【4章】傷の舐め合い
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真鍋さんが家まで送ると言って、荷物を取りに行ってくれた。
私も戻ると言ったが、厳しい職場ではないので大丈夫だよと諭され、その言葉に甘えさせて頂くことにした。
真鍋さんが無個性だと分かってから、お互いのことを色々話した。
彼も無個性が原因で好きな人と上手くいかなかった過去があるらしい。
「相澤先生もやっぱり恋人は個性ある人がいいのかな」
ぽつりと口から出た言葉にハッとしてぶんぶんと首を振った。
何厚かましいこと考えてるんだろ、私!
だって相手はプロヒーローなんだよ!?
個性持ちどころか、その中でも強個性を持ってる人がいいに決まってる。
今ならまだ引き返せる。
この気持ちに深入りしてはいけない。
そのままボーっと真鍋さんを待っていると、私のバッグが差し出された。
てっきり真鍋さんだと思ってお礼を言ったら相澤先生だった。
相澤先生が送ってくれるらしく、気にかけてもらえたことが嬉しかった。
お酒を断れなかったのか聞かれたが、あれは相澤先生と隣の女性を見て嫉妬してしまった自分の失態だ。
だから言葉を濁してしまった。
相澤先生は真鍋さんのことを気にしていて、これではまるで私と同じで嫉妬しているみたいではないか。
「名字は付き合うなら無個性の奴の方がいいのか?」
そう聞かれたとき、臆病な私が出てきて本当のことは言えなかった。
無難な回答。
けれど傷つきたくないという気持ちは本心だった。
「んなもん人によるだろ。俺は無個性でも気にしない」
さっき深い入りしないと決めたばかりなのに。
そんなこと言われたら期待してしまうではないか。
*********
「ありがとうございます。嬉しいです」
相澤先生は"私"ではなく相手が"他の誰か"であってもという意味で言ったのかもしれない。
それでも嬉しかった。
「ところで・・・相澤先生のテーブル楽しそうでしたね」
「そうか?」
「平和そうで羨ましかったです」
「興味を持たれて根掘り葉掘り聞かれそうになったよ」
「それは大変でしたね」
あの・・・と私は続けた。
相澤先生だって真鍋さんのこと気にしていたんだから私も聞いていいかな。
「相澤先生も隣に座っていた女性と仲良くなりましたか?」
相澤先生の反応を見るのが怖くて顔は上げられなかった。
「隣・・・?ああ」
一瞬何を聞かれたのか分からなかった相澤先生が記憶を辿っていた。
「仲良くなったというほどのものでもない。ただの世間話しかしてない」
「世間話・・・」
「なんだ気になるのか」
ぶわっと顔に血流が巡ったのが分かった。
なんて返事するのがいいのだろうか…。
私が会話を途絶えさせてしまったことで沈黙が走った。
どうしよう、何か言わないと。
焦れば焦るほど何も思い付かない。
「…帰るか。立てそうか?」
「は、はい」
空気を読んでくれた相澤先生が話を終わらせてくれた。
私は腰を上げた。
************
雄英から近い居酒屋だったので、自宅までの道のりも短い。
急げば5分で着くのではないだろうか。
しかし、私の足取りはひどくゆっくりで相澤先生もそれに合わせてくれた。
頭が痛いわけではない。
もうすっかり良くなった。
ただ、相澤先生とこのまま離れるのが惜しい。
明日は休みだから、次会うのは週明けだ。
ゆっくり歩いても15分ほどで私のアパートの前に着いてしまった。
「送ってくれてありがとうございます。頭痛もすっかり良くなりました」
「そうか、よかった」
「はい」
このままエントランスを抜けて階段を上がるだけ。
本当は飲み会で全然話せなかったので、もう少し一緒にいたいが相澤先生は早く帰りたいかもしれないと思うと何も言えなかった。
しかしせっかくだから相澤先生が見えなくなるまで見送りたい。
そう思って相澤先生が立ち去るのを待つが、動く様子がない。
「相澤先生?」
「あ~、いや…」
私は首を傾げた。
「今日はあまり喋ってないなと思っただけだ」
じゃあ、また月曜日。
そう言って立ち去ろうとした相澤先生の服をきゅっと掴んだ。
「私も…同じこと思ってました。もし良ければ少し上がっていきませんか?」
「…いいのか?」
「相澤先生がお疲れでなければ…」
「じゃあ2人で二次会するか」
「はい!」
私達はアパートの目の前のコンビニに入って、二次会の材料を買うことにした。
私も戻ると言ったが、厳しい職場ではないので大丈夫だよと諭され、その言葉に甘えさせて頂くことにした。
真鍋さんが無個性だと分かってから、お互いのことを色々話した。
彼も無個性が原因で好きな人と上手くいかなかった過去があるらしい。
「相澤先生もやっぱり恋人は個性ある人がいいのかな」
ぽつりと口から出た言葉にハッとしてぶんぶんと首を振った。
何厚かましいこと考えてるんだろ、私!
