【二章】あの子の秘密
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バタン。
私達の後ろで扉が閉まった。
私が勤め始めて数日経ったので、一旦面談しようと五条さんに声を掛けてもらいここに移動した。
「ここに座って」
横に長いソファーを指定されたのでそこに座ると、五条さんは隣に腰を下ろした。
面談って向かい合ってするものだと思っていた。
「ど?まだ数日だけど、心配で一ヶ月待てなかった」
学長には一ヶ月後に面談するように言われていたらしい。
早すぎでは?と思わず笑ってしまったが気にかけてくれてるのが嬉しい。
「事務仕事は今は何とかなってます。事務員が私しか居ないので、もっと補助監督さん達がやってる雑務を引き受けられたらと思ってます」
正確には❝事務員❞という肩書を持つものは他にも居るが、私と違って呪霊に関する専門的な事務をしている。
いわゆる一般社会では総務部が引き受けてるような仕事は補助監督さん達と分担している状況だったので、その辺を全部引き受けられたら。
「この間、倉庫の電球切れてるから伊地知さんの代わりに変えたら泣くほど感謝されました」
「そんなの伊地知にやらしとけばいいのに」
「五条さんは伊地知さんの扱いを見直すべきだと思います!」
伊地知さんが可哀想すぎる!と言えば、五条さんはツンと唇を前に出した。
「名前ちゃんは伊地知の味方なの?」
「私は五条さんが一番ですが、でも伊地知さんの仕事量多すぎるので、この件に限っては伊地知さんの味方です」
「前半部分だけもう一回」
「ふふ。私は五条さんが一番です」
呪霊に会わない生活を提供してくれた五条さんには感謝してもしきれない。
彼が私にとって何よりも優先すべき人であることは間違いない。
でもたった数日しか働いてないのに、伊地知さんの仕事量がおかしいことに気づくほど彼は多忙を極めていた。
「伊地知さんが居なくなったら五条さん困るでしょう?」
「そりゃあ、ね」
「そういえば、五条さんは最強なんですね?夏油さんが言ってました!」
「そう、最強なのよ、僕」
特に困っていることもないので、私から話題を変えてみた。
五条さんは気をよくしたのか、先程まで尖っていた唇は弧を描いていた。
「すごいですよね。目が見えないのにまるで見えているかのように歩いてますし」
「え?」
「え?」
一瞬の沈黙後、五条さんはケタケタ笑い出した。
「あ、もしかして僕、盲目だと思われてた?」
「え?違うんですか?」
目を隠してるからてっきり呪霊にやられたのかと思ってた。
「違うよ。普通に見えてる」
「そうだったんですか!」
私的には今日イチのビッグニュースだ。
五条さんは目が見えてる。
「見てみる?」
「はい。ぜひ」
素顔を拝見できるならぜひともしてみたい。
横を向いて彼が目隠しを上げるのを待った。
親指を引っ掛けて上に上げると、中からは青い瞳が現れた。
「きれー……」
吸い込まれそうな瞳の色に感激していると、五条さんは照れくさそうにソファーに手をついた。
「言われ慣れてるけど、そうまじまじと見られたら照れるね」
「あ、ごめんなさい。本当に綺麗なので。まつ毛も長いし羨ましい」
私みたいなザ・日本人からすると、羨望の限りだ。
「僕も名前ちゃんの目、好きだけどなぁ。日本人っぽくて」
特筆すべき点などない、至ってノーマルな目をまじまじと見られて、恥ずかしくなり目を逸らした。
「まじまじ見られたら照れちゃいます」
「でしょ?」
五条さんのおめめ鑑賞が終わったところで、背後の扉がガチャリと開いた。
「…………離れてください」
あ、七海さん何か誤解されているような。
五条さんはパッと立ち上がると、「僕、これから任務だから行くね。仕事で何かあったら相談して」と言い残して面談室を出ていった。
私はその背中に「ありがとうございます」と声を掛けた。
