【1章】出会い
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公園に向かうと女は誰かと喋っていた。
知り合いかと思ったが、話の内容が聞こえる距離まで近づくと、そんな関係性ではなさそうだ。
「お願い・・・離してください」
弱弱しい声。
俺は間に入って男に手を離すように命じた。
「とっとと離せ。警察呼ぶぞ」
しっしと追い払えば、「ちっ」と舌打ちをしながら男は千鳥足で去っていった。
「あ、ありがとうございます」
女は困惑した表情で俺を見上げた。
「出て行けとは言ったが・・・こんなところで何してるんだ」
「えっと・・・」
言い淀む女に俺は首を傾げた。
視線を足元に移すと、やはり靴を履いておらず、その足からは血が滲んでいた。
「・・・怪我してるのか」
「さっき、マンション出た時にガラスで切ってしまって・・・」
「靴は」
「ないです・・・」
いや、靴がないってどういう状況なんだ。
その時、俺は一瞬先ほどの彼女の発言を思い出した。
"だって私は気付いたらここにいただけで"
「手当てするから戻るぞ」
しゃがんで女に背中に乗るよう促した。
「えっ、でも」
「つべこべ言わずに早くしろ」
「ありがとうございます」
おずおずと女が背中に乗った。
********
不法侵入した女を再び部屋へ招き入れて、手当してくれるなんて、やっぱり相澤先生は漫画で見た通りなんだかんだ優しいのだ。
いや・・・私の妄想がそうさせているだけか。
だって夢だし。
靴下を脱いで裸足になった。
お風呂をお借りして汚れを落とした。
「痛い・・・染みる」
「放っておいたら破傷風になるかもしれなかったぞ」
「うう・・・」
タオルで足を拭き、相澤先生は持ってきてくれた救急箱で手当してくれた。
「さすが、ヒーロー科の先生ですね。手際がいい」
「まあな」
綺麗に包帯を巻いてくれた。
相澤先生に巻いてもらった包帯、夢とはいえ一生大事にする。
さっきなんておんぶしてもらっちゃったし!
呑気にほわほわしていたが、次の相澤先生の言葉に私の身体は固まった。
「で、行く当てはあるのか」
*******************
一通りの手当を終えて、救急箱をしまった。
「行く当てはあるのか」
「・・・」
小さく首を振る女。
「はあ・・・今晩は警察に保護してもらえ。呼んでやるから」
結局警察に電話をすることになった。
駆けつけた警察に、軽く事情を説明して女を引き渡した。
「不法侵入の件はどうしますか」
「そこはもういい。被害届は出さないから、あくまで彼女の保護をお願いします」
「分かりました」
部屋を出て行く前、女は俺にぺこりと頭を下げた。
「あの・・・助けてくれてありがとうございました」
最後に合った目は、まるで捨て猫のようで・・・。
まだ助けてほしいと言っているように見えた。
********
「くわっ・・・」
「なんだよ、消太寝不足か?」
「まあな」
噛み殺せなかった欠伸を見て指摘された。
俺は昨日あった出来事を同僚のマイクに話した。
「なんだそれ!消太ん家に侵入するなんてすげー度胸」
「というか本当にどうやって入ったんだか」
「でも敵ってわけじゃなさそうだったんだろ?」
「ああ」
「ともかく、今日も忙しい1日の始まりだぜ!」
俺はマイクに別れを告げて、出勤簿を持って自分が受け持つクラスへと入った。
「おはよう」
余程俺が怖いのか、チャイムが鳴った時にはすでに全員着席している。
出欠を取っていく間もぼんやりと過るのはあの女の顔。
本当に普通の女だった。
だからこそあのまま帰したわけで。
ふと、出欠を取る手が止まった。
「先生?」
そういえばどうして、あの女は俺が"ヒーロー科の教師"であることを知っていたんだ?
