【3章】助けてヒーロー
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「いいお湯でした。ありがとうございます」
お風呂から上がり、いそいそと服を着て相澤先生に声を掛けた。
「目開けて大丈夫ですよ」
私の声で相澤先生は顔を上げた。
なんだか疲れているようだった。
「相澤先生もだいぶお疲れのようですね。大丈夫ですか?」
本当なら相澤先生にもお風呂を勧めるところだが、彼はヒーロースーツのため脱げそうになかった。
まさか私のように切って捨てるわけにもいくまい。
「ああ、大丈夫だ」
「相澤先生のお風呂はどうしましょうか・・・」
「腕が離れてからでいい」
「わかりました」
「腹が減ったから飯にするぞ」
相澤先生に引っ張られてリビングへ移動した。
バタバタしていたのでゆっくり見ることができなかった。
必要最低限の家具しかなく、黒を基調としたシンプルな部屋はいかにも相澤先生らしかった。
「いただきます」
相澤先生が買ってくれたスーパーの晩御飯。
左手でも食べやすいようにフォークとスプーンを用意して頂いた。
「でも、まさかこんなことになるなんて思ってもみませんでした」
「ほんとにな」
「早めに取れたらいいんですけど・・・」
試しにまた引っ張ってみるが全然取れない。
「今日の演習、ためになりました!次参加するときはもっと頑張ろうって思います」
「今度はあんな自殺行為はやめてくれ」
「肝に銘じます・・・」
「そうだ」
「?」
相澤先生は思い出したように私に向き合った。
「瀬呂に手首を縛られた時、こうやって縛られただろう」
相澤先生は自分の手首の内側同士をくっつけた。
「そうじゃなくて万一手首を拘束されそうになったときは縦じゃなくて横にしろ」
そのまま両腕を外側に開いて90度倒した。
「この状態で拘束され、抜け出すときに先ほどの様に手首同士がくっつくように手首を起こすと間に空洞ができる。そうすれば抜け出しやすい」
「なるほど!」
私は自分の手首で試した。
「確かに横幅より縦の方が細いから隙間ができますね」
しっかり覚えておこう。
「まぁ、そんな機会ないに越したことはないがな」
「そうですね!」
*********
風呂に入った名字はさっぱりした様子で夕飯を食べていた。
もぐもぐ美味しそうに食べる姿はまるで小動物のようだ。
「さっきも言いましたけどやっぱりこのマンションいいですね~」
私のアパートとは大違いです!とケタケタ笑った。
「ずっとここに住んでるから気にしたことないな。名字の家もそんなに狭くないだろ」
「でもやっぱりオートロックあるのがいいですよね」
名字が何気なく呟いた一言。
そういえば名字のアパートにはオートロックがついていなかった。
「いくら職場が近くても女なんだからオートロック付きの方が良かっただろ」
「そうなるとちょっとご予算が・・・。ほら、私職が安定してなかったので」
「まあ、雄英が近いからある意味セキュリティは高いと言えるが」
ヒーローが集まっているからな。
「ふふふ」
名字が急に笑い出した。
「なんだ」
「いつも1人で夜ご飯食べているので、こうやって誰かと食べるってたまにはいいものですね」
「ならたまに一緒に食べるか?」
「へ?」
話の流れで思わず口から出てしまった。
恋人でもないのに定期的にご飯を一緒に食べるなどおかしい。
ましてや異性で、職場仲間だ。
しかし一度出てしまった言葉を引っ込められるわけでもなく。
「いや、さっきのは」
「いいですね!」
名字の目は爛々と輝いていた。
「毎週金曜日とかどうですか?花金だとお互い次の日休みですし」
話を進められてしまったら逆に今更断れない。
「あ、ああ。そうだな」
「相澤先生の食生活改善にもなりそうですし!」
こうして話の流れで、お互い予定のない金曜日は共に夕飯を食べることに決まった。
*********
おまけ
「あっ、でも相澤先生に彼女さんいないんですか?」
