【一章】最強の男のお気に入り
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「ねーねー、やっぱここにさ花が欲しいと思わない?」
「はあ…」
補助監督と事務員が在籍する事務室に入ってきてはいきなりそんなことを言い出したのは、白い髪、青い眼、そして今にもドアに頭をぶつけそうなほどの高身長…他にも特筆すべきトレードマークが多すぎる五条さん。
「七海もそう思わない?」
なぜ、私に話を振る…。
「おっ!傑もちょうどいいところに」
「うーん…。私にとってはあまりいいタイミングではなかったかもしれないね」
そう言いながらも、同じく特級の称号を得ている夏油さんは部屋に入っていた。
「ここにさ、花が欲しいと思って!」
「花?まあ…確かに窓際に置けば華やぐかもしれないが、世話が大変だろう」
ただでさえ忙しい補助監督や事務員に、さらに業務負担を増やすことになる。
「違う違う!人だよ人!」
「人?」
「こうさぁー、帰ってきた時に『おかえりなさい(きゅるん)』って出迎えてくれる花!」
五条さんの言いたいことが分かり、私はわかりやすくため息を吐いた。
「そのためだけに女性を雇うというのは時代の流れに逆行しているかと思います」
女性蔑視に繋がる発言は控えてください、と嗜めると五条さんは肩を竦めた。
「第一、今いる補助監督や呪術師の皆だって君のこと労ってくれるだろう?」
「違うんだよなぁ」
夏油さんはみなまで言わずとも、その言葉には❝女性の❞が含まれていた。
「なんかさぁ…ここにいる女の子達ってみんな心身共に強くて自立してるじゃん?いや、すごくいいことなんだよ!みんな超魅力的!でもやっぱ、仕事のことを忘れるのは無理でしょ?」
四六時中、呪霊のことを考えているわけではないが、やはり見えてしまい特殊な環境であるからか、仕事に脳内を支配されがちなのは頷ける。
「仕事忘れられるぐらい、一般人な子がいいんだよ!」
いや、貴方のタイプは聞いてないし、ここの事務員にするなら呪霊が見えていることが前提なのだから今彼が言っている❝一般人❞とは程遠くなるだろう。
私が口を開く前に、熱弁する彼の同期が口を挟んだ。
「居るんだね?そういう子が」
それは私が予想していた言葉とは違った。
切れ長な目を細めて、口元は僅かに弧を描いていた。
「ちょうど事務員この間辞めたじゃん?人員補充に……ね?」
彼は突然鳴り響いたスマホの画面をこちらに向けた。
そこには❝名字名前❞という私の知らない名前が表示されていた。
「誰ですか?」
「窓の子」
窓…?なぜ窓と五条さんが直接連絡を取るのか。
確かに呪術師が直接連絡を取るケースもなくはないが、基本的には補助監督が主であるし、ましてや特級の彼と直接連絡取る窓など聞いたことがない。
五条さんは通話ボタンを押し、スピーカーにした。
「どうしたの?また出た?」
『で、でました!!おっきいのが!』
「ふふっ。そう、おっきいのが出たんだね」
『あっ!五条さん疑ってますね!』
「前回もそう言って、結局クソ雑魚呪霊だったじゃん〜」
『うっ…。だって…私には等級なんてわからないから……』
「で、今回は?」
『なんか強そうです!アレに似てます!蛾!!』
「今暇だから行くよ〜。場所どこ?」
『ええっと…』
スピーカー越しに聞こえる女性の声は切羽詰まっているのに対して、五条さんはクツクツと笑っていた。
場所を聞いた五条さんは携帯を仕舞い、私と夏油さんにヒラヒラと手を振った。
「そんな適当で大丈夫なんですか?第一、彼女、ちゃんとした窓なんですか?」
「高専が雇ってるわけじゃないから、❝ちゃんとした❞窓ではないかな。僕専用の窓」
「それ、問題じゃないですか。窓の仕事してるならきちんと報酬を支払わなければ…」
「むしろ払ってこようとするんだよねぇ」
