狼さんと一緒/荒北
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名前チャンの様子がおかしい。
俺の鼻が疼くとかそういうのじゃなくて。
「ちょっと、大丈夫?」
委員長が心配そうに名前チャンの顔を覗き込んだ。
「大丈夫。ちょっと寝不足なだけだから」
言葉に全く説得力がないほどに顔色が悪かった。
「保健室行った方がいいンじゃなァイ?」
「あ、ありがとう。でも本当に大丈夫だから」
俺も横から委員長の言葉に加勢したが、目を伏せたまま返されてしまった。
「何か出来ることあったら言ってネ」
俺はそう言うことしかできなかった。
-----------------
ここ最近ずっと荒北くんのことを考えてしまって眠れなかった。
とうとうみんなに心配されるほどに顔色が悪くなっているらしい。
荒北くんも心配してくれた。
優しいなぁ。
でも今はその優しさが痛い。
荒北くんは授業中もチラチラと私の方を気にしてくれていたけど気づかないふりをしてその日をやり過ごした。
-----------------
名前チャンは今日一日ずっと体調が悪そうだった。
というか避けられてねェ?俺。
喋るとき目が全然合わない…。
体調が悪いのもあると思うがそれとは別で。
なんか怒らせちまったか?
考えてみるが心当たりがなかった。
「なあ…名前チャン」
HRが終わり、帰り支度をしている彼女に話しかけた。
「ん?」
こちらには視線を向けずに黙々と鞄に荷物を詰めていく。
「怒ってる?」
率直に質問を投げかけた。
名前チャンは首を横に振った。
「怒ってないよ。ほんとに何でもなくて、自分の問題だから…」
気になるが、なんでもないと言われたらそれ以上聞けなかった。
俺は「気をつけて帰ってネ」とだけ声を掛けて教室を出た。
部室へ向かう道すがら、ずっと名前チャンのことを考えていた。
俺はふと一緒にクレープを食べたあの日を思い出した。
あの時の名前チャンは楽しそうで、笑顔が眩しかった。
今度はパフェでも誘ってみるか…。
ちょっとでも元気になれば。
俺は無い脳みそを捻った。
「あ、荒北さーん」
げっ。
真波がニコニコと手を振りながら近づいてくる。
「一緒に部室行きましょー」
「今日は出るんだな」
「まあまあ」
時間通りに行動するなんて珍しい。
俺も人のこと言える身分じゃねェけど、こいつほど自由人ではない。
キャラが正反対と言っていいほど真逆な俺たちの間に弾む会話があるわけもなく。
会話がなければまたぼんやり頭に浮かんでくるのは名前チャンの顔。
「そういえば、名前さん元気ですか?」
「アァ!?」
脳内覗かれた気がして思わず声を荒げた。
ってかなんでそんなこと聞くんだ?
ジロリと真波に訝しげな視線を送った。
「いやー、この間ちょっとトラブルに巻き込まれたみたいだったので」
「トラブル?」
そんな話一切聞いていない。
「数日前、自転車走らせてたら防犯ブザーの音が聞こえて、公園覗いたら名前さん居たんですよ」
数日前って…ああ、こいつまたサボッてやがったな。
ツッコミたい気持ちは抑えて真波の話を聞いた。
「なんか絡まれてたみたいで」
ドクンと心臓が動いた気がした。
「絡まれてた…?」
「防犯ブザー鳴らしたの名前さんだったんですよ」
俺は以前名前チャンにそれをあげたことを思い出した。
そんなことより防犯ブザー鳴らさないといけないような状況に巻き込まれたってことか?
