【5章】探索
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「ふわぁ・・・」
昼休み、私は学校の地理を覚えるべく校内探索をしていた。
窓から差し込むポカポカ陽気になんだか眠気が誘われる。
一度自室へ戻って仮眠しようか。
時間を確認するとまだ昼休みはたっぷり残っている。
職場に自室があるって、めっちゃ便利。
喜々と自室へ戻ると、扉の前に人が蹲っていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
制服ではないので職員だろうか。
背中に手を添え顔を覗き込むと痩せ細った血色の悪い男性と目が合った。
「オールマイト!」
思わずその名を口にすると、男性は慌てて私の口に手をやった。
「な、ななんで知ってるんだい!?」
そうだった。
なんやかんや擦れ違いで、オールマイトとは初対面だった。
この間の飲み会も欠席だったし。
一方的に知っているので、もう挨拶したと思っていた。
「ごめんなさい!とにかく、顔色悪いのでこちらへ」
私は慌てて鍵を出し、自室の扉を開けてオールマイトに入るように促した。
「いや、でもここは・・・」
「いいですから!」
中に入るとゲホッとオールマイトは口元を抑えてせき込んだ。
「血ぃ!!」
漫画では見た事あったが、やはり目の前で吐血されると怖い。
私はティッシュとタオルをふんだんに渡した。
「ベッドに寝て下さい」
「いや、でもここ君の部屋だろ?さすがに女性のベッドを使うなんて・・・」
「元々仮眠室のやつですからお気になさらず。自分の体調気にしてください」
「ありがとう・・・そうか、君が噂の」
「初めまして。ご挨拶遅れました、名字名前です」
「いや、こちらこそ。助けてくれてありがとう」
オールマイトも私のことは聞いていたらしい。
オールマイトであることを知っていた件はこれ以上聞かれなかった。
「あの・・・悪いんだけど、私がオールマイトであるということは」
「もちろん誰にも言いません」
眉を下げて小さく笑うオールマイトは弱弱しかった。
「リカバリーガール呼んできます」
眠気などとっくに吹っ飛び、私は自室を飛び出した。
****************
婆さんに用があり、保健室を訪れていた。
廊下からパタパタと足音が聞えるので、振り向くとガラリと扉を開けたのは名前だった。
「失礼します」
焦っているので、どこか怪我でもしたのかと思って全身見やるが特に異常はなさそうだ。
「あ、相澤先生お疲れ様です」
「お疲れ」
「どうしたんさね?」
「オールマイトが・・・」
ハッと口を噤んだ。
キョロキョロと辺りを見回し、他に生徒がいないか確認している。
「誰もいないぞ」
俺がそう言えば、ホッと胸を撫で下ろしていた。
「オールマイトが体調を崩して血を吐いたんです。今私の部屋にいます」
「またかいね」
慣れている様子で婆さんはしばらく寝かせとくしかないね、と続けた。
「あの、どうしようもないのでしょうか」
「慢性的なものだからね。仕方ないさ」
「・・・・・・それは視えないのか?」
「えっと、分かってはいるんですけど。ああやって目の前で見てしまうとこうどうにかできないものかと・・・」
名前は不安そうな瞳で俺を見上げた。
しかし、俺にだってどうしてやることもできない。
というか・・・。
「名前の部屋に何でいるんだ」
「私の部屋の前で体調を崩されていたので。今はベッドで横になってもらってます」
いくらオールマイトで病人といえども相手は男だぞ。
「保健室に運ぼう」
俺は保健室の隅にある車椅子を引っ張り出した。
「大丈夫ですよ!あのまま部屋を使って頂いて。元々仮眠室なわけですし」
名前には仮眠室を自分が潰した引け目があるのか、はたまたお人好しなのか・・・きっと両方だな。
「オールマイトが寝にくいだろ。女の部屋なんて」
「あ、そっか。そうですよね」
気が回らなかった、と頭を掻く名前に小さく溜息をついた。
「あたしゃ、ここで待ってるからね」
リカバリーガールを置いて俺と名前は保健室を出た。
「軽々しく男を部屋に上げるなよ」
道中、警告すると名前はきょとんとした目で俺を見上げた。
「はい、わかりました」
しかしその顔は「でもオールマイトだし、体調崩してるし」と納得いってなさそうだった。
