【3章】始まり
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私はベッドの中で眠りについていた。
しかしふと目が覚めた午前1時。
トイレに行きたくなったので身体を起こした。
「ここから一番近いトイレは・・・」
さすがに仮眠室にトイレはない。
寝ぼけ眼を擦りながら、扉を開けた。
「げっ。さ、最悪だ・・・」
そう、ここは学校の仮眠室。
午前1時となれば誰もいない。
廊下は真っ暗で外の街灯が薄っすらと廊下を照らしているのみ。
一歩踏み出してみるが数歩歩いたところで心が挫折した。
「む、無理無理」
なんでこう夜の学校は怖いのだろうか。
灯りと人の声の偉大さを知る。
一番近いトイレは部屋を出て右に真っ直ぐ。
ダッシュすれば十秒もかからないだろう。
しかし私の足は動いてくれなかった。
「朝まで我慢しよう・・・」
そう思い部屋の扉を再び閉めた。
「・・・」
ベッドに潜り込んで目を閉じるが、眠れない。
一度トイレに行きたいと思ってしまったが、最後。
余計に尿意が襲ってくる。
「ど、どうしよう・・・」
部屋を行ったり来たり、ウロウロする。
とてもじゃないが、朝まで持ちそうにない。
「う~・・・」
再び廊下に出てみる。
電気をつけた部屋を全開にしてみるが、やはり長い廊下の先の暗闇が怖い。
「1時・・・」
相澤先生に受け取った携帯を開いた。
「相澤消太」という文字の上で指がウロウロする。
「もう寝てるよね・・・」
いや、相澤先生だったら起きている可能性はある。
イメージでしかないが、夜更かししてそうだし。
しかしどの道こんなしょうもないことで電話を掛けるなんて迷惑極まりない。
考え抜いた末、私は電話ではなくメールを送った。
たった一言。
『まだ起きてますか?』
****************
少し風呂でうたた寝をしてしまった。
目を開けて傍に置いていた携帯を手に取る。
「もうこんな時間か・・・」
いつの間にか日付を跨いでいた。
そこから一日の汚れを落とし、さあ上がろうかという時に携帯が小さく震えた。
振動の短さからメールだと分かる。
髪の毛をタオルで拭きながら、差出人を確認すると名前だった。
『まだ起きてますか?』
シンプルに一言だけ。
何か困り事だろうか。
メールで送ってくるということは緊急事態ではないだろう。
まどろっこしいのは嫌いなので、俺は電話を掛けた。
2コールで繋がった。
『もっ、もしもし!』
「どうした、何かあったか?」
『いえ、あの・・・それが』
歯切れが悪い名前に疑問符を浮かべる。
「眠れないのか?」
まあ、学校の仮眠室だしな。
寝心地最高とはいかないだろう。
『いえ、そうではなくて・・・眠れてはいるのですが』
「?」
『実は、ト、トイレに行きたくて』
「・・・・・・行けばいいだろう?」
寝ぼけているのか?
そう思ったが、名前はボソボソと電話口で行けない理由を喋った。
「怖いのか」
『うう・・・はい』
電話を掛けたかったが、時間が時間なので遠慮してメールにした、そんなところか。
ある意味緊急事態であるにも関わらず。
部屋で縮こまっている名前を想像したら少し笑えた。
『こんなしょうもないことでごめんなさい・・・』
「会話しながらだったら行けそうか?」
『・・・はい!なんだか怖さが薄れてきた気がします』
「まあ夜の学校は怖いよな」
『相澤先生も怖いですか?』
「俺は別に」
『ですよね』
「怖い話してやろうか」
『ひどい!』
仮眠室からトイレはそう遠くない。
すぐに着いたようで、トイレの電気を付ける音が聞こえた。
「一旦切るから終わったらまた電話しろ」
『ありがとうございます!』
そこから数分後。
俺の携帯が再び震えた。
「もしもし」
『お待たせしました』
「解決できて良かったな」
『これからは夜中行かなくていいように、水分に気を付けます』
「脱水症状起きるから無理するな」
『でも・・・』
「また掛けてくればいい」
別に嫌ではなかった。
仮に睡眠妨害されたとしても、たった数分のことだ。
『あ、ありがとうございます』
電話越しに聞こえた彼女の声が遠慮がちで。
遠慮する事ないけどな、と心の中で思った。
しかしふと目が覚めた午前1時。
トイレに行きたくなったので身体を起こした。
「ここから一番近いトイレは・・・」
さすがに仮眠室にトイレはない。
寝ぼけ眼を擦りながら、扉を開けた。
「げっ。さ、最悪だ・・・」
そう、ここは学校の仮眠室。
午前1時となれば誰もいない。
廊下は真っ暗で外の街灯が薄っすらと廊下を照らしているのみ。
一歩踏み出してみるが数歩歩いたところで心が挫折した。
「む、無理無理」
なんでこう夜の学校は怖いのだろうか。
灯りと人の声の偉大さを知る。
一番近いトイレは部屋を出て右に真っ直ぐ。
ダッシュすれば十秒もかからないだろう。
しかし私の足は動いてくれなかった。
「朝まで我慢しよう・・・」
そう思い部屋の扉を再び閉めた。
「・・・」
ベッドに潜り込んで目を閉じるが、眠れない。
一度トイレに行きたいと思ってしまったが、最後。
余計に尿意が襲ってくる。
「ど、どうしよう・・・」
部屋を行ったり来たり、ウロウロする。
とてもじゃないが、朝まで持ちそうにない。
「う~・・・」
再び廊下に出てみる。
電気をつけた部屋を全開にしてみるが、やはり長い廊下の先の暗闇が怖い。
「1時・・・」
相澤先生に受け取った携帯を開いた。
「相澤消太」という文字の上で指がウロウロする。
「もう寝てるよね・・・」
いや、相澤先生だったら起きている可能性はある。
イメージでしかないが、夜更かししてそうだし。
しかしどの道こんなしょうもないことで電話を掛けるなんて迷惑極まりない。
考え抜いた末、私は電話ではなくメールを送った。
たった一言。
『まだ起きてますか?』
****************
少し風呂でうたた寝をしてしまった。
目を開けて傍に置いていた携帯を手に取る。
「もうこんな時間か・・・」
いつの間にか日付を跨いでいた。
そこから一日の汚れを落とし、さあ上がろうかという時に携帯が小さく震えた。
振動の短さからメールだと分かる。
髪の毛をタオルで拭きながら、差出人を確認すると名前だった。