狼さんと一緒/荒北
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なぜか今日は教室が少し落ち着きがない気がする。
そして私の気のせいだろうか・・・。
やけに視線を感じる。
「あ、おはよう」
登校してきた委員長を見つけて私はひらひらと手を振った。
「あれ・・・?」
いつもなら笑顔で手を振り返してくれるのに今日は般若のような形相で近づいてきた。
「え、え・・・」
私はキョロキョロとあたりを見回すが、明らかに私に向かってきている。
友達は私との距離を数十センチまで詰めると両肩を掴んだ。
「ちょっとどうすんのよ!」
「な、なにが・・・?」
彼女の勢いに思わずたじろぐ。
「知らないの!?荒北と神崎さんがいい感じだって!」
「いい感じ・・・?」
「なんかメッセージのやり取りしてるらしいよ」
頭が真っ白になるとはこういうことなのだろうか。
友達の言うことが頭に入ってこなかった。
それから彼女が言うことをぼーっと聞いていたのだが、とりあえず理解できたのは神崎さんと荒北くんが連絡を取っていて、2人が付き合うのではないかという噂が回っているらしい。
「そ、そうなんだ・・・」
かろうじて絞り出した声は震えていた。
「あ、名前・・・いきなりごめんね。でもさ、あんたの方がよっぽど荒北と近いんだから大丈夫だよ」
落ち着きを取り戻した友達が焦ったようにフォローしてくれた。
私は首を横に振った。
「教えてくれてありがとう」
荒北くんに好きな女の子ができたなら私は距離をおかないと。
・・・そんなことできるのだろうか。
「名前チャン、おはよ」
荒北くんから離れることを想像し、痛む胸を抑えた時いつの間にか登校してきた荒北くんに挨拶をされた。
「あ、おはよ・・・」
眠そうに目を擦りあくびを一つした荒北くんは鞄を自分の机に置いた。
**********
クラスの連中が妙に落ち着きがなくこちらの様子を明らかに伺っている。
睨みを利かせればパッと目を逸らされる。
何ンだヨ・・・。
言いたいことがあるならハッキリ言えってェの!
俺は疑問符を浮かべながらHRが始まるまでもう一眠りするつもりで机に伏せようとしたら肩を揺らされた。
「おい!荒北!」
顔を上げると田口が俺の肩を揺さぶった。
「あンだヨ」
不機嫌さを隠さずに田口へ向けると、興奮した表情をしている。
「気持ちわりィ」
思ったことをそのまま口に出した。
「ひでー。それよりあの噂本当かよ」
例の一件以来、こいつは妙に馴れ馴れしいと思う。
「あの噂?」
「神崎さん!」
俺は田口から出た名前に思わず眠りかけていた脳が覚醒した。
「お、その反応はビンゴ?付き合ってるの?」
「バッ、付き合ってねェよ!」
いやいや。
部活の連中以外が何で神崎のこと知ってんだ・・・。
「連絡取ってるって噂だけど」
田口の言うことは本当だった。
けれど周りが期待しているようなものではなくて部活の連中に連絡ぐらい減るものでもないしと半ば強制でIDを登録させられたのだ。
毎回差入れに連絡先を入れられても困るし、逆に一度登録してお礼の1つでも送ってそこで終わらせればその方が楽なのかもしれないと俺自身考えた結果だ。
やりとりと言っても昨日差し入れの礼を送った後、相手から返ってきた返事に数通返して適度なところで切り上げた。
やりとりと言えばやりとりだが、今日以降連絡が来ても返す気はなかった。
つーか、昨日の今日で何でこんな大事になってンだ。
高校生の情報網怖ェ。
名前チャンの方をちらっと見てみると授業の予習をしているようだがこの距離だから俺達の会話はばっちり聞こえているはずだ。
ほんの少しだけ。
ほんの少し、俺のことを気にかけてくれたら。
そんな馬鹿げた感情で俺は少しの嘘をついた。
「まァ、取ってるっちゃ取ってるな」
俺は再び名前チャンの方を伺った。
いつもと変わらない彼女に俺は少しだけ落胆した。
学年一のモテ女に言い寄られていい気になっていたところもある。
