【2章】告白
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HRを終えて職員室へ戻るとデスクにメモが貼ってあった。
『○○警察へ折り返しお願いします』
昨日女を引き渡した警察署だ。
俺は溜息を吐いてメモに書かれていた電話番号をプッシュした。
電話はワンコールで繋がり、折り返しの旨を伝えると担当が電話口に出てきた。
『もしもし、昨晩はありがとうございました』
「いえ、こちらこそ。何かありましたか?」
『それが・・・』
話を要約すると、女の身元が分からないらしい。
女が名乗る名前は戸籍登録がされていなく、本人に聞いても「分からない」の一点張りらしい。
このまま解放するわけにはいかず、かといって調べたところ逃亡中の犯罪者でもなさそうなので扱いに困っていると。
『何でもいいので、彼女について覚えていることはありませんか?』
覚えていることと言われても・・・。
頭を捻るが有益な情報を自分が持っているとは思えなかった。
しかし、気になることはある。
それに、最後のあの捨て猫のような表情が脳裏に過る。
「今日、授業が終わったらそちらに伺います」
電話口の警官は何を期待しているのか、大きな声で『ありがとうございます』と口にした。
受話器を置くとマイクが俺の背もたれに手を掛けた。
「何?放課後どっか行くの?」
「ああ、昨日の件でな」
「トラブル発生?」
「女の身元が分からなくて手を焼いているらしい」
「あーらら」
「とりあえず行ってくる」
「はじめ消太のファンって言ってたんだろ~?消太には何か話すかもよ!」
「その後訂正してたけどな」
「変わった子だなー」
「そうだな」
変わった奴。
状況だけ見たらそうだが、俺は色んな人間を見ている。
何の根拠もない勘だが、彼女はそういった類ではないように感じている。
・・・・・・面倒なことに首を突っ込んでしまった。
**********************
いや、もうほんとどうしよう・・・。
私は人生初めて留置所に入った。
最初は保護してくれるとのことで優しかった対応も、名前を名乗った後から一変した。
「ねぇ。なんで本当の名前言わないの?」
「そう言われましても・・・」
「君、誰?」
「名字名前です・・・」
「だーかーらー!それじゃヒットしないんだって。何で嘘つくの?」
なんでって言われても・・・。
本当のこと言ってるし。
夢の中で怒られても困る。
・・・というか、薄々感じてるんだけど。
なんかおかしくない?
夢にしてはあまりにリアルだ。
時間が経てばお腹も空くし、眠くもなる。
傷は痛むし。
さらには推しキャラに会えた。
私はこの状況に心当たりがある。
なんせ夢女子なんで。
「トリップ・・・?」
「は?トリップ?旅行?旅行に来たの?」
「あ、いえ・・・」
とにかく、これがトリップだろうが夢の中だろうが困った状況であることに変わりはない。
「はあ・・・」
「溜息つきたいのこっちだから・・・」
思わず溜息を吐くと、目の前の警官に呆れられた。
どうしたらいいの・・・。
困り果てていると、取調室の扉が開いた。
「(相澤先生!!)」
生気が常に乏しそうなあの雰囲気。
今の私には推しキャラに再び会えた喜びよりも、何よりも、この困っている瞬間を助けにきてくれた"ヒーロー"に見えたのだった。
『○○警察へ折り返しお願いします』
昨日女を引き渡した警察署だ。
俺は溜息を吐いてメモに書かれていた電話番号をプッシュした。
電話はワンコールで繋がり、折り返しの旨を伝えると担当が電話口に出てきた。
『もしもし、昨晩はありがとうございました』
「いえ、こちらこそ。何かありましたか?」
『それが・・・』
話を要約すると、女の身元が分からないらしい。
女が名乗る名前は戸籍登録がされていなく、本人に聞いても「分からない」の一点張りらしい。
このまま解放するわけにはいかず、かといって調べたところ逃亡中の犯罪者でもなさそうなので扱いに困っていると。
『何でもいいので、彼女について覚えていることはありませんか?』
覚えていることと言われても・・・。
頭を捻るが有益な情報を自分が持っているとは思えなかった。
しかし、気になることはある。
それに、最後のあの捨て猫のような表情が脳裏に過る。
「今日、授業が終わったらそちらに伺います」
電話口の警官は何を期待しているのか、大きな声で『ありがとうございます』と口にした。
受話器を置くとマイクが俺の背もたれに手を掛けた。
「何?放課後どっか行くの?」
「ああ、昨日の件でな」
「トラブル発生?」
「女の身元が分からなくて手を焼いているらしい」
「あーらら」
「とりあえず行ってくる」
「はじめ消太のファンって言ってたんだろ~?消太には何か話すかもよ!」
「その後訂正してたけどな」
「変わった子だなー」
「そうだな」
変わった奴。
状況だけ見たらそうだが、俺は色んな人間を見ている。
何の根拠もない勘だが、彼女はそういった類ではないように感じている。
・・・・・・面倒なことに首を突っ込んでしまった。
**********************
いや、もうほんとどうしよう・・・。
私は人生初めて留置所に入った。
最初は保護してくれるとのことで優しかった対応も、名前を名乗った後から一変した。
「ねぇ。なんで本当の名前言わないの?」
「そう言われましても・・・」
「君、誰?」
「名字名前です・・・」
「だーかーらー!それじゃヒットしないんだって。何で嘘つくの?」
なんでって言われても・・・。
本当のこと言ってるし。
夢の中で怒られても困る。
・・・というか、薄々感じてるんだけど。
なんかおかしくない?
夢にしてはあまりにリアルだ。
時間が経てばお腹も空くし、眠くもなる。
傷は痛むし。
さらには推しキャラに会えた。
私はこの状況に心当たりがある。
なんせ夢女子なんで。
「トリップ・・・?」
「は?トリップ?旅行?旅行に来たの?」
「あ、いえ・・・」
とにかく、これがトリップだろうが夢の中だろうが困った状況であることに変わりはない。
「はあ・・・」
「溜息つきたいのこっちだから・・・」
思わず溜息を吐くと、目の前の警官に呆れられた。
どうしたらいいの・・・。
困り果てていると、取調室の扉が開いた。
「(相澤先生!!)」
生気が常に乏しそうなあの雰囲気。
今の私には推しキャラに再び会えた喜びよりも、何よりも、この困っている瞬間を助けにきてくれた"ヒーロー"に見えたのだった。