「いたら言わないだろ」
「それもそうですね。お互いできるといいですね」
「(・・・はぁ)」
お風呂から上がり、いそいそと服を着て相澤先生に声を掛けた。
「目開けて大丈夫ですよ」
私の声で相澤先生は顔を上げた。
なんだか疲れているようだった。
「相澤先生もだいぶお疲れのようですね。大丈夫ですか?」
本当なら相澤先生にもお風呂を勧めるところだが、彼はヒーロースーツのため脱げそうになかった。
まさか私のように切って捨てるわけにもいくまい。
「ああ、大丈夫だ」
「相澤先生のお風呂はどうしましょうか・・・」
「腕が離れてからでいい」
「わかりました」
「腹が減ったから飯にするぞ」
相澤先生に引っ張られてリビングへ移動した。
バタバタしていたのでゆっくり見ることができなかった。
必要最低限の家具しかなく、黒を基調としたシンプルな部屋はいかにも相澤先生らしかった。
「いただきます」
相澤先生が買ってくれたスーパーの晩御飯。
左手でも食べやすいようにフォークとスプーンを用意して頂いた。
「でも、まさかこんなことになるなんて思ってもみませんでした」
「ほんとにな」
「早めに取れたらいいんですけど・・・」
試しにまた引っ張ってみるが全然取れない。
「今日の演習、ためになりました!次参加するときはもっと頑張ろうって思います」
「今度はあんな自殺行為はやめてくれ」
「肝に銘じます・・・」
「そうだ」
「?」
相澤先生は思い出したように私に向き合った。
「瀬呂に手首を縛られた時、こうやって縛られただろう」
相澤先生は自分の手首の内側同士をくっつけた。
「そうじゃなくて万一手首を拘束されそうになったときは縦じゃなくて横にしろ」
そのまま両腕を外側に開いて90度倒した。
「この状態で拘束され、抜け出すときに先ほどの様に手首同士がくっつくように手首を起こすと間に空洞ができる。そうすれば抜け出しやすい」
「なるほど!」
私は自分の手首で試した。
「確かに横幅より縦の方が細いから隙間ができますね」
しっかり覚えておこう。
「まぁ、そんな機会ないに越したことはないがな」
「そうですね!」
*********
風呂に入った名字はさっぱりした様子で夕飯を食べていた。
もぐもぐ美味しそうに食べる姿はまるで小動物のようだ。
「さっきも言いましたけどやっぱりこのマンションいいですね~」
私のアパートとは大違いです!とケタケタ笑った。
「ずっとここに住んでるから気にしたことないな。名字の家もそんなに狭くないだろ」
「でもやっぱりオートロックあるのがいいですよね」
名字が何気なく呟いた一言。
そういえば名字のアパートにはオートロックがついていなかった。
「いくら職場が近くても女なんだからオートロック付きの方が良かっただろ」
「そうなるとちょっとご予算が・・・。ほら、私職が安定してなかったので」
「まあ、雄英が近いからある意味セキュリティは高いと言えるが」
ヒーローが集まっているからな。
「ふふふ」
名字が急に笑い出した。
「なんだ」
「いつも1人で夜ご飯食べているので、こうやって誰かと食べるってたまにはいいものですね」
「ならたまに一緒に食べるか?」
「へ?」
話の流れで思わず口から出てしまった。
恋人でもないのに定期的にご飯を一緒に食べるなどおかしい。
ましてや異性で、職場仲間だ。
しかし一度出てしまった言葉を引っ込められるわけでもなく。
「いや、さっきのは」
「いいですね!」
名字の目は爛々と輝いていた。
「毎週金曜日とかどうですか?花金だとお互い次の日休みですし」
話を進められてしまったら逆に今更断れない。
「あ、ああ。そうだな」
「相澤先生の食生活改善にもなりそうですし!」
こうして話の流れで、お互い予定のない金曜日は共に夕飯を食べることに決まった。
*********
おまけ
「あっ、でも相澤先生に彼女さんいないんですか?」
「いたら言わないだろ」
「それもそうですね。お互いできるといいですね」
「(・・・はぁ)」
