【二章】あの子の秘密
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「いやぁぁああ!!!」
「イヤァァァ!!!!!」
構内を歩いていると、随分大きい白黒の物体が置かれてると思ったら、置かれているのではなく向かい側から歩いてきた。
あれなんだろう?という疑問から、それがパンダと認識できた瞬間には叫んでいた。
そして私の声に驚いたパンダが叫び声を上げた。
パンダってこんな人間みたいに叫ぶの!?
「ど、どうしようっ。死んだふり…?」
パンダって人間襲うのかな?
熊と同じ方法が効くのか分からないし、そもそも熊も死んだふりしない方が良いってテレビで見た気もする。
あわあわと焦った私は、とりあえず身体をゆっくり地面に横たえてみた。
「(お願い、早く向こう行って…!)」
結界張ってるって言ってたけど、呪霊以外は入ってきちゃうのか。
高専は山の中だし、パンダぐらい出るのかも(?)
祈りながら目をぎゅっと瞑り、身体を丸めて時が過ぎるのを待った。
「何大きな声出してんだよ、パンダ」
「パンダですみません」
ザッザッと人の足音が聞こえてきて、頭上から女性の声が降ってきた。
そして、信じられないことに、パンダが喋っている。
「あっ…。すみません…。本物のパンダと勘違いしてしまいました」
着ぐるみだったんですね。
そりゃそうか。普通野生のパンダなんて居ないもんね。
身体を起こして砂を払った。
「着ぐるみ…はちげぇな。中に人入ってねぇから」
「しゃけ」
「え、中に人が入ってない?」
どゆこと?と私は首を傾げると、そこに立っていた一番温厚そうな男の子が「呪骸ですよ」と教えてくれた。
「じゅがい?」
「おい、どーなってんだ。ここで働いてる奴だろ?呪骸知らねぇとかあんのかよ」
呆れたように女の子は持っていた長い柄の刀を肩に掛けた。か、刀?
銃刀法違反では?とかそういうのをツッコむ前に、彼女の言葉からここでも私が無知であることがわかった。
まあ、銃刀法違反で言えば七海さんの方がよっぽどか。
働き出してから、私が無知すぎて周囲を呆れさせてしまっている。
勉強しようと思ってるのだが、五条さんに止められたためしていない。
「環境に慣れて事務仕事覚えてからで良いよ」と言われたら、それもそうかなと思ってしまったのだ。
「ごめんね。呪骸についてはあとで調べとく」
「調べるほどのことでもねぇよ」
口調は悪いが、なんだかんだで面倒見のいい子なのか、呪骸について教えてくれた。
「へぇ…。すごい…。驚いちゃってごめんね、パンダくん」
「いいってことよ」
「新しい事務員さん?僕は乙骨憂太です」
「名字名前です」
「ちゃっかり自己紹介してんじゃねぇよ」
なんとなく乙骨くんからの流れで、全員の名前と二年生であることを教えてもらった。
「あっ。お前、悠仁が言ってた事務員か」
「こんぶ!」
「あ、わり。なんか年上って感じしねぇから」
どうやら、私のことを❝お前❞と言ったのを狗巻くんに咎められたようだ。
狗巻くんの語彙にツッコむべきか、真希ちゃん(苗字で呼ぶなと釘を刺された)の理解力にツッコむべきか、はたまたスルーすべきか。
「狗巻くんは呪言師で、自分の発した言葉で相手を呪ってしまうので語彙を絞ってるんです」
どうやら表情に出ていたらしい。
乙骨くんが代わりに答えてくれた。
そして色々情報が多い。
呪言師……また新しいワード。
「なるほど…」
しかしこれは狗巻くんが喋れない事情を説明しているだけで、真希ちゃんの理解力の説明にはなっていない。
「ツナマヨ」
「よろしく、だそうです」
「あっ。よろしくお願いします」
他にも真希ちゃんが手にしてる物は呪具であるとか、色々教えてもらった。
「皆に出会えて色々知れたよ。ありがとう」
「爪の先程の量にもなってねぇけどな」
スタートラインにすら立ててない、と言われているみたいで落ち込む。
「たかな」
「これからゆっくり覚えていけばいいってよ」
パンダくんに人の言葉を翻訳されるって…。
「狗巻くんのおにぎり語もマスターするから」
ちなみにすじこはあるのに王道の梅は無いの?と聞いたら今のところ使用予定はないと言われた。なんで。
「イヤァァァ!!!!!」
構内を歩いていると、随分大きい白黒の物体が置かれてると思ったら、置かれているのではなく向かい側から歩いてきた。
あれなんだろう?という疑問から、それがパンダと認識できた瞬間には叫んでいた。
そして私の声に驚いたパンダが叫び声を上げた。
パンダってこんな人間みたいに叫ぶの!?
