【三章】想い、想われ
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※百合表現有
※家入硝子のセクシャリティ捏造
「あの…。硝子さん……」
「何?そんな深刻そうな顔して」
「女同士仲良くしよう」と言ってくれた硝子さんとはたまにお茶会を開くぐらいの仲になった。
しかし、貴重な治癒能力をもつ硝子さんはいつ駆り出されてもいいように、そして彼女自身を守るために基本行動は高専内に限られていた。
私も出不精のため、今日はちょっと特別に私の部屋でお泊まり会を開いてみた。
「硝子さんはパジャマ着ないんですか」
「適当な部屋着でそのまま寝る」
「パジャマで睡眠効果変わりますよ」
常に隈を作ってる硝子さんは短時間で質の良い睡眠を取るべきだと言ったら鼻で笑われてしまった。
「じゃあ名前のやつ貸して」
「ぜひぜひ」
硝子さんスタイルいいからズボン落ちちゃうかもだけど。
私は余ってるパジャマを硝子さんに渡した。
「ちょっ。ここで着替えるんですか!?」
「女同士で何言ってんの」
私が慌てたものだから「なんか着替えにくくなったわ」と言われて背を向けられてしまった。
チラッと見えた硝子さんは陶器のような真っ白い肌で、スタイル抜群だった。
私は出るとこ出てないのに、出なくていいところは出ているという悲劇。
ぷにっと摘める己の腹を恨めしく思った。
「もういいよ」
私のパジャマを着た硝子さんはテーブルの上でお酒の缶を開けた。
「最近は急患が多くて困るわ」
「お疲れ様です」
私も一つ開けて、硝子さんと乾杯した。
小一時間すれば、床には空になった缶がいくつか置かれた。
「やっぱさ、こういう女子会って……定番のアレやっとくべき?」
「定番のアレ?」
私が首を傾げると硝子さんの缶につけている口元がニヤリと笑った。
「恋バナ」
「えっ!?」
「もちろん名前のね」
「ええっ!?」
そう言われて咄嗟に頭に浮かんだのは七海さんと五条さんの顔で。
ある程度酔っていてよかった。
じゃないと、真っ赤な顔を隠せなかっただろうから。
「ま、まずは硝子さんの話聞かせてくださいよ!」
「私?面白くも何ともないよ」
「私の話こそ面白くないですよ!」
「嘘つけ、ネタ上がってるよ」
ネタってなんのネタ!?
七海さん、五条さんどっち!?とワタワタしていると硝子さんは微笑を浮かべた。
「仕方ない。前座に私の話でも聞かせてあげよう」
「え、ハードル上げないでください」
こうして、硝子さんは私の静止も聞かずに、自分の恋愛について話してくれた。
「えっ…。つまりそれって、セフ……レってやつでは…!?」
「凄い前のめりでくるね」
硝子さんは私が想像していた斜め上の恋愛をしていた。
恋愛…と言っていいのかわからない、大人な関係。
「そういうのってどういう順序でそうなるんですか!?」
「凄い食いつくし」
硝子さんはつまみを一つ口に入れた。
「別に、この業界の人間なら普通だと思うよ」
「ええっ!?なんで!?」
「私達は明日が突然来なくなっても不思議じゃないから」
硝子さんは悲しくも何ともない様子で、当たり前にそう言った。
「あ……」
「ね?」
身体だけの関係なんて虚しいだけ、なんて思った自分は偽善者のように感じた。
「でも名前はちゃんと恋愛しなね。そっちの方が向いてると思う」
「そう……でしょうか」
私もそうしたい。
一人の人を心の底から愛したい。
でも現実は…。
「何?次は名前の番だから気になることがあるなら話してみなよ」
守秘義務は守るよ、と硝子さんはおどけてみせた。
「実は……」
私は勇気を出して、これまでにあったことを硝子さんに話した。
「ふーん。これまた変な現象に巻き込まれたんだね」
話を聞き終わった硝子さんは特に驚くでもなく、顔色一つ変えなかった。
「七海さんとは不可抗力ですけど……。五条さんとは……」
端正な顔立ちが迫ってくるのを思い出して、私は顔を両手で覆った。
「別にいいじゃん?キスなんて減るもんじゃないし」
