【3章】助けてヒーロー
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冷や汗が出た。
名字が自力で瀬呂のテープから脱出したときはモニタールームでは「おお」と歓喜の声が上がり、俺も内心賞賛した。
しかし、出入口が塞がれ、かつ轟達と合流できそうにない名字はあろうことか窓から脱出を試みた。
「出てくる」
俺はすぐに現場へ向かった。
あの足場はどう見ても老朽化してる。
そもそも演習で使う機会などないからだ。
"保護対象が予想外の行動に出る"
そう言ったのは確かに俺だ。
しかし本当に予想外の行動を取るとは。
ギリギリまで見守るが、万一のときに備え傍で見張っておかなければ。
名字が一歩ずつ降りていく姿を黙視した。
見つからないように物陰に隠れ様子を伺った。
彼女の体重なら耐えられそうか。
足場は軋んではいるものの、外れそうにはなかったのでそのまま経過を観察することにした。
轟が爆豪、瀬呂を力押ししている。
しかし相手は爆豪なので苦戦しているようだ。
「っ…!!」
轟と爆豪の個性が衝突したことで起きた突風。
それはこちら側に向かってきた。
「名字!!」
彼女はいとも簡単に風に煽られて指が梯子から離れた。
俺はすぐさま捕縛布を使い、名字を抱え込んだ。
間に合わないはずなんてなかった。
彼女のことを助けるためにここでスタンバイしていたのだから。
しかし落ちていく名字を見て、俺は柄にもなく焦りを感じた。
*************
「全く、無茶をするな」
「相澤先生~」
あやうく走馬灯を見るとこだった私は地面に両足が着いたときに遅れて恐怖心が襲ってきた。
思わず情けない声が漏れた。
「できると思ったんです…」
「勇敢と無謀は違う。俺の寿命が縮む」
「すみません…」
「いや、そもそも自由に動けと言ったのは俺だ」
相澤先生は私を落ち着かせるために、ゆっくり背中を撫でてくれた。
そのとき、相澤先生の懐からタイマーがタイムリミットを知らせた。
「負けちゃった」
「モニタールームに戻るぞ」
私と相澤先生は身体を離して、モニタールームに戻ろうとしたそのとき。
「わっ!!」
先行して歩き出した相澤先生に向かってダイブしてしまった。
「すみません!!腕が引っ張られてしまって」
何か絡まっているのだろうか。
相澤先生も振り返り、腕を見ると私と彼の腕の間に紫色のボールのようなものがくっついていた。
「名前さん!!大丈夫か!?」
瀬呂くん、爆豪くん、轟くんが駆けつけた。
「問題ない。講評に移るからモニタールームへ戻れ」
相澤先生、この丸いやつ気にならないのかな?
私は自分の腕にくっついたそれを離そうと試みたが全然離れてくれない。
「そして………峰田はどこだ?」
相澤先生の声は地を這うようだった。
ぎょっとして相澤先生を見上げる。
「……出てこい」
ビルの陰に視線を送る相澤先生。
そこから小さなヒーロー峰田くんが恐る恐る出てきた。
「オ、オイラみんなが戦闘してる間に名前さん助けようと思って近くまできてて…」
あ、峰田くん逃げてたわけじゃないんだね。
助けようとしてくれてたんだ。
「そしたら足場から名前さん落ちて、突風でよく見えなかったけどとにかく壁にくっつけようと思っていっぱいもぎもぎ投げたんだ」
もしかしてこの紫の丸いやつ?
よく見たら峰田くんの頭と同じ形だ。
しかもその辺見渡したら沢山落ちていた。
「助けようとしてくれたんだね。ありがとう」
私はにっこり峰田くんに微笑んだ。
「て、天使だ…!!!天使のその胸でオイラを癒して…ぶへっ!!!」
「相澤先生!?」
何やら血走った目でこちらへ向かってきた峰田くんを相澤が捕縛した。
相当力が入っているようで、峰田くん苦しそうだけど大丈夫?
「峰田、今日はどれぐらいで取れそうなんだ」
峰田くんは言いにくそうに口を開いた。
「……半日ぐらい?ぐはっ!!!」
捕縛布に圧迫されてもがいている。
「…とにかく全員戻れ」
相澤先生の指示に従い、モニタールームに戻るとちゃっちゃと最後の講評を済ませて授業は終わった。
「あの~、これは峰田くんの個性ですよね?」
「ああ…あいつ曰は半日取れんらしい」
「ええ!?半日って、今もう17時ですよ!?」
演習が最終授業だったことが災いした。
半日となると朝方の5時に取れる計算になる。
だから相澤先生あんなに怒ってたんだ!