「ど、どうしようっ。死んだふり…?」
パンダって人間襲うのかな?
熊と同じ方法が効くのか分からないし、そもそも熊も死んだふりしない方が良いってテレビで見た気もする。
あわあわと焦った私は、とりあえず身体をゆっくり地面に横たえてみた。
「(お願い、早く向こう行って…!)」
結界張ってるって言ってたけど、呪霊以外は入ってきちゃうのか。
高専は山の中だし、パンダぐらい出るのかも(?)
祈りながら目をぎゅっと瞑り、身体を丸めて時が過ぎるのを待った。
「何大きな声出してんだよ、パンダ」
「パンダですみません」
ザッザッと人の足音が聞こえてきて、頭上から女性の声が降ってきた。
そして、信じられないことに、パンダが喋っている。
「あっ…。すみません…。本物のパンダと勘違いしてしまいました」
着ぐるみだったんですね。
そりゃそうか。普通野生のパンダなんて居ないもんね。
身体を起こして砂を払った。
「着ぐるみ…はちげぇな。中に人入ってねぇから」
「しゃけ」
「え、中に人が入ってない?」
どゆこと?と私は首を傾げると、そこに立っていた一番温厚そうな男の子が「呪骸ですよ」と教えてくれた。
「じゅがい?」
「おい、どーなってんだ。ここで働いてる奴だろ?呪骸知らねぇとかあんのかよ」
呆れたように女の子は持っていた長い柄の刀を肩に掛けた。か、刀?
銃刀法違反では?とかそういうのをツッコむ前に、彼女の言葉からここでも私が無知であることがわかった。
まあ、銃刀法違反で言えば七海さんの方がよっぽどか。
働き出してから、私が無知すぎて周囲を呆れさせてしまっている。
勉強しようと思ってるのだが、五条さんに止められたためしていない。
「環境に慣れて事務仕事覚えてからで良いよ」と言われたら、それもそうかなと思ってしまったのだ。
「ごめんね。呪骸についてはあとで調べとく」
「調べるほどのことでもねぇよ」
口調は悪いが、なんだかんだで面倒見のいい子なのか、呪骸について教えてくれた。
「へぇ…。すごい…。驚いちゃってごめんね、パンダくん」
「いいってことよ」
「新しい事務員さん?僕は乙骨憂太です」
「名字名前です」
「ちゃっかり自己紹介してんじゃねぇよ」
なんとなく乙骨くんからの流れで、全員の名前と二年生であることを教えてもらった。
「あっ。お前、悠仁が言ってた事務員か」
「こんぶ!」
「あ、わり。なんか年上って感じしねぇから」
どうやら、私のことを❝お前❞と言ったのを狗巻くんに咎められたようだ。
狗巻くんの語彙にツッコむべきか、真希ちゃん(苗字で呼ぶなと釘を刺された)の理解力にツッコむべきか、はたまたスルーすべきか。
「狗巻くんは呪言師で、自分の発した言葉で相手を呪ってしまうので語彙を絞ってるんです」
どうやら表情に出ていたらしい。
乙骨くんが代わりに答えてくれた。
そして色々情報が多い。
呪言師……また新しいワード。
「なるほど…」
しかしこれは狗巻くんが喋れない事情を説明しているだけで、真希ちゃんの理解力の説明にはなっていない。
「ツナマヨ」
「よろしく、だそうです」
「あっ。よろしくお願いします」
他にも真希ちゃんが手にしてる物は呪具であるとか、色々教えてもらった。
「皆に出会えて色々知れたよ。ありがとう」
「爪の先程の量にもなってねぇけどな」
スタートラインにすら立ててない、と言われているみたいで落ち込む。
「たかな」
「これからゆっくり覚えていけばいいってよ」
パンダくんに人の言葉を翻訳されるって…。
「狗巻くんのおにぎり語もマスターするから」
ちなみにすじこはあるのに王道の梅は無いの?と聞いたら今のところ使用予定はないと言われた。なんで。
