今も未来も/土井
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思わぬタイミングでの土井先生の登場に、私は焦った。
「あの、これは・・・」
慌てて涙を拭いて立ち上がったが、急に行動したせいで立ち眩みに襲われた。
「危ないっ」
ぐらぐらする私の身体を支えてくれた土井先生は、ゆっくり座るように促した。
「すみません・・・」
「謝るのは私の方だ」
「え?」
土井先生の目はさっきの取り繕った優しさではなく、本物の温かさが滲み出ていた。
私がよく知る土井先生だ。
「くだらない嫉妬で、名前さんを傷つけてしまった」
「そんな…!」
私は首を横に振った。
「私が無神経なばっかりに土井先生に不快な思いをさせてしまったんです」
土井先生は指を伸ばして、親指で涙を拭ってくれた。
「楽しみだったんだ、私も」
あの日、名前さんと出掛けるの、そう言われて私だけ小松田さんと出掛けてしまったことを再び申し訳なく思った。
「私も土井先生とお出掛けしたかったです。ずっとどこに行こうか考えてたから…」
「うん。小松田くんに聞いたよ。お団子も買ってきてくれてたのにごめん…」
「あ…。部屋に置きっぱなしにしてた…」
もうきっと固くなっちゃってるよね。
こっちは保存料なんて入ってないから全部無添加。その分足も早い。
「よかったら、今から部屋に食べに行ってもいいかな?」
「え?でも…」
にこりと笑う土井先生に手を引かれて、私は学園に戻った。
机に置いていたお団子の包みを開けた。
「カビは生えてないけど…」
一本ずつ丁寧に確認したが、見た目的には大丈夫そうだ。
「でも、やっぱり固くなっちゃってます」
食べられないことはないが、これならスーパーで特売時三本セット百円以下で売ってる安いお団子の方が美味しいと思う。
「いいんだ、それを食べたい」
部屋に寄る前に食堂で淹れたお茶を置いて、土井先生はお団子を一本手に取った。
「うん、美味しいよ」
「え、本当に…?」
私も一本取って一つ口に入れた。
やっぱり昨日小松田さんと一緒に食べたときより格段に味は落ちていた。
固くなったお団子をもきゅもきゅと咀嚼した。
「名前さんと一緒に食べてるから、美味しい」
嬉しそうに微笑む土井先生に、私の頬も緩んだ。
「はい……美味しいです」
前言撤回。
固くなったお団子がとても美味しく感じた。
しかし、お団子を一本食べ終えると、きゅうっと胃が痛くなり、思わず小袖の合わせを握った。
「大丈夫?」
「すみません。最近、胃の調子が悪くて…」
「もしかしたら、ストレスなんじゃ…」
眉を寄せて、自分のせいだと責める土井先生に私は慌てて否定した。
「土井先生のせいじゃないです!私の心が未熟だから…」
「……」
土井先生はそっと私の鳩尾に手を当てて擦ってくれた。
「早くよくなりますように」
彼は懐からいつも持ち歩いている胃薬を出して、私に渡した。
「これ、飲んで」
「でも…土井先生の貴重な胃薬を貰うなんて」
薬草なので無限供給できるわけじゃない。
薬草が取れない時は欠品することもある。
土井先生のために置いておくべきだと思ったが、頑なに譲らなかった。
「ありがとうございます」
私はありがたく頂いて、それを飲んだ。
「うう…苦い…」
口内に何とも言えない苦味が広がった。
「あの、これは・・・」
慌てて涙を拭いて立ち上がったが、急に行動したせいで立ち眩みに襲われた。
「危ないっ」
ぐらぐらする私の身体を支えてくれた土井先生は、ゆっくり座るように促した。
「すみません・・・」
「謝るのは私の方だ」
「え?」
土井先生の目はさっきの取り繕った優しさではなく、本物の温かさが滲み出ていた。
私がよく知る土井先生だ。
「くだらない嫉妬で、名前さんを傷つけてしまった」
「そんな…!」
私は首を横に振った。
「私が無神経なばっかりに土井先生に不快な思いをさせてしまったんです」
土井先生は指を伸ばして、親指で涙を拭ってくれた。
「楽しみだったんだ、私も」
あの日、名前さんと出掛けるの、そう言われて私だけ小松田さんと出掛けてしまったことを再び申し訳なく思った。
「私も土井先生とお出掛けしたかったです。ずっとどこに行こうか考えてたから…」
「うん。小松田くんに聞いたよ。お団子も買ってきてくれてたのにごめん…」
「あ…。部屋に置きっぱなしにしてた…」
もうきっと固くなっちゃってるよね。
こっちは保存料なんて入ってないから全部無添加。その分足も早い。
「よかったら、今から部屋に食べに行ってもいいかな?」
「え?でも…」
にこりと笑う土井先生に手を引かれて、私は学園に戻った。
机に置いていたお団子の包みを開けた。
「カビは生えてないけど…」
一本ずつ丁寧に確認したが、見た目的には大丈夫そうだ。
「でも、やっぱり固くなっちゃってます」
食べられないことはないが、これならスーパーで特売時三本セット百円以下で売ってる安いお団子の方が美味しいと思う。
「いいんだ、それを食べたい」
部屋に寄る前に食堂で淹れたお茶を置いて、土井先生はお団子を一本手に取った。
「うん、美味しいよ」
「え、本当に…?」
私も一本取って一つ口に入れた。
やっぱり昨日小松田さんと一緒に食べたときより格段に味は落ちていた。
固くなったお団子をもきゅもきゅと咀嚼した。
「名前さんと一緒に食べてるから、美味しい」
嬉しそうに微笑む土井先生に、私の頬も緩んだ。
「はい……美味しいです」
前言撤回。
固くなったお団子がとても美味しく感じた。
しかし、お団子を一本食べ終えると、きゅうっと胃が痛くなり、思わず小袖の合わせを握った。
「大丈夫?」
「すみません。最近、胃の調子が悪くて…」
「もしかしたら、ストレスなんじゃ…」
眉を寄せて、自分のせいだと責める土井先生に私は慌てて否定した。
「土井先生のせいじゃないです!私の心が未熟だから…」
「……」
土井先生はそっと私の鳩尾に手を当てて擦ってくれた。
「早くよくなりますように」
彼は懐からいつも持ち歩いている胃薬を出して、私に渡した。
「これ、飲んで」
「でも…土井先生の貴重な胃薬を貰うなんて」
薬草なので無限供給できるわけじゃない。
薬草が取れない時は欠品することもある。
土井先生のために置いておくべきだと思ったが、頑なに譲らなかった。
「ありがとうございます」
私はありがたく頂いて、それを飲んだ。
「うう…苦い…」
口内に何とも言えない苦味が広がった。