あの時、気になって眠れないと思ったから首を突っ込んだのに、結局助けても気になってしまう始末だった。
知り合いかと思ったが、話の内容が聞こえる距離まで近づくと、そんな関係性ではなさそうだ。
「お願い・・・離してください」
弱弱しい声。
俺は間に入って男に手を離すように命じた。
「とっとと離せ。警察呼ぶぞ」
しっしと追い払えば、「ちっ」と舌打ちをしながら男は千鳥足で去っていった。
「あ、ありがとうございます」
女は困惑した表情で俺を見上げた。
「出て行けとは言ったが・・・こんなところで何してるんだ」
「えっと・・・」
言い淀む女に俺は首を傾げた。
視線を足元に移すと、やはり靴を履いておらず、その足からは血が滲んでいた。
「・・・怪我してるのか」
「さっき、マンション出た時にガラスで切ってしまって・・・」
「靴は」
「ないです・・・」
いや、靴がないってどういう状況なんだ。
その時、俺は一瞬先ほどの彼女の発言を思い出した。
"だって私は気付いたらここにいただけで"
「手当てするから戻るぞ」
しゃがんで女に背中に乗るよう促した。
「えっ、でも」
「つべこべ言わずに早くしろ」
「ありがとうございます」
おずおずと女が背中に乗った。
********
不法侵入した女を再び部屋へ招き入れて、手当してくれるなんて、やっぱり相澤先生は漫画で見た通りなんだかんだ優しいのだ。
いや・・・私の妄想がそうさせているだけか。
だって夢だし。
靴下を脱いで裸足になった。
お風呂をお借りして汚れを落とした。
「痛い・・・染みる」
「放っておいたら破傷風になるかもしれなかったぞ」
「うう・・・」
タオルで足を拭き、相澤先生は持ってきてくれた救急箱で手当してくれた。
「さすが、ヒーロー科の先生ですね。手際がいい」
「まあな」
綺麗に包帯を巻いてくれた。
相澤先生に巻いてもらった包帯、夢とはいえ一生大事にする。
さっきなんておんぶしてもらっちゃったし!
呑気にほわほわしていたが、次の相澤先生の言葉に私の身体は固まった。
「で、行く当てはあるのか」
*******************
一通りの手当を終えて、救急箱をしまった。
「行く当てはあるのか」
「・・・」
小さく首を振る女。
「はあ・・・今晩は警察に保護してもらえ。呼んでやるから」
結局警察に電話をすることになった。
駆けつけた警察に、軽く事情を説明して女を引き渡した。
「不法侵入の件はどうしますか」
「そこはもういい。被害届は出さないから、あくまで彼女の保護をお願いします」
「分かりました」
部屋を出て行く前、女は俺にぺこりと頭を下げた。
「あの・・・助けてくれてありがとうございました」
最後に合った目は、まるで捨て猫のようで・・・。
まだ助けてほしいと言っているように見えた。
********
「くわっ・・・」
「なんだよ、消太寝不足か?」
「まあな」
噛み殺せなかった欠伸を見て指摘された。
俺は昨日あった出来事を同僚のマイクに話した。
「なんだそれ!消太ん家に侵入するなんてすげー度胸」
「というか本当にどうやって入ったんだか」
「でも敵ってわけじゃなさそうだったんだろ?」
「ああ」
「ともかく、今日も忙しい1日の始まりだぜ!」
俺はマイクに別れを告げて、出勤簿を持って自分が受け持つクラスへと入った。
「おはよう」
余程俺が怖いのか、チャイムが鳴った時にはすでに全員着席している。
出欠を取っていく間もぼんやりと過るのはあの女の顔。
本当に普通の女だった。
だからこそあのまま帰したわけで。
ふと、出欠を取る手が止まった。
「先生?」
そういえばどうして、あの女は俺が"ヒーロー科の教師"であることを知っていたんだ?
あの時、気になって眠れないと思ったから首を突っ込んだのに、結局助けても気になってしまう始末だった。
