今も未来も/土井
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「予定…空いちゃったな」
私はこれからどうしようかと悩んでいた。
デートは流れてしまい、でもせっかくの晴天。
気持ちは町に向いていた。
「名前ちゃん、大丈夫?」
門からひょっこり顔を出したのは小松田さんだ。
「うん、約束だめになっちゃった」
「土井先生、忙しいもんね…」
小松田さんは学園長の庵の方に顔を向けた。
「そうだ!せっかく計画考えたし、僕が一緒に行こうか?」
「小松田さんが?」
「一通り仕事終わったから!僕も町で甘いもの食べたいと思ってたんだ〜」
にこにこと笑う小松田さんに一瞬悩んだ。
このデート計画は土井先生とのために作ったものだったから。
でも小松田さんも一緒に考えてくれたから、彼の計画でもある。
それにこのまま一人で過ごしていたら、土井先生のことを考えて寂しくなってしまいそうだった。
「うん、行きたい」
ずっとデートのことを考えて、甘味を食べる口になっていたのだ。
小松田さんは「ちょっと待ってて!」と事務員の制服を着替えに行った。
今日の感想を一言で述べると楽しかった。それに尽きる。
気の置けない友人と過ごす休暇はそれはそれでいいものだ。
二人でお出かけしたのだから、もう同僚ではなく友人と言ってもいいのではないか、と私は思っている。
ただ、やはりどれだけ小松田さんと一緒に楽しい時間を過ごしても、時折土井先生を思い出しては「このお団子土井先生と食べたかったな」なんて考えてしまっていた。
だからお団子をお土産に持って帰って来た。
「今日はありがとう。じゃあまた明日」
「うん。おやすみ~」
私は小松田さんと別れると、自分の部屋に戻った。
部屋の前を通った時、障子は開けっ放しになっていて、誰も居なかった。ちらっと覗いたが、土井先生が帰ってきている様子は無かった。
そして夜になり、湯浴みも終わり、あとは寝るだけになってしまった。
お団子どうしようかな・・・。
明日までもつかな・・・?
真夏じゃないから大丈夫だとは思うけど。
机の上に置いたお団子に目を向けながら布団を敷いた。
すると、廊下からこちらに向かって歩く音が聞こえる。
「(もしかして・・・)」
期待通り、そのシルエットは私の部屋の前で止まった。
「土井先生・・・!」
私は急いで障子を引いた。
「ただいま。結局こんな時間になってしまったよ」
「どうぞ、入ってください」
「でも・・・」
忍装束のままの彼は汚れを気にしているが、私はそんなこと気にならなかった。
「ちょっとだけ」
私が手を引くと、土井先生は左右に目を向け誰も居ないことを確認してから中へ入った。
「お疲れさまでした」
「今日は本当にごめん」
「そんな!土井先生が悪いわけじゃないですから」
次の機会を楽しみにしています、と言えば土井先生は安心したように息を吐いた。
「ところで、今日は何をして過ごしたんだい?」
「あ、小松田さんと町に行って来たんです!土井先生にお団子買ってきました」
「小松田くんと・・・?」
私は机に置いていたお団子の包を取って、土井先生に渡そうと振り返った。
すると、さっきまで優し気な表情だった土井先生は、眉間に皺を寄せていた。
「はあ・・・」
彼の口から出たのは溜息で。
瞬時に小松田さんと出かけたのを良く思っていないのだと察した。
「あの、ごめんなさい」
「何が?」
「小松田さんだからいいと思ったけど、でもやっぱり男性と二人で出かけるのは良くなかったです・・・」
考えが浅かった。
逆の立場だったら確かに嫌かもしれない。
小松田さんに代わる女性ポジションが居ないので想像しきれなかった。
「うん。そうだね」
ピリッとした雰囲気が部屋を包み、どんな言葉を掛ければいいか分からなかった。
「本当に・・・ごめんなさい」
私の言葉は届いたのか、よく分からない。
土井先生は立ち上がると、障子を引いた。
「今日は少し疲れたからもう寝るよ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
