【三章】想い、想われ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
伊地知さんにこっそり虎杖くんとお出かけしたい旨を話したら口裏合わせに協力してくれた。
「車、出しましょうか?」
「いえいえ!私用で出してもらうのは申し訳ないので」
ましてや多忙を極める伊地知さんの時間を奪いたくない。
私は虎杖くんと待ち合わせしている場所まで急いだ。
一緒に外出するところを見られたら、色々突っ込まれそうなぐらいには私と虎杖くんのツーショットは珍しい。まあ、事務員と生徒だから当たり前か。
「お待たせ!」
時間をズラして高専を出たため、待たせてしまった。
「全然!こういう待つ時間もデートっぽいし」
ニッと笑みを浮かべる虎杖くんに、私は少し照れくささを感じだ。
デートなんていつ振りだろう。
「手、繋いでいい?」
虎杖くんはポリポリと頬を掻いた。
「ごめん!やっぱ調子乗りすぎ!?」
「ううん。繋ごう」
年下の男の子を手籠めにしてるような罪悪感がほんのり胸に宿るが、振り払って彼の手を取った。
「デートっぽい」
私がそう言うと、虎杖くんは安心したように息を吐いた。
「何する?」
映画?水族館?ゲーセン?
最近の高校生はどういうデートするんだろう?
疑問に思っていると、虎杖くんは「これとかどうかな?」と携帯の画面を見せてくれた。
「謎解き?」
「そう!ここら辺のエリア回っていく感じ」
「へー!面白そう!」
パンフレットを買って、そこに書かれている問題に答えていくために答えが書いてある観光名所間を移動するってことか。
謎解きしながら東京を回れる。
私達は開始位置である渋谷駅に移動した。
「おお・・・。大規模な感じなんだね」
薄い冊子を購入し、ざっと目を通したが、電車移動が結構ある。
「な。これ全部解けるかな?」
「頑張ってやってみよう!スマホ使用禁止だって」
ご丁寧に注意書きにそう書いてある。
「せっかくだから今日はスマホ無しで!」
「いい機会だからデジタルデトックスしよう」
私と虎杖くんは携帯を仕舞った。
「初っ端はこれ、ハチ公だよな」
「だね。この近くに・・・あれじゃない?」
同じ冊子を持った人が第一問のポイントを見つけたようで、探さずとも勝手に答えの場所が分かってしまったことが面白くなって二人で顔を見合わせて笑った。
「出鼻挫かれた感すごい」
「最初のポイントは皆固まっちゃうよね。すぐにばらけるよ」
私達も答えを書き込んで次に向かった。
*******************
名前さんはいい意味で年上を感じさせない人だった。
「あれ!?これ路線間違ってない!?」
「うわっ。本当だ」
スマホ使用禁止の縛りがあるので、俺達は路線図を見ながら移動しているのだが、改めてデジタルの利便性を実感している。
「いつも機械に頼りすぎているんだなって反省してる」
「分かる。自分ってこんなに馬鹿だった?ってなってる」
電車を乗り間違えたことに気付き、慌てて降りた俺達は再び路線図と電光掲示板とを往復した。
「ごめん。路線図間違える田舎モンで」
「それを言うなら年上なのに間違えてごめん」
せっかくリードしようと思ってたのに、東京の電車が複雑すぎて鼻っ柱をへし折られた気がした。
「いいじゃん。まだまだ時間あるしゆっくり行こう?」
同期の釘崎だったらこれでもかという程罵倒してくるだろう。
大らかな名前さんの笑顔が眩しく映った。
次々忙しなく到着する電車を見て、それもそうかと思い直した。
「あ、これじゃない?」
ホームに滑り込んできた電車を確認して、次こそ正しい電車に乗り込んだ。
「車、出しましょうか?」
「いえいえ!私用で出してもらうのは申し訳ないので」
ましてや多忙を極める伊地知さんの時間を奪いたくない。
私は虎杖くんと待ち合わせしている場所まで急いだ。
一緒に外出するところを見られたら、色々突っ込まれそうなぐらいには私と虎杖くんのツーショットは珍しい。まあ、事務員と生徒だから当たり前か。
「お待たせ!」
時間をズラして高専を出たため、待たせてしまった。
「全然!こういう待つ時間もデートっぽいし」
ニッと笑みを浮かべる虎杖くんに、私は少し照れくささを感じだ。
デートなんていつ振りだろう。
「手、繋いでいい?」
虎杖くんはポリポリと頬を掻いた。
「ごめん!やっぱ調子乗りすぎ!?」
「ううん。繋ごう」
年下の男の子を手籠めにしてるような罪悪感がほんのり胸に宿るが、振り払って彼の手を取った。
「デートっぽい」
私がそう言うと、虎杖くんは安心したように息を吐いた。
「何する?」
映画?水族館?ゲーセン?
最近の高校生はどういうデートするんだろう?
疑問に思っていると、虎杖くんは「これとかどうかな?」と携帯の画面を見せてくれた。
「謎解き?」
「そう!ここら辺のエリア回っていく感じ」
「へー!面白そう!」
パンフレットを買って、そこに書かれている問題に答えていくために答えが書いてある観光名所間を移動するってことか。
謎解きしながら東京を回れる。
私達は開始位置である渋谷駅に移動した。
「おお・・・。大規模な感じなんだね」
薄い冊子を購入し、ざっと目を通したが、電車移動が結構ある。
「な。これ全部解けるかな?」
「頑張ってやってみよう!スマホ使用禁止だって」
ご丁寧に注意書きにそう書いてある。
「せっかくだから今日はスマホ無しで!」
「いい機会だからデジタルデトックスしよう」
私と虎杖くんは携帯を仕舞った。
「初っ端はこれ、ハチ公だよな」
「だね。この近くに・・・あれじゃない?」
同じ冊子を持った人が第一問のポイントを見つけたようで、探さずとも勝手に答えの場所が分かってしまったことが面白くなって二人で顔を見合わせて笑った。
「出鼻挫かれた感すごい」
「最初のポイントは皆固まっちゃうよね。すぐにばらけるよ」
私達も答えを書き込んで次に向かった。
*******************
名前さんはいい意味で年上を感じさせない人だった。
「あれ!?これ路線間違ってない!?」
「うわっ。本当だ」
スマホ使用禁止の縛りがあるので、俺達は路線図を見ながら移動しているのだが、改めてデジタルの利便性を実感している。
「いつも機械に頼りすぎているんだなって反省してる」
「分かる。自分ってこんなに馬鹿だった?ってなってる」
電車を乗り間違えたことに気付き、慌てて降りた俺達は再び路線図と電光掲示板とを往復した。
「ごめん。路線図間違える田舎モンで」
「それを言うなら年上なのに間違えてごめん」
せっかくリードしようと思ってたのに、東京の電車が複雑すぎて鼻っ柱をへし折られた気がした。
「いいじゃん。まだまだ時間あるしゆっくり行こう?」
同期の釘崎だったらこれでもかという程罵倒してくるだろう。
大らかな名前さんの笑顔が眩しく映った。
次々忙しなく到着する電車を見て、それもそうかと思い直した。
「あ、これじゃない?」
ホームに滑り込んできた電車を確認して、次こそ正しい電車に乗り込んだ。