「そ、そんな軽い感じでいいんですか!?」
「いいも何も。私関係ないし」
「急に突き放してくる……」
「結局名前はさ、いい子ちゃんで居たいんだよ」
「え?」
❝いい子ちゃん❞と言われてドキリとした。
「一対一で恋愛することが正しくて、それ以外は邪道。自分が邪道に進むのがイヤなんだ。ううん、それより一番は、その邪道な道に居ることを周りに知られた時に軽蔑されるのが怖いんじゃない?」
硝子さんに言われて思い当たる節はあった。
だって、七海さんにキスされても、五条さんにキスされても、どっちも嫌じゃなかったから。
「自分で、自分が分からないんです……」
誰か一人と恋愛したいはずなのに。
私の心はあやふやで、不透明だった。
「しばらく考えるのやめて、その場その場で好きにしたら?」
「どういうこと……ですか?」
「私の見立てでは名前は女もイケる」
「えっ!?」
「自分で気づいてないだけかもしれないよ。嫌なら私の右手を握って。それならできるでしょ?」
硝子さんはそう言うと、私の隣に座り直した。
同じ女として完全に負けを認めるほど、色気がダダ漏れな彼女が今から何をしようとしているのか、七海さんと五条さんの件で予想がついた。
「ちょ、ちょっと待ってください!硝子さんは私とキスできるんですか!?」
「……ん?できる。ってか今名前としたい」
硝子さんってバイなんだ!
え、私って女性も恋愛対象に入るの!?
医者の硝子さんに指摘されたらそうなのか!?と医者は露ほど関係ないにも関わらず、脳内はしっちゃかめっちゃかだ。
迫りくる硝子さんの顔に、❝その場、その場で好きにしたら?❞と言われたことを思い出した。
「(今の私は……)」
視線をチラリと硝子さんの右手に移した。
その手は握らず、私は本当に女性を受け入れられるのかという自分への興味が勝ち、そのまま硝子さんのキスを受け入れた。
※家入硝子のセクシャリティ捏造
「あの…。硝子さん……」
「何?そんな深刻そうな顔して」
「女同士仲良くしよう」と言ってくれた硝子さんとはたまにお茶会を開くぐらいの仲になった。
しかし、貴重な治癒能力をもつ硝子さんはいつ駆り出されてもいいように、そして彼女自身を守るために基本行動は高専内に限られていた。
私も出不精のため、今日はちょっと特別に私の部屋でお泊まり会を開いてみた。
「硝子さんはパジャマ着ないんですか」
「適当な部屋着でそのまま寝る」
「パジャマで睡眠効果変わりますよ」
常に隈を作ってる硝子さんは短時間で質の良い睡眠を取るべきだと言ったら鼻で笑われてしまった。
「じゃあ名前のやつ貸して」
「ぜひぜひ」
硝子さんスタイルいいからズボン落ちちゃうかもだけど。
私は余ってるパジャマを硝子さんに渡した。
「ちょっ。ここで着替えるんですか!?」
「女同士で何言ってんの」
私が慌てたものだから「なんか着替えにくくなったわ」と言われて背を向けられてしまった。
チラッと見えた硝子さんは陶器のような真っ白い肌で、スタイル抜群だった。
私は出るとこ出てないのに、出なくていいところは出ているという悲劇。
ぷにっと摘める己の腹を恨めしく思った。
「もういいよ」
私のパジャマを着た硝子さんはテーブルの上でお酒の缶を開けた。
「最近は急患が多くて困るわ」
「お疲れ様です」
私も一つ開けて、硝子さんと乾杯した。
小一時間すれば、床には空になった缶がいくつか置かれた。
「やっぱさ、こういう女子会って……定番のアレやっとくべき?」
「定番のアレ?」
私が首を傾げると硝子さんの缶につけている口元がニヤリと笑った。
「恋バナ」
「えっ!?」
「もちろん名前のね」
「ええっ!?」
そう言われて咄嗟に頭に浮かんだのは七海さんと五条さんの顔で。
ある程度酔っていてよかった。
じゃないと、真っ赤な顔を隠せなかっただろうから。
「ま、まずは硝子さんの話聞かせてくださいよ!」
「私?面白くも何ともないよ」
「私の話こそ面白くないですよ!」
「嘘つけ、ネタ上がってるよ」
ネタってなんのネタ!?