渡すことができなかったお団子の包みを、キュッと腕の中で抱えた。
私はこれからどうしようかと悩んでいた。
デートは流れてしまい、でもせっかくの晴天。
気持ちは町に向いていた。
「名前ちゃん、大丈夫?」
門からひょっこり顔を出したのは小松田さんだ。
「うん、約束だめになっちゃった」
「土井先生、忙しいもんね…」
小松田さんは学園長の庵の方に顔を向けた。
「そうだ!せっかく計画考えたし、僕が一緒に行こうか?」
「小松田さんが?」
「一通り仕事終わったから!僕も町で甘いもの食べたいと思ってたんだ〜」
にこにこと笑う小松田さんに一瞬悩んだ。
このデート計画は土井先生とのために作ったものだったから。
でも小松田さんも一緒に考えてくれたから、彼の計画でもある。
それにこのまま一人で過ごしていたら、土井先生のことを考えて寂しくなってしまいそうだった。
「うん、行きたい」
ずっとデートのことを考えて、甘味を食べる口になっていたのだ。
小松田さんは「ちょっと待ってて!」と事務員の制服を着替えに行った。
今日の感想を一言で述べると楽しかった。それに尽きる。
気の置けない友人と過ごす休暇はそれはそれでいいものだ。
二人でお出かけしたのだから、もう同僚ではなく友人と言ってもいいのではないか、と私は思っている。
ただ、やはりどれだけ小松田さんと一緒に楽しい時間を過ごしても、時折土井先生を思い出しては「このお団子土井先生と食べたかったな」なんて考えてしまっていた。
だからお団子をお土産に持って帰って来た。
「今日はありがとう。じゃあまた明日」
「うん。おやすみ~」
私は小松田さんと別れると、自分の部屋に戻った。
部屋の前を通った時、障子は開けっ放しになっていて、誰も居なかった。ちらっと覗いたが、土井先生が帰ってきている様子は無かった。
そして夜になり、湯浴みも終わり、あとは寝るだけになってしまった。
お団子どうしようかな・・・。
明日までもつかな・・・?
真夏じゃないから大丈夫だとは思うけど。
机の上に置いたお団子に目を向けながら布団を敷いた。
すると、廊下からこちらに向かって歩く音が聞こえる。
「(もしかして・・・)」
期待通り、そのシルエットは私の部屋の前で止まった。
「土井先生・・・!」
私は急いで障子を引いた。
「ただいま。結局こんな時間になってしまったよ」
「どうぞ、入ってください」
「でも・・・」
忍装束のままの彼は汚れを気にしているが、私はそんなこと気にならなかった。
「ちょっとだけ」
私が手を引くと、土井先生は左右に目を向け誰も居ないことを確認してから中へ入った。
「お疲れさまでした」
「今日は本当にごめん」
「そんな!土井先生が悪いわけじゃないですから」
次の機会を楽しみにしています、と言えば土井先生は安心したように息を吐いた。
「ところで、今日は何をして過ごしたんだい?」
「あ、小松田さんと町に行って来たんです!土井先生にお団子買ってきました」
「小松田くんと・・・?」
私は机に置いていたお団子の包を取って、土井先生に渡そうと振り返った。
すると、さっきまで優し気な表情だった土井先生は、眉間に皺を寄せていた。
「はあ・・・」
彼の口から出たのは溜息で。
瞬時に小松田さんと出かけたのを良く思っていないのだと察した。
「あの、ごめんなさい」
「何が?」
「小松田さんだからいいと思ったけど、でもやっぱり男性と二人で出かけるのは良くなかったです・・・」
考えが浅かった。
逆の立場だったら確かに嫌かもしれない。
小松田さんに代わる女性ポジションが居ないので想像しきれなかった。
「うん。そうだね」
ピリッとした雰囲気が部屋を包み、どんな言葉を掛ければいいか分からなかった。
「本当に・・・ごめんなさい」
私の言葉は届いたのか、よく分からない。
土井先生は立ち上がると、障子を引いた。
「今日は少し疲れたからもう寝るよ」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
渡すことができなかったお団子の包みを、キュッと腕の中で抱えた。
