。
そう思ったが、ここに着いてからの出来事を思い出した。
・・・がっつり私情持ち込んでるな。
気を付けるか。
しかし名字の様子も気になるので俺は部屋を訪ねた。
コンコンとノックすると中から「はい」と聞こえた。
しかし名字の声ではない。
開けるか躊躇していると中から八百万が出てきた。
「相澤先生」
「名字が逆上せたと聞いて様子を見に来た」
「水分も取りましたし、顔色も良いです。今は少し眠られていますわ」
「すまないな」
「いえ、では私はこれで」
八百万は部屋を出ていった。
先程の緑谷の話を聞いてしまったので、まさか気を遣われたのではないかと勘ぐった。
また女子部屋で噂されるのかと思うと頭が痛い。
「う・・・ん」
名字のうめき声が聞こえてハッとした。
ここまで来て様子を見ずに帰るなんてわけにはいかない。
俺は布団に横たわる名字の傍に胡坐を掻いて座った。
少し苦しそうだ。
「・・・生徒に翻弄されるな」
俺も人のことは言えないが、ポーカーフェイスは貫いているつもりだ。
きっと名字は真っ赤になって弁解したんだろうな。
簡単にその姿が想像できて笑えた。
同僚以上恋人未満。
俺達の今の関係を表すならそれが一番近いと思う。
名字の反応を見る限り、脈無しというわけでもなさそうだ。
しかし一歩踏み出せないのは、俺の職業がヒーローであること。
無個性の彼女を守り切れるのか。
付き合う事で危険に晒すリスクが高まるのではないか。
そう思うと簡単に恋人関係へと発展させるわけにはいかなかった。
きっと真鍋のような男と付き合う方が彼女にとって幸せな将来が待っている。
しかし、理性と感情は相反するもので。
この間の飲み会の時の様に、すんなりと他の男にくれてやる技量も俺には無いらしい。
スッと名字の前髪を掬い上げた。
吹き出物一つない綺麗な額。
俺はそこに自身の口を寄せた。
「もう少し待っててくれ」
一生をかけて守り抜く。
自分の覚悟が決まるまで。
打ち合わせといっても前回粗方決めているので、最終チェックといった方が適切かもしれない。
「では、明日はこれでお願いします」
「りょーかい!」
まとめ終えて、部屋から出ると洸汰くんを抱えた緑谷と出くわした。
「どうしたんだ?」
「えっと・・・実は」
緑谷から風呂での出来事を一部始終報告を受けた。
「峰田のやつ・・・」
あの性欲の権化はどうにかならんのか。
あそこまで欲求に忠実であるといっそ清々しくさえある。
「あ、名字さんも逆上せてしまったみたいで、麗日さん達が部屋へ運んでます」
「名字も?」
俺は眉を顰めた。
「名字さん女子達に色々言われてたみたいなんで・・・」
「色々?」
「あっ、いや、ちゃんと聞こえたわけじゃないんですけど」
顔を赤くしながらゴニョゴニョ話す緑谷に俺の眉間の皺が増えた。
「はっきり言え」
「はい!名字さんと相澤先生が付き合っているんじゃないかって女子に聞かれてました!」
ドスの効いた俺の声に対して、緑谷はまくしたてるように説明し、洸汰くんを介抱すると言ってそそくさとその場を離れた。
俺は頭を抱えた。
「生徒に勘づかれてるのか・・・」
仕事中に私情を持ち込んではいないはず。
そう思ったが、ここに着いてからの出来事を思い出した。
・・・がっつり私情持ち込んでるな。
気を付けるか。
しかし名字の様子も気になるので俺は部屋を訪ねた。
コンコンとノックすると中から「はい」と聞こえた。
しかし名字の声ではない。
開けるか躊躇していると中から八百万が出てきた。
「相澤先生」
「名字が逆上せたと聞いて様子を見に来た」
「水分も取りましたし、顔色も良いです。今は少し眠られていますわ」
「すまないな」
「いえ、では私はこれで」
八百万は部屋を出ていった。
先程の緑谷の話を聞いてしまったので、まさか気を遣われたのではないかと勘ぐった。
また女子部屋で噂されるのかと思うと頭が痛い。
「う・・・ん」
名字のうめき声が聞こえてハッとした。
ここまで来て様子を見ずに帰るなんてわけにはいかない。
俺は布団に横たわる名字の傍に胡坐を掻いて座った。
少し苦しそうだ。
「・・・生徒に翻弄されるな」
俺も人のことは言えないが、ポーカーフェイスは貫いているつもりだ。
きっと名字は真っ赤になって弁解したんだろうな。
簡単にその姿が想像できて笑えた。
同僚以上恋人未満。
俺達の今の関係を表すならそれが一番近いと思う。
名字の反応を見る限り、脈無しというわけでもなさそうだ。
しかし一歩踏み出せないのは、俺の職業がヒーローであること。
無個性の彼女を守り切れるのか。
付き合う事で危険に晒すリスクが高まるのではないか。
そう思うと簡単に恋人関係へと発展させるわけにはいかなかった。
きっと真鍋のような男と付き合う方が彼女にとって幸せな将来が待っている。
しかし、理性と感情は相反するもので。
この間の飲み会の時の様に、すんなりと他の男にくれてやる技量も俺には無いらしい。
スッと名字の前髪を掬い上げた。
吹き出物一つない綺麗な額。
俺はそこに自身の口を寄せた。
「もう少し待っててくれ」
一生をかけて守り抜く。
自分の覚悟が決まるまで。