【二章】あの子の秘密
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「私、呪霊に対してもっと理解を深めたいです」
「なぜ私に決意表明を?」
相変わらずここだけパリなのでは?と錯覚するような珈琲を啜って新聞を読む七海さんの背景は無機質な壁しかなかった。
「七海さんのお仕事を見学させてもらえませんか?」
私がそう言うと、七海さんは珈琲カップをソーサーに置いた。
「五条さんではなく、なぜ私に?」
「五条さんには軽くあしらわれたので…」
五条さんに頼んでみたけど「事務員の仕事に関係ないから行かなくていい」の一点張りだった。
「❝名前ちゃんは美味しいお茶淹れてくれたらいいよ❞って…。お茶汲みの仕事は嫌いじゃないけど、もっと呪霊や呪術に対して理解を深められたらできる仕事の幅も広がるなぁって…」
もう、ここに来て一ヶ月ほど経ち、雑用だけでは時間を持て余すようになってきた。
正直、他の人に使えないって言われたことだって本音の部分では気にしてる。
このまま雑用だけしてても、ダメな気がしてきた。
呪霊は大嫌いで、避けれるものなら避けたい。
その考えは変わらないけど、今のままじゃダメだと自分に発破を掛ける。
「嫌いなものを避け続けるだけじゃダメなんです。克服しないと」
目の前の七海さんは眉間に皺が寄っていた。
「ですが五条さんから許可が下りないことには私が連れて行くのは…」
「遠くの方から見てるだけでもだめですか?」
渋る七海さんを見て、私は肩を落とした。
「無理を言ってごめんなさい…」
頭を下げて部屋を出ようとしたとき、七海さんから「待ってください」と引き留められた。
********************
(七海視点)
呪霊嫌いと聞いていたので、こちらから話すことはなかったのだが。
真面目な彼女が、ここで働く以上はもっと知識を得たいと思うのは自然のことのように思えた。
まずは座学から始めればいいのに、と思ったがもしかしたら独学でやっているかもしれない。
もしくは生徒と親交を深めている今、生徒から習っている可能性もある。
自分の呪霊退治を見学するのは個人的には構わないが、五条さんが脳裏にチラついた。
勝手なことをするなと言われそうだ。
ましてや一度断られているならなおさら私が連れ出すのはよくないだろう。
しかし、部屋を出ようとする名前さんの背中見て、その足で次の呪術師の元へ向かうのでは…という可能性が浮かんだ。
それこそ親交を深めている生徒の元へ。
生徒によっては一人で任務に当たっている者もいる。
名前さんのことをよく知らないが故に、その場の流れで了承してしまうことも予見できた。
このまま目を離して誰か別の呪術師についていってしまうぐらいなら、私の元で見学させてやる方がいい気がした。
「私の指示に従ってくれるのなら…同行させましょう」
「いいんですか!?ありがとうございます」
できれば、安心できる七海さんが良かったんです、と恥ずかしそうにはにかむ名前さんに胸のあたりが擽ったくなった。
そして、やはり別の呪術師に頼むつもりだったのだな、と自分の予測が当たっていたことに安堵した。
「なぜ私に決意表明を?」
相変わらずここだけパリなのでは?と錯覚するような珈琲を啜って新聞を読む七海さんの背景は無機質な壁しかなかった。
「七海さんのお仕事を見学させてもらえませんか?」
私がそう言うと、七海さんは珈琲カップをソーサーに置いた。
「五条さんではなく、なぜ私に?」
「五条さんには軽くあしらわれたので…」
五条さんに頼んでみたけど「事務員の仕事に関係ないから行かなくていい」の一点張りだった。
「❝名前ちゃんは美味しいお茶淹れてくれたらいいよ❞って…。お茶汲みの仕事は嫌いじゃないけど、もっと呪霊や呪術に対して理解を深められたらできる仕事の幅も広がるなぁって…」
もう、ここに来て一ヶ月ほど経ち、雑用だけでは時間を持て余すようになってきた。
正直、他の人に使えないって言われたことだって本音の部分では気にしてる。
このまま雑用だけしてても、ダメな気がしてきた。
呪霊は大嫌いで、避けれるものなら避けたい。
その考えは変わらないけど、今のままじゃダメだと自分に発破を掛ける。
「嫌いなものを避け続けるだけじゃダメなんです。克服しないと」
目の前の七海さんは眉間に皺が寄っていた。
「ですが五条さんから許可が下りないことには私が連れて行くのは…」
「遠くの方から見てるだけでもだめですか?」
渋る七海さんを見て、私は肩を落とした。
「無理を言ってごめんなさい…」
頭を下げて部屋を出ようとしたとき、七海さんから「待ってください」と引き留められた。
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(七海視点)
呪霊嫌いと聞いていたので、こちらから話すことはなかったのだが。
真面目な彼女が、ここで働く以上はもっと知識を得たいと思うのは自然のことのように思えた。
まずは座学から始めればいいのに、と思ったがもしかしたら独学でやっているかもしれない。
もしくは生徒と親交を深めている今、生徒から習っている可能性もある。
自分の呪霊退治を見学するのは個人的には構わないが、五条さんが脳裏にチラついた。
勝手なことをするなと言われそうだ。
ましてや一度断られているならなおさら私が連れ出すのはよくないだろう。
しかし、部屋を出ようとする名前さんの背中見て、その足で次の呪術師の元へ向かうのでは…という可能性が浮かんだ。
それこそ親交を深めている生徒の元へ。
生徒によっては一人で任務に当たっている者もいる。
名前さんのことをよく知らないが故に、その場の流れで了承してしまうことも予見できた。
このまま目を離して誰か別の呪術師についていってしまうぐらいなら、私の元で見学させてやる方がいい気がした。
「私の指示に従ってくれるのなら…同行させましょう」
「いいんですか!?ありがとうございます」
できれば、安心できる七海さんが良かったんです、と恥ずかしそうにはにかむ名前さんに胸のあたりが擽ったくなった。
そして、やはり別の呪術師に頼むつもりだったのだな、と自分の予測が当たっていたことに安堵した。
