今も未来も/土井
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頼まれて後回しにしていた学園長の思いつきや、は組の補習プリントの作成、その他諸々…。
今抱えている仕事のほとんどを捌いた頃には日が暮れかけていた。
だが、きり丸のアルバイトを断ったおかげもあり、溜め込んでいた仕事を大方処理できた。
「あのー…土井先生いますか?」
ひょっこり障子から首を覗かせたのは小松田くんだった。
「どうしたんだい?」
「あのぉ…ちょっと言いづらいんですけど…」
左右の廊下を見渡して誰も居ないことを確認すると入ってきて障子を後ろ手で閉めた。
「土井先生って……名前ちゃんと別れる気なんですか?」
「え!?」
驚いた拍子に筆が床に転がり落ちた。
「そんなつもりはないけど…どうして?」
「んー…名前ちゃんはそう思ってますよ」
「別れるつもりなのか!?」
まさか、私と別れて小松田くんと付き合うつもりなのか!?
机から身を乗り出すと、小松田くんは首を振った。
「そうじゃなくて。土井先生、名前ちゃんを避けてますよね?自然消滅させようとしてるんじゃないかって」
「まさか!」
早く仕事を終わらせるために急いでいたことが裏目に出てしまった。
避けられてると誤解させてしまうとは。
「あ、昨日のお団子食べましたか?」
「お団子?」
あのときは冷静じゃなくてさっさと部屋を出てしまったが、そういえばそんなことを言っていたような…。
「はい。僕とお団子食べてるときも❝土井先生と食べたかった❞って言って、部屋で一緒に食べるためにお土産買ってましたよ!」
後悔先に立たず。
名前さんは私のことを考えてくれていたのに。
私は疲れと嫉妬で彼女の気持ちを踏みにじってしまった。
「名前ちゃん、昨日土井先生と一緒に出掛けるの、とっても楽しみにしてて。ずっと計画立ててたんです」
だから昨日はすごく悲しかったと思います、と小松田くんに言われて、一時の感情で動いた自分を責めた。
「ごめん。名前さん探してくる」
「名前ちゃんなら、裏山の大きな木の下にいると思います!」
「ありがとう」
「あ、僕が代わりに仕事しておきましょうか?」
「それはいい!!」
小松田くんの厚意を丁重にお断りして、私は名前さんを探しに走った。
***********************
私は茂みの中に隠れて、誰にも見つからないように縮こまって泣いた。
「…ぐずっ」
鼻を啜る音が聞こえないように膝に顔を埋めた。
「ティッシュほしい…」
ポケットティッシュなんて便利なものない。
時々こうやって不便さに嘆きつつ。
顔を埋めた膝の小袖が濡れた。
顔を埋めていたので、突然、肩をトントンと叩かれて驚いて飛び起きた。
「え!?」
「名前さん…」
私の目の前には土井先生が立っていた。
今抱えている仕事のほとんどを捌いた頃には日が暮れかけていた。
だが、きり丸のアルバイトを断ったおかげもあり、溜め込んでいた仕事を大方処理できた。
「あのー…土井先生いますか?」
ひょっこり障子から首を覗かせたのは小松田くんだった。
「どうしたんだい?」
「あのぉ…ちょっと言いづらいんですけど…」
左右の廊下を見渡して誰も居ないことを確認すると入ってきて障子を後ろ手で閉めた。
「土井先生って……名前ちゃんと別れる気なんですか?」
「え!?」
驚いた拍子に筆が床に転がり落ちた。
「そんなつもりはないけど…どうして?」
「んー…名前ちゃんはそう思ってますよ」
「別れるつもりなのか!?」
まさか、私と別れて小松田くんと付き合うつもりなのか!?
机から身を乗り出すと、小松田くんは首を振った。
「そうじゃなくて。土井先生、名前ちゃんを避けてますよね?自然消滅させようとしてるんじゃないかって」
「まさか!」
早く仕事を終わらせるために急いでいたことが裏目に出てしまった。
避けられてると誤解させてしまうとは。
「あ、昨日のお団子食べましたか?」
「お団子?」
あのときは冷静じゃなくてさっさと部屋を出てしまったが、そういえばそんなことを言っていたような…。
「はい。僕とお団子食べてるときも❝土井先生と食べたかった❞って言って、部屋で一緒に食べるためにお土産買ってましたよ!」
後悔先に立たず。
名前さんは私のことを考えてくれていたのに。
私は疲れと嫉妬で彼女の気持ちを踏みにじってしまった。
「名前ちゃん、昨日土井先生と一緒に出掛けるの、とっても楽しみにしてて。ずっと計画立ててたんです」
だから昨日はすごく悲しかったと思います、と小松田くんに言われて、一時の感情で動いた自分を責めた。
「ごめん。名前さん探してくる」
「名前ちゃんなら、裏山の大きな木の下にいると思います!」
「ありがとう」
「あ、僕が代わりに仕事しておきましょうか?」
「それはいい!!」
小松田くんの厚意を丁重にお断りして、私は名前さんを探しに走った。
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私は茂みの中に隠れて、誰にも見つからないように縮こまって泣いた。
「…ぐずっ」
鼻を啜る音が聞こえないように膝に顔を埋めた。
「ティッシュほしい…」
ポケットティッシュなんて便利なものない。
時々こうやって不便さに嘆きつつ。
顔を埋めた膝の小袖が濡れた。
顔を埋めていたので、突然、肩をトントンと叩かれて驚いて飛び起きた。
「え!?」
「名前さん…」
私の目の前には土井先生が立っていた。
