朝のHRが始まる。

「名字さん、今から一緒に1-Aへ行くぞ」

「分かりました。あ、呼び捨てで大丈夫ですよ。気を遣っていただいているみたいなので･･･」

「そうか、わかった」

とはいえ、さすがにマイクのようにいきなり下の名前で呼び捨てにするのはおかしいので名字を呼び捨てにすることにした。
長い廊下を横に並んで歩いた。


「1-Aってヒーロー科ですよね。楽しみです」

「奴らのテンションに飲み込まれないようにな」




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相澤先生の言っている意味が分かった。



「「「「「相澤先生!!!」」」」」



扉を開けると相澤先生の復帰に驚く生徒たちの声が教室中に反響した。


「相澤先生!もう大丈夫なんっスか!?」

「隣にいる美女は誰だ!?」

「えー!新しい先生!?」

「先生復帰早っ!!」


さすが高校生･･･。
パワフルだなぁ～。


「お前ら、うるさい」


相澤先生の鶴の一声で、場は収まった。

「こちらは今日から俺の補佐に入る名字名前さんだ。迷惑かけるなよ」

「名字名前です。教師ではなく事務員になります。どうぞよろしくお願いします」

簡潔に自己紹介を終えた。
キラキラした瞳を一身に受け、まるで転校生の気分だ。

「彼女に聞きたいことがあるやつは休み時間にしろ。これから体育祭の説明に入る」

体育祭というワードに静かだった教室が再び沸き上がった。
赤い髪の男の子が敵襲撃された直後に開催して大丈夫なのか心配していたが、私もその通りだと思う。
けれど盤石な体制を雄英が整えていると世間にアピールするためにも開催するらしい。

何より相澤先生曰く「敵ごときで中止にしていいものではない」と。

なるほど。
体育祭があるから退院を急いでたんだ。

やると決まったのであれば私もできる限りのサポートをしなければ。

「本番までに特訓するやつは空いていれば運動場や体育館を使える。申請は名字にしろ」

鍵と名簿の管理の仕方はここに来る前に教えてもらった。

「HRは以上だ」

相澤先生と一緒に教室を出た。

「すごく元気なクラスでしたね」

「若さだけが取り柄の年齢だからな」

相澤先生とあまりに対照的でなんだか面白かった。


「1限は空きコマだから事務作業を教えていく」

「はい、よろしくお願いします」