七海さん、五条さんどっち!?とワタワタしていると硝子さんは微笑を浮かべた。
「仕方ない。前座に私の話でも聞かせてあげよう」
「え、ハードル上げないでください」
こうして、硝子さんは私の静止も聞かずに、自分の恋愛について話してくれた。
「えっ…。つまりそれって、セフ……レってやつでは…!?」
「凄い前のめりでくるね」
硝子さんは私が想像していた斜め上の恋愛をしていた。
恋愛…と言っていいのかわからない、大人な関係。
「そういうのってどういう順序でそうなるんですか!?」
「凄い食いつくし」
硝子さんはつまみを一つ口に入れた。
「別に、この業界の人間なら普通だと思うよ」
「ええっ!?なんで!?」
「私達は明日が突然来なくなっても不思議じゃないから」
硝子さんは悲しくも何ともない様子で、当たり前にそう言った。
「あ……」
「ね?」
身体だけの関係なんて虚しいだけ、なんて思った自分は偽善者のように感じた。
「でも名前はちゃんと恋愛しなね。そっちの方が向いてると思う」
「そう……でしょうか」
私もそうしたい。
一人の人を心の底から愛したい。
でも現実は…。
「何?次は名前の番だから気になることがあるなら話してみなよ」
守秘義務は守るよ、と硝子さんはおどけてみせた。
「実は……」
私は勇気を出して、これまでにあったことを硝子さんに話した。
「ふーん。これまた変な現象に巻き込まれたんだね」
話を聞き終わった硝子さんは特に驚くでもなく、顔色一つ変えなかった。
「七海さんとは不可抗力ですけど……。五条さんとは……」
端正な顔立ちが迫ってくるのを思い出して、私は顔を両手で覆った。
「別にいいじゃん?キスなんて減るもんじゃないし」
「そ、そんな軽い感じでいいんですか!?」
「いいも何も。私関係ないし」
「急に突き放してくる……」
「結局名前はさ、いい子ちゃんで居たいんだよ」
「え?」
❝いい子ちゃん❞と言われてドキリとした。
「一対一で恋愛することが正しくて、それ以外は邪道。自分が邪道に進むのがイヤなんだ。ううん、それより一番は、その邪道な道に居ることを周りに知られた時に軽蔑されるのが怖いんじゃない?」
硝子さんに言われて思い当たる節はあった。
だって、七海さんにキスされても、五条さんにキスされても、どっちも嫌じゃなかったから。
「自分で、自分が分からないんです……」
誰か一人と恋愛したいはずなのに。
私の心はあやふやで、不透明だった。
「しばらく考えるのやめて、その場その場で好きにしたら?」
「どういうこと……ですか?」
「私の見立てでは名前は女もイケる」
「えっ!?」
「自分で気づいてないだけかもしれないよ。嫌なら私の右手を握って。それならできるでしょ?」
硝子さんはそう言うと、私の隣に座り直した。
同じ女として完全に負けを認めるほど、色気がダダ漏れな彼女が今から何をしようとしているのか、七海さんと五条さんの件で予想がついた。
「ちょ、ちょっと待ってください!硝子さんは私とキスできるんですか!?」
「……ん?できる。ってか今名前としたい」
硝子さんってバイなんだ!
え、私って女性も恋愛対象に入るの!?
医者の硝子さんに指摘されたらそうなのか!?と医者は露ほど関係ないにも関わらず、脳内はしっちゃかめっちゃかだ。
迫りくる硝子さんの顔に、❝その場、その場で好きにしたら?❞と言われたことを思い出した。
「(今の私は……)」
視線をチラリと硝子さんの右手に移した。
その手は握らず、私は本当に女性を受け入れられるのかという自分への興味が勝ち、そのまま硝子さんのキスを受け入れた。