だって相手はプロヒーローなんだよ!?
個性持ちどころか、その中でも強個性を持ってる人がいいに決まってる。
今ならまだ引き返せる。
この気持ちに深入りしてはいけない。
そのままボーっと真鍋さんを待っていると、私のバッグが差し出された。
てっきり真鍋さんだと思ってお礼を言ったら相澤先生だった。
相澤先生が送ってくれるらしく、気にかけてもらえたことが嬉しかった。
お酒を断れなかったのか聞かれたが、あれは相澤先生と隣の女性を見て嫉妬してしまった自分の失態だ。
だから言葉を濁してしまった。
相澤先生は真鍋さんのことを気にしていて、これではまるで私と同じで嫉妬しているみたいではないか。
「名字は付き合うなら無個性の奴の方がいいのか?」
そう聞かれたとき、臆病な私が出てきて本当のことは言えなかった。
無難な回答。
けれど傷つきたくないという気持ちは本心だった。
「んなもん人によるだろ。俺は無個性でも気にしない」
さっき深い入りしないと決めたばかりなのに。
そんなこと言われたら期待してしまうではないか。
*********
「ありがとうございます。嬉しいです」
相澤先生は"私"ではなく相手が"他の誰か"であってもという意味で言ったのかもしれない。
それでも嬉しかった。
「ところで・・・相澤先生のテーブル楽しそうでしたね」
「そうか?」
「平和そうで羨ましかったです」
「興味を持たれて根掘り葉掘り聞かれそうになったよ」
「それは大変でしたね」
あの・・・と私は続けた。
相澤先生だって真鍋さんのこと気にしていたんだから私も聞いていいかな。
「相澤先生も隣に座っていた女性と仲良くなりましたか?」
相澤先生の反応を見るのが怖くて顔は上げられなかった。
「隣・・・?ああ」
一瞬何を聞かれたのか分からなかった相澤先生が記憶を辿っていた。
「仲良くなったというほどのものでもない。ただの世間話しかしてない」
「世間話・・・」
「なんだ気になるのか」
ぶわっと顔に血流が巡ったのが分かった。
なんて返事するのがいいのだろうか…。
私が会話を途絶えさせてしまったことで沈黙が走った。
どうしよう、何か言わないと。
焦れば焦るほど何も思い付かない。
「…帰るか。立てそうか?」
「は、はい」
空気を読んでくれた相澤先生が話を終わらせてくれた。
私は腰を上げた。
************
雄英から近い居酒屋だったので、自宅までの道のりも短い。
急げば5分で着くのではないだろうか。
しかし、私の足取りはひどくゆっくりで相澤先生もそれに合わせてくれた。
頭が痛いわけではない。
もうすっかり良くなった。
ただ、相澤先生とこのまま離れるのが惜しい。
明日は休みだから、次会うのは週明けだ。
ゆっくり歩いても15分ほどで私のアパートの前に着いてしまった。
「送ってくれてありがとうございます。頭痛もすっかり良くなりました」
「そうか、よかった」
「はい」
このままエントランスを抜けて階段を上がるだけ。
本当は飲み会で全然話せなかったので、もう少し一緒にいたいが相澤先生は早く帰りたいかもしれないと思うと何も言えなかった。
しかしせっかくだから相澤先生が見えなくなるまで見送りたい。
そう思って相澤先生が立ち去るのを待つが、動く様子がない。
「相澤先生?」
「あ~、いや…」
私は首を傾げた。
「今日はあまり喋ってないなと思っただけだ」
じゃあ、また月曜日。
そう言って立ち去ろうとした相澤先生の服をきゅっと掴んだ。
「私も…同じこと思ってました。もし良ければ少し上がっていきませんか?」
「…いいのか?」
「相澤先生がお疲れでなければ…」
「じゃあ2人で二次会するか」
「はい!」
私達はアパートの目の前のコンビニに入って、二次会の材料を買うことにした。