本当に分かってるんだか。
俺は再び小さく溜息を吐いた。
昼休み、私は学校の地理を覚えるべく校内探索をしていた。
窓から差し込むポカポカ陽気になんだか眠気が誘われる。
一度自室へ戻って仮眠しようか。
時間を確認するとまだ昼休みはたっぷり残っている。
職場に自室があるって、めっちゃ便利。
喜々と自室へ戻ると、扉の前に人が蹲っていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
制服ではないので職員だろうか。
背中に手を添え顔を覗き込むと痩せ細った血色の悪い男性と目が合った。
「オールマイト!」
思わずその名を口にすると、男性は慌てて私の口に手をやった。
「な、ななんで知ってるんだい!?」
そうだった。
なんやかんや擦れ違いで、オールマイトとは初対面だった。
この間の飲み会も欠席だったし。
一方的に知っているので、もう挨拶したと思っていた。
「ごめんなさい!とにかく、顔色悪いのでこちらへ」
私は慌てて鍵を出し、自室の扉を開けてオールマイトに入るように促した。
「いや、でもここは・・・」
「いいですから!」
中に入るとゲホッとオールマイトは口元を抑えてせき込んだ。
「血ぃ!!」
漫画では見た事あったが、やはり目の前で吐血されると怖い。
私はティッシュとタオルをふんだんに渡した。
「ベッドに寝て下さい」
「いや、でもここ君の部屋だろ?さすがに女性のベッドを使うなんて・・・」
「元々仮眠室のやつですからお気になさらず。自分の体調気にしてください」
「ありがとう・・・そうか、君が噂の」
「初めまして。ご挨拶遅れました、名字名前です」
「いや、こちらこそ。助けてくれてありがとう」
オールマイトも私のことは聞いていたらしい。
オールマイトであることを知っていた件はこれ以上聞かれなかった。
「あの・・・悪いんだけど、私がオールマイトであるということは」
「もちろん誰にも言いません」
眉を下げて小さく笑うオールマイトは弱弱しかった。
「リカバリーガール呼んできます」
眠気などとっくに吹っ飛び、私は自室を飛び出した。
****************
婆さんに用があり、保健室を訪れていた。
廊下からパタパタと足音が聞えるので、振り向くとガラリと扉を開けたのは名前だった。
「失礼します」
焦っているので、どこか怪我でもしたのかと思って全身見やるが特に異常はなさそうだ。
「あ、相澤先生お疲れ様です」
「お疲れ」
「どうしたんさね?」
「オールマイトが・・・」
ハッと口を噤んだ。
キョロキョロと辺りを見回し、他に生徒がいないか確認している。
「誰もいないぞ」
俺がそう言えば、ホッと胸を撫で下ろしていた。
「オールマイトが体調を崩して血を吐いたんです。今私の部屋にいます」
「またかいね」
慣れている様子で婆さんはしばらく寝かせとくしかないね、と続けた。
「あの、どうしようもないのでしょうか」
「慢性的なものだからね。仕方ないさ」
「・・・・・・それは視えないのか?」
「えっと、分かってはいるんですけど。ああやって目の前で見てしまうとこうどうにかできないものかと・・・」
名前は不安そうな瞳で俺を見上げた。
しかし、俺にだってどうしてやることもできない。
というか・・・。
「名前の部屋に何でいるんだ」
「私の部屋の前で体調を崩されていたので。今はベッドで横になってもらってます」
いくらオールマイトで病人といえども相手は男だぞ。
「保健室に運ぼう」
俺は保健室の隅にある車椅子を引っ張り出した。
「大丈夫ですよ!あのまま部屋を使って頂いて。元々仮眠室なわけですし」
名前には仮眠室を自分が潰した引け目があるのか、はたまたお人好しなのか・・・きっと両方だな。
「オールマイトが寝にくいだろ。女の部屋なんて」
「あ、そっか。そうですよね」
気が回らなかった、と頭を掻く名前に小さく溜息をついた。
「あたしゃ、ここで待ってるからね」
リカバリーガールを置いて俺と名前は保健室を出た。
「軽々しく男を部屋に上げるなよ」
道中、警告すると名前はきょとんとした目で俺を見上げた。
「はい、わかりました」
しかしその顔は「でもオールマイトだし、体調崩してるし」と納得いってなさそうだった。
本当に分かってるんだか。
俺は再び小さく溜息を吐いた。