「どうしましょう……」
「俺も今考えてるところだ」
相澤先生は深い溜め息をついた。
名字が自力で瀬呂のテープから脱出したときはモニタールームでは「おお」と歓喜の声が上がり、俺も内心賞賛した。
しかし、出入口が塞がれ、かつ轟達と合流できそうにない名字はあろうことか窓から脱出を試みた。
「出てくる」
俺はすぐに現場へ向かった。
あの足場はどう見ても老朽化してる。
そもそも演習で使う機会などないからだ。
"保護対象が予想外の行動に出る"
そう言ったのは確かに俺だ。
しかし本当に予想外の行動を取るとは。
ギリギリまで見守るが、万一のときに備え傍で見張っておかなければ。
名字が一歩ずつ降りていく姿を黙視した。
見つからないように物陰に隠れ様子を伺った。
彼女の体重なら耐えられそうか。
足場は軋んではいるものの、外れそうにはなかったのでそのまま経過を観察することにした。
轟が爆豪、瀬呂を力押ししている。
しかし相手は爆豪なので苦戦しているようだ。
「っ…!!」
轟と爆豪の個性が衝突したことで起きた突風。
それはこちら側に向かってきた。
「名字!!」
彼女はいとも簡単に風に煽られて指が梯子から離れた。
俺はすぐさま捕縛布を使い、名字を抱え込んだ。
間に合わないはずなんてなかった。
彼女のことを助けるためにここでスタンバイしていたのだから。
しかし落ちていく名字を見て、俺は柄にもなく焦りを感じた。
*************
「全く、無茶をするな」
「相澤先生~」
あやうく走馬灯を見るとこだった私は地面に両足が着いたときに遅れて恐怖心が襲ってきた。
思わず情けない声が漏れた。
「できると思ったんです…」
「勇敢と無謀は違う。俺の寿命が縮む」
「すみません…」
「いや、そもそも自由に動けと言ったのは俺だ」
相澤先生は私を落ち着かせるために、ゆっくり背中を撫でてくれた。
そのとき、相澤先生の懐からタイマーがタイムリミットを知らせた。
「負けちゃった」
「モニタールームに戻るぞ」
私と相澤先生は身体を離して、モニタールームに戻ろうとしたそのとき。
「わっ!!」
先行して歩き出した相澤先生に向かってダイブしてしまった。
「すみません!!腕が引っ張られてしまって」
何か絡まっているのだろうか。
相澤先生も振り返り、腕を見ると私と彼の腕の間に紫色のボールのようなものがくっついていた。
「名前さん!!大丈夫か!?」
瀬呂くん、爆豪くん、轟くんが駆けつけた。
「問題ない。講評に移るからモニタールームへ戻れ」
相澤先生、この丸いやつ気にならないのかな?
私は自分の腕にくっついたそれを離そうと試みたが全然離れてくれない。
「そして………峰田はどこだ?」
相澤先生の声は地を這うようだった。
ぎょっとして相澤先生を見上げる。
「……出てこい」
ビルの陰に視線を送る相澤先生。
そこから小さなヒーロー峰田くんが恐る恐る出てきた。
「オ、オイラみんなが戦闘してる間に名前さん助けようと思って近くまできてて…」
あ、峰田くん逃げてたわけじゃないんだね。
助けようとしてくれてたんだ。
「そしたら足場から名前さん落ちて、突風でよく見えなかったけどとにかく壁にくっつけようと思っていっぱいもぎもぎ投げたんだ」
もしかしてこの紫の丸いやつ?
よく見たら峰田くんの頭と同じ形だ。
しかもその辺見渡したら沢山落ちていた。
「助けようとしてくれたんだね。ありがとう」
私はにっこり峰田くんに微笑んだ。
「て、天使だ…!!!天使のその胸でオイラを癒して…ぶへっ!!!」
「相澤先生!?」
何やら血走った目でこちらへ向かってきた峰田くんを相澤が捕縛した。
相当力が入っているようで、峰田くん苦しそうだけど大丈夫?
「峰田、今日はどれぐらいで取れそうなんだ」
峰田くんは言いにくそうに口を開いた。
「……半日ぐらい?ぐはっ!!!」
捕縛布に圧迫されてもがいている。
「…とにかく全員戻れ」
相澤先生の指示に従い、モニタールームに戻るとちゃっちゃと最後の講評を済ませて授業は終わった。
「あの~、これは峰田くんの個性ですよね?」
「ああ…あいつ曰は半日取れんらしい」
「ええ!?半日って、今もう17時ですよ!?」
演習が最終授業だったことが災いした。
半日となると朝方の5時に取れる計算になる。
だから相澤先生あんなに怒ってたんだ!
「どうしましょう……」
「俺も今考えてるところだ」
相澤先生は深い溜め息をついた。