……結局面談といってもほとんど実がなかったな。
私達の後ろで扉が閉まった。
私が勤め始めて数日経ったので、一旦面談しようと五条さんに声を掛けてもらいここに移動した。
「ここに座って」
横に長いソファーを指定されたのでそこに座ると、五条さんは隣に腰を下ろした。
面談って向かい合ってするものだと思っていた。
「ど?まだ数日だけど、心配で一ヶ月待てなかった」
学長には一ヶ月後に面談するように言われていたらしい。
早すぎでは?と思わず笑ってしまったが気にかけてくれてるのが嬉しい。
「事務仕事は今は何とかなってます。事務員が私しか居ないので、もっと補助監督さん達がやってる雑務を引き受けられたらと思ってます」
正確には❝事務員❞という肩書を持つものは他にも居るが、私と違って呪霊に関する専門的な事務をしている。
いわゆる一般社会では総務部が引き受けてるような仕事は補助監督さん達と分担している状況だったので、その辺を全部引き受けられたら。
「この間、倉庫の電球切れてるから伊地知さんの代わりに変えたら泣くほど感謝されました」
「そんなの伊地知にやらしとけばいいのに」
「五条さんは伊地知さんの扱いを見直すべきだと思います!」
伊地知さんが可哀想すぎる!と言えば、五条さんはツンと唇を前に出した。
「名前ちゃんは伊地知の味方なの?」
「私は五条さんが一番ですが、でも伊地知さんの仕事量多すぎるので、この件に限っては伊地知さんの味方です」
「前半部分だけもう一回」
「ふふ。私は五条さんが一番です」
呪霊に会わない生活を提供してくれた五条さんには感謝してもしきれない。
彼が私にとって何よりも優先すべき人であることは間違いない。
でもたった数日しか働いてないのに、伊地知さんの仕事量がおかしいことに気づくほど彼は多忙を極めていた。
「伊地知さんが居なくなったら五条さん困るでしょう?」
「そりゃあ、ね」
「そういえば、五条さんは最強なんですね?夏油さんが言ってました!」
「そう、最強なのよ、僕」
特に困っていることもないので、私から話題を変えてみた。
五条さんは気をよくしたのか、先程まで尖っていた唇は弧を描いていた。
「すごいですよね。目が見えないのにまるで見えているかのように歩いてますし」
「え?」
「え?」
一瞬の沈黙後、五条さんはケタケタ笑い出した。
「あ、もしかして僕、盲目だと思われてた?」
「え?違うんですか?」
目を隠してるからてっきり呪霊にやられたのかと思ってた。
「違うよ。普通に見えてる」
「そうだったんですか!」
私的には今日イチのビッグニュースだ。
五条さんは目が見えてる。
「見てみる?」
「はい。ぜひ」
素顔を拝見できるならぜひともしてみたい。
横を向いて彼が目隠しを上げるのを待った。
親指を引っ掛けて上に上げると、中からは青い瞳が現れた。
「きれー……」
吸い込まれそうな瞳の色に感激していると、五条さんは照れくさそうにソファーに手をついた。
「言われ慣れてるけど、そうまじまじと見られたら照れるね」
「あ、ごめんなさい。本当に綺麗なので。まつ毛も長いし羨ましい」
私みたいなザ・日本人からすると、羨望の限りだ。
「僕も名前ちゃんの目、好きだけどなぁ。日本人っぽくて」
特筆すべき点などない、至ってノーマルな目をまじまじと見られて、恥ずかしくなり目を逸らした。
「まじまじ見られたら照れちゃいます」
「でしょ?」
五条さんのおめめ鑑賞が終わったところで、背後の扉がガチャリと開いた。
「…………離れてください」
あ、七海さん何か誤解されているような。
五条さんはパッと立ち上がると、「僕、これから任務だから行くね。仕事で何かあったら相談して」と言い残して面談室を出ていった。
私はその背中に「ありがとうございます」と声を掛けた。
……結局面談といってもほとんど実がなかったな。
