「なあ、俺にしとけよ」/SD 水戸洋平
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放課後、今日は少し図書室に用があったのでバスケ部の見学には行かなかった。
今から行っても中途半端な時間なので、一人で帰ろうと玄関に行くと、水戸くんが靴を出して履いているとこに遭遇した。
「水戸くん」
桜木軍団が周りに居ないのを確かめてから声をかけた。
「あ、名字さん」
「今から帰るの?」
「そ。今日はバイトだから」
「一緒に帰ってもいい?」
「俺はいいけど…」
少し困ったように眉を寄せる水戸くんに首を傾げた。
「えっと…誰かと帰る予定だった?」
「いや。よし、帰るか」
歩き出した水戸くんの隣に並んで歩いた。
「バイトって結構入ってるの?」
「んー。週によってまちまちかな。俺も稼ぎたいから人手足りない時はわりと詰めてる」
「そうなんだ」
いつもと同じ帰り道なのに、少しでも水戸くんと一緒に居ようと私の歩幅は狭くなった。
そんな私の歩幅に合わせて、水戸くんもゆっくり歩いてくれるのが嬉しかった。
「……」
「……」
会話が途切れて、せっかくだから水戸くんのことをもっと知りたいと次の質問を考えていると、彼の口が小さく開いた。
「あの噂……マジだぜ」
「え?」
「友達が話してたやつ」
血の気が引いた。
「ごめんなさい……。噂話なんてして」
「名字さん悪くないじゃん」
「でも、嫌な思いしたでしょ?」
「俺のこと庇ってくれてありがと。でも、本当のことだから」
「三井先輩を殴ったの?」
「うん」
「そっか…」
「それだけ?」
「え?うーん…なんか水戸くんが人を殴ってるところ想像できないというか…」
「ハハッ。初めて言われた」
そっか。
殴っちゃったんだ。
「でも三井先輩と今仲普通だよね?喧嘩両成敗的な感じだったんじゃない?」
「どうかな」
肩を竦める水戸くんに、私は一つの可能性を口にした。
「それは……私を遠ざけたくて言ってる?」
一緒に帰るの迷惑だったかな。
自然と足が止まってしまって、水戸くんも私に合わせて足を止めた。
「違う。そうじゃない。あー、何やってんだろ、俺」
水戸くんはグシャッと綺麗に纏っていた髪型を掴んだ。
「逆なんだよな。名字さんにもっと近づきたいけど、それならこの話はしておかないとって思って…」
「え…」
近づきたいって…。
私が思っていることを水戸くんも思ってくれてるってこと?
「分かってる。名字さんがミッチーに惹かれてるの。格好いいよな、今のミッチー」
水戸くんは私がまだ肯定していないのにツラツラと言葉を並べた。
「でもやっぱ今諦めるのは悔しいから。物理的距離は俺の方が近いと思うし。名字さんって優しいから、ミッチー殴った話しても嫌われないんじゃないかって打算も入ってる」
「もし俺がミッチーを殴ったことを許してくれて、まだミッチーへの想いが憧れの域に居るなら……」
「あの……水戸くん」
いつも(といってもそんなに彼のことを知っているほど一緒に居たわけではないが)冷静な水戸くんが焦っているように見えて、落ち着くように声を掛けたが届かなかった。
そうして、私の想いを勘違いしている彼は願うように私に言った。
「なあ、俺にしとけよ」
私は、どうやら水戸くんの心の中に入れてもらえているらしい。
「彼氏候補は俺にして」
恋愛経験値の低い私は、気になっている人からの告白に情けなくも消え入るような声で「はい…」と答えるしかできなかった。
しかし、それでも水戸くんが嬉しそうに笑ってくれたので、私もへらりと締まりの無い表情を返した。
後日、晴子ちゃんにバスケ部襲撃事件の真相を聞いて、やっぱり水戸くんは水戸くんだったと安心したのであった。
今から行っても中途半端な時間なので、一人で帰ろうと玄関に行くと、水戸くんが靴を出して履いているとこに遭遇した。
「水戸くん」
桜木軍団が周りに居ないのを確かめてから声をかけた。
「あ、名字さん」
「今から帰るの?」
「そ。今日はバイトだから」
「一緒に帰ってもいい?」
「俺はいいけど…」
少し困ったように眉を寄せる水戸くんに首を傾げた。
「えっと…誰かと帰る予定だった?」
「いや。よし、帰るか」
歩き出した水戸くんの隣に並んで歩いた。
「バイトって結構入ってるの?」
「んー。週によってまちまちかな。俺も稼ぎたいから人手足りない時はわりと詰めてる」
「そうなんだ」
いつもと同じ帰り道なのに、少しでも水戸くんと一緒に居ようと私の歩幅は狭くなった。
そんな私の歩幅に合わせて、水戸くんもゆっくり歩いてくれるのが嬉しかった。
「……」
「……」
会話が途切れて、せっかくだから水戸くんのことをもっと知りたいと次の質問を考えていると、彼の口が小さく開いた。
「あの噂……マジだぜ」
「え?」
「友達が話してたやつ」
血の気が引いた。
「ごめんなさい……。噂話なんてして」
「名字さん悪くないじゃん」
「でも、嫌な思いしたでしょ?」
「俺のこと庇ってくれてありがと。でも、本当のことだから」
「三井先輩を殴ったの?」
「うん」
「そっか…」
「それだけ?」
「え?うーん…なんか水戸くんが人を殴ってるところ想像できないというか…」
「ハハッ。初めて言われた」
そっか。
殴っちゃったんだ。
「でも三井先輩と今仲普通だよね?喧嘩両成敗的な感じだったんじゃない?」
「どうかな」
肩を竦める水戸くんに、私は一つの可能性を口にした。
「それは……私を遠ざけたくて言ってる?」
一緒に帰るの迷惑だったかな。
自然と足が止まってしまって、水戸くんも私に合わせて足を止めた。
「違う。そうじゃない。あー、何やってんだろ、俺」
水戸くんはグシャッと綺麗に纏っていた髪型を掴んだ。
「逆なんだよな。名字さんにもっと近づきたいけど、それならこの話はしておかないとって思って…」
「え…」
近づきたいって…。
私が思っていることを水戸くんも思ってくれてるってこと?
「分かってる。名字さんがミッチーに惹かれてるの。格好いいよな、今のミッチー」
水戸くんは私がまだ肯定していないのにツラツラと言葉を並べた。
「でもやっぱ今諦めるのは悔しいから。物理的距離は俺の方が近いと思うし。名字さんって優しいから、ミッチー殴った話しても嫌われないんじゃないかって打算も入ってる」
「もし俺がミッチーを殴ったことを許してくれて、まだミッチーへの想いが憧れの域に居るなら……」
「あの……水戸くん」
いつも(といってもそんなに彼のことを知っているほど一緒に居たわけではないが)冷静な水戸くんが焦っているように見えて、落ち着くように声を掛けたが届かなかった。
そうして、私の想いを勘違いしている彼は願うように私に言った。
「なあ、俺にしとけよ」
私は、どうやら水戸くんの心の中に入れてもらえているらしい。
「彼氏候補は俺にして」
恋愛経験値の低い私は、気になっている人からの告白に情けなくも消え入るような声で「はい…」と答えるしかできなかった。
しかし、それでも水戸くんが嬉しそうに笑ってくれたので、私もへらりと締まりの無い表情を返した。
後日、晴子ちゃんにバスケ部襲撃事件の真相を聞いて、やっぱり水戸くんは水戸くんだったと安心したのであった。