だからこの時、彼女が握っていたシャーペンが震えていたことに全く気が付かなかったのだ。
そして私の気のせいだろうか・・・。
やけに視線を感じる。
「あ、おはよう」
登校してきた委員長を見つけて私はひらひらと手を振った。
「あれ・・・?」
いつもなら笑顔で手を振り返してくれるのに今日は般若のような形相で近づいてきた。
「え、え・・・」
私はキョロキョロとあたりを見回すが、明らかに私に向かってきている。
友達は私との距離を数十センチまで詰めると両肩を掴んだ。
「ちょっとどうすんのよ!」
「な、なにが・・・?」
彼女の勢いに思わずたじろぐ。
「知らないの!?荒北と神崎さんがいい感じだって!」
「いい感じ・・・?」
「なんかメッセージのやり取りしてるらしいよ」
頭が真っ白になるとはこういうことなのだろうか。
友達の言うことが頭に入ってこなかった。
それから彼女が言うことをぼーっと聞いていたのだが、とりあえず理解できたのは神崎さんと荒北くんが連絡を取っていて、2人が付き合うのではないかという噂が回っているらしい。
「そ、そうなんだ・・・」
かろうじて絞り出した声は震えていた。
「あ、名前・・・いきなりごめんね。でもさ、あんたの方がよっぽど荒北と近いんだから大丈夫だよ」
落ち着きを取り戻した友達が焦ったようにフォローしてくれた。
私は首を横に振った。
「教えてくれてありがとう」
荒北くんに好きな女の子ができたなら私は距離をおかないと。
・・・そんなことできるのだろうか。
「名前チャン、おはよ」
荒北くんから離れることを想像し、痛む胸を抑えた時いつの間にか登校してきた荒北くんに挨拶をされた。
「あ、おはよ・・・」
眠そうに目を擦りあくびを一つした荒北くんは鞄を自分の机に置いた。
**********
クラスの連中が妙に落ち着きがなくこちらの様子を明らかに伺っている。
睨みを利かせればパッと目を逸らされる。
何ンだヨ・・・。
言いたいことがあるならハッキリ言えってェの!
俺は疑問符を浮かべながらHRが始まるまでもう一眠りするつもりで机に伏せようとしたら肩を揺らされた。
「おい!荒北!」
顔を上げると田口が俺の肩を揺さぶった。
「あンだヨ」
不機嫌さを隠さずに田口へ向けると、興奮した表情をしている。
「気持ちわりィ」
思ったことをそのまま口に出した。
「ひでー。それよりあの噂本当かよ」
例の一件以来、こいつは妙に馴れ馴れしいと思う。
「あの噂?」
「神崎さん!」
俺は田口から出た名前に思わず眠りかけていた脳が覚醒した。
「お、その反応はビンゴ?付き合ってるの?」
「バッ、付き合ってねェよ!」
いやいや。
部活の連中以外が何で神崎のこと知ってんだ・・・。
「連絡取ってるって噂だけど」
田口の言うことは本当だった。
けれど周りが期待しているようなものではなくて部活の連中に連絡ぐらい減るものでもないしと半ば強制でIDを登録させられたのだ。
毎回差入れに連絡先を入れられても困るし、逆に一度登録してお礼の1つでも送ってそこで終わらせればその方が楽なのかもしれないと俺自身考えた結果だ。
やりとりと言っても昨日差し入れの礼を送った後、相手から返ってきた返事に数通返して適度なところで切り上げた。
やりとりと言えばやりとりだが、今日以降連絡が来ても返す気はなかった。
つーか、昨日の今日で何でこんな大事になってンだ。
高校生の情報網怖ェ。
名前チャンの方をちらっと見てみると授業の予習をしているようだがこの距離だから俺達の会話はばっちり聞こえているはずだ。
ほんの少しだけ。
ほんの少し、俺のことを気にかけてくれたら。
そんな馬鹿げた感情で俺は少しの嘘をついた。
「まァ、取ってるっちゃ取ってるな」
俺は再び名前チャンの方を伺った。
いつもと変わらない彼女に俺は少しだけ落胆した。
学年一のモテ女に言い寄られていい気になっていたところもある。
だからこの時、彼女が握っていたシャーペンが震えていたことに全く気が付かなかったのだ。
