狼さんと一緒/荒北
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神崎さんは本当に可愛いと思う。
だって、店内にいる男の人もチラチラと彼女の様子を伺っているのだから。
友達と店に来ている神崎さんが笑うたびにその周りで華が舞っているように見えた。
私も盗み見ながらどうか私達に気づかないように祈りを捧げた。
しかしその願いも虚しく、トイレに立った神崎さんは元々大きいその目をさらに見開いた。
そして少し躊躇いがちにこちらへ近づいてくる。
ああ…。
私の狼狽えている態度に荒北くんは首を傾げている。
荒北くんが頼んでくれたパフェが溶けてしまうことも忘れて、私は迫り来る神崎さんから目が離せなかった。
「名前チャン?」
不思議そうな顔をしている荒北くんだが、逆に自分の名前を呼ばれて驚いたようだ。
「荒北くん?」
「神崎…」
「驚いちゃった。荒北くんがこんな店に来るなんて」
荒北くんは気まずそうに神崎さんから視線を外した。
そっか。
私と一緒にいるのを見られたのが嫌なんだ。
「えっと…私、帰るね。神崎さんごめんね。私と荒北くんはなんでもないから…」
自分で口にしておいて傷ついた。
そう、私達はなんでもない。
2人から逃げるようにテーブルにお金だけ置いて席を立とうとした。
しかし、立てなかった。
「荒北くん…」
お金を置いたその手を荒北くんに掴まれたから。
「まだパフェ食い終わってねェ」
荒北くんの行動に神崎さんは余裕ありげににっこりと微笑んだ。
「いいなぁ、名字さん。私とも行こうよ荒北くん」
積極的だなぁ…
私もこれぐらいアプローチできる勇気が欲しい。
荒北くんはがしがしと頭を掻いた。
「俺こんなんだけどォ、わりと本気でインハイのこと考えてんだ」
突然何を言い出したのだろう。
荒北くんが本気でインハイに臨もうとしていることはずっと隣で見ていた。
「だからそれ以外でごちゃごちゃ考えンのは嫌なんだよな」
ああ、そうか。
要は部活に集中したいってことかな。
神崎さん云々以前の問題だった。
私は神崎さんがいなかったとしても、荒北くんが部活に集中できるように離れないといけなかったんだ。
荒北くんに掴まれた手を彼から離そうと力を込めた。
すると離さないといわんばかりに彼の手にも力が入った。
「俺、東堂みてェに器用じゃねーから。だからさァ…」
荒北くんの温もりを手に感じた。
「チャリ以外で考えンのは名前チャンだけにしたい」
だって、店内にいる男の人もチラチラと彼女の様子を伺っているのだから。
友達と店に来ている神崎さんが笑うたびにその周りで華が舞っているように見えた。
私も盗み見ながらどうか私達に気づかないように祈りを捧げた。
しかしその願いも虚しく、トイレに立った神崎さんは元々大きいその目をさらに見開いた。
そして少し躊躇いがちにこちらへ近づいてくる。
ああ…。
私の狼狽えている態度に荒北くんは首を傾げている。
荒北くんが頼んでくれたパフェが溶けてしまうことも忘れて、私は迫り来る神崎さんから目が離せなかった。
「名前チャン?」
不思議そうな顔をしている荒北くんだが、逆に自分の名前を呼ばれて驚いたようだ。
「荒北くん?」
「神崎…」
「驚いちゃった。荒北くんがこんな店に来るなんて」
荒北くんは気まずそうに神崎さんから視線を外した。
そっか。
私と一緒にいるのを見られたのが嫌なんだ。
「えっと…私、帰るね。神崎さんごめんね。私と荒北くんはなんでもないから…」
自分で口にしておいて傷ついた。
そう、私達はなんでもない。
2人から逃げるようにテーブルにお金だけ置いて席を立とうとした。
しかし、立てなかった。
「荒北くん…」
お金を置いたその手を荒北くんに掴まれたから。
「まだパフェ食い終わってねェ」
荒北くんの行動に神崎さんは余裕ありげににっこりと微笑んだ。
「いいなぁ、名字さん。私とも行こうよ荒北くん」
積極的だなぁ…
私もこれぐらいアプローチできる勇気が欲しい。
荒北くんはがしがしと頭を掻いた。
「俺こんなんだけどォ、わりと本気でインハイのこと考えてんだ」
突然何を言い出したのだろう。
荒北くんが本気でインハイに臨もうとしていることはずっと隣で見ていた。
「だからそれ以外でごちゃごちゃ考えンのは嫌なんだよな」
ああ、そうか。
要は部活に集中したいってことかな。
神崎さん云々以前の問題だった。
私は神崎さんがいなかったとしても、荒北くんが部活に集中できるように離れないといけなかったんだ。
荒北くんに掴まれた手を彼から離そうと力を込めた。
すると離さないといわんばかりに彼の手にも力が入った。
「俺、東堂みてェに器用じゃねーから。だからさァ…」
荒北くんの温もりを手に感じた。
「チャリ以外で考えンのは名前チャンだけにしたい」