❝ゴキブリ退治代❞
一瞬何を言っているのかわからず反応に遅れた間に、五条さんは姿を消していた。
「はあ…」
補助監督と事務員が在籍する事務室に入ってきてはいきなりそんなことを言い出したのは、白い髪、青い眼、そして今にもドアに頭をぶつけそうなほどの高身長…他にも特筆すべきトレードマークが多すぎる五条さん。
「七海もそう思わない?」
なぜ、私に話を振る…。
「おっ!傑もちょうどいいところに」
「うーん…。私にとってはあまりいいタイミングではなかったかもしれないね」
そう言いながらも、同じく特級の称号を得ている夏油さんは部屋に入っていた。
「ここにさ、花が欲しいと思って!」
「花?まあ…確かに窓際に置けば華やぐかもしれないが、世話が大変だろう」
ただでさえ忙しい補助監督や事務員に、さらに業務負担を増やすことになる。
「違う違う!人だよ人!」
「人?」
「こうさぁー、帰ってきた時に『おかえりなさい(きゅるん)』って出迎えてくれる花!」
五条さんの言いたいことが分かり、私はわかりやすくため息を吐いた。
「そのためだけに女性を雇うというのは時代の流れに逆行しているかと思います」
女性蔑視に繋がる発言は控えてください、と嗜めると五条さんは肩を竦めた。
「第一、今いる補助監督や呪術師の皆だって君のこと労ってくれるだろう?」
「違うんだよなぁ」
夏油さんはみなまで言わずとも、その言葉には❝女性の❞が含まれていた。
「なんかさぁ…ここにいる女の子達ってみんな心身共に強くて自立してるじゃん?いや、すごくいいことなんだよ!みんな超魅力的!でもやっぱ、仕事のことを忘れるのは無理でしょ?」
四六時中、呪霊のことを考えているわけではないが、やはり見えてしまい特殊な環境であるからか、仕事に脳内を支配されがちなのは頷ける。
「仕事忘れられるぐらい、一般人な子がいいんだよ!」
いや、貴方のタイプは聞いてないし、ここの事務員にするなら呪霊が見えていることが前提なのだから今彼が言っている❝一般人❞とは程遠くなるだろう。
私が口を開く前に、熱弁する彼の同期が口を挟んだ。
「居るんだね?そういう子が」
それは私が予想していた言葉とは違った。
切れ長な目を細めて、口元は僅かに弧を描いていた。
「ちょうど事務員この間辞めたじゃん?人員補充に……ね?」
彼は突然鳴り響いたスマホの画面をこちらに向けた。
そこには❝名字名前❞という私の知らない名前が表示されていた。
「誰ですか?」
「窓の子」
窓…?なぜ窓と五条さんが直接連絡を取るのか。
確かに呪術師が直接連絡を取るケースもなくはないが、基本的には補助監督が主であるし、ましてや特級の彼と直接連絡取る窓など聞いたことがない。
五条さんは通話ボタンを押し、スピーカーにした。
「どうしたの?また出た?」
『で、でました!!おっきいのが!』
「ふふっ。そう、おっきいのが出たんだね」
『あっ!五条さん疑ってますね!』
「前回もそう言って、結局クソ雑魚呪霊だったじゃん〜」
『うっ…。だって…私には等級なんてわからないから……』
「で、今回は?」
『なんか強そうです!アレに似てます!蛾!!』
「今暇だから行くよ〜。場所どこ?」
『ええっと…』
スピーカー越しに聞こえる女性の声は切羽詰まっているのに対して、五条さんはクツクツと笑っていた。
場所を聞いた五条さんは携帯を仕舞い、私と夏油さんにヒラヒラと手を振った。
「そんな適当で大丈夫なんですか?第一、彼女、ちゃんとした窓なんですか?」
「高専が雇ってるわけじゃないから、❝ちゃんとした❞窓ではないかな。僕専用の窓」
「それ、問題じゃないですか。窓の仕事してるならきちんと報酬を支払わなければ…」
「むしろ払ってこようとするんだよねぇ」
❝ゴキブリ退治代❞
一瞬何を言っているのかわからず反応に遅れた間に、五条さんは姿を消していた。