「悪ぃけど、福チャンに部活遅れるって伝えとけ」
俺は来た道を引き返した。
「まぁ、大したことなさそうだった…ってあれ?荒北さーん?行っちゃった…」
-----------------
俺は携帯で名前チャンの番号を鳴らしたが出なかった。
「名字さんなら委員長と一緒に帰ったよ」
教室に居た女子に聞いたらもうすでに帰ったらしい。
俺は委員長に電話を掛けた。
すると2コール目で繋がった。
『もしもし?』
「あー、委員長?名前チャン知らね?」
『ちょっと待って』
電話口からガタガタと椅子を引く音が聞こえた。
『……おっけー。店出て来た。名前なら私と一緒だけど。ってかさっき電話掛けてたでしょ?』
「知ってんのかヨ」
『出なくていいのか聞いたらいいって言って鞄にしまってた』
それ聞いたらさすがの俺も傷つくわ。
傷つくけどそれでも…。
「今すぐ名前チャンに会いたいんだけどォ」
俺の鼻が疼くとかそういうのじゃなくて。
「ちょっと、大丈夫?」
委員長が心配そうに名前チャンの顔を覗き込んだ。
「大丈夫。ちょっと寝不足なだけだから」
言葉に全く説得力がないほどに顔色が悪かった。
「保健室行った方がいいンじゃなァイ?」
「あ、ありがとう。でも本当に大丈夫だから」
俺も横から委員長の言葉に加勢したが、目を伏せたまま返されてしまった。
「何か出来ることあったら言ってネ」
俺はそう言うことしかできなかった。
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ここ最近ずっと荒北くんのことを考えてしまって眠れなかった。
とうとうみんなに心配されるほどに顔色が悪くなっているらしい。
荒北くんも心配してくれた。
優しいなぁ。
でも今はその優しさが痛い。
荒北くんは授業中もチラチラと私の方を気にしてくれていたけど気づかないふりをしてその日をやり過ごした。
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名前チャンは今日一日ずっと体調が悪そうだった。
というか避けられてねェ?俺。
喋るとき目が全然合わない…。
体調が悪いのもあると思うがそれとは別で。
なんか怒らせちまったか?
考えてみるが心当たりがなかった。
「なあ…名前チャン」
HRが終わり、帰り支度をしている彼女に話しかけた。
「ん?」
こちらには視線を向けずに黙々と鞄に荷物を詰めていく。
「怒ってる?」
率直に質問を投げかけた。
名前チャンは首を横に振った。
「怒ってないよ。ほんとに何でもなくて、自分の問題だから…」
気になるが、なんでもないと言われたらそれ以上聞けなかった。
俺は「気をつけて帰ってネ」とだけ声を掛けて教室を出た。
部室へ向かう道すがら、ずっと名前チャンのことを考えていた。
俺はふと一緒にクレープを食べたあの日を思い出した。
あの時の名前チャンは楽しそうで、笑顔が眩しかった。
今度はパフェでも誘ってみるか…。
ちょっとでも元気になれば。
俺は無い脳みそを捻った。
「あ、荒北さーん」
げっ。
真波がニコニコと手を振りながら近づいてくる。
「一緒に部室行きましょー」
「今日は出るんだな」
「まあまあ」
時間通りに行動するなんて珍しい。
俺も人のこと言える身分じゃねェけど、こいつほど自由人ではない。
キャラが正反対と言っていいほど真逆な俺たちの間に弾む会話があるわけもなく。
会話がなければまたぼんやり頭に浮かんでくるのは名前チャンの顔。
「そういえば、名前さん元気ですか?」
「アァ!?」
脳内覗かれた気がして思わず声を荒げた。
ってかなんでそんなこと聞くんだ?
ジロリと真波に訝しげな視線を送った。
「いやー、この間ちょっとトラブルに巻き込まれたみたいだったので」
「トラブル?」
そんな話一切聞いていない。
「数日前、自転車走らせてたら防犯ブザーの音が聞こえて、公園覗いたら名前さん居たんですよ」
数日前って…ああ、こいつまたサボッてやがったな。
ツッコミたい気持ちは抑えて真波の話を聞いた。
「なんか絡まれてたみたいで」
ドクンと心臓が動いた気がした。
「絡まれてた…?」
「防犯ブザー鳴らしたの名前さんだったんですよ」
俺は以前名前チャンにそれをあげたことを思い出した。
そんなことより防犯ブザー鳴らさないといけないような状況に巻き込まれたってことか?
「悪ぃけど、福チャンに部活遅れるって伝えとけ」
俺は来た道を引き返した。
「まぁ、大したことなさそうだった…ってあれ?荒北さーん?行っちゃった…」
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俺は携帯で名前チャンの番号を鳴らしたが出なかった。
「名字さんなら委員長と一緒に帰ったよ」
教室に居た女子に聞いたらもうすでに帰ったらしい。
俺は委員長に電話を掛けた。
すると2コール目で繋がった。
『もしもし?』
「あー、委員長?名前チャン知らね?」
『ちょっと待って』
電話口からガタガタと椅子を引く音が聞こえた。
『……おっけー。店出て来た。名前なら私と一緒だけど。ってかさっき電話掛けてたでしょ?』
「知ってんのかヨ」
『出なくていいのか聞いたらいいって言って鞄にしまってた』
それ聞いたらさすがの俺も傷つくわ。
傷つくけどそれでも…。
「今すぐ名前チャンに会いたいんだけどォ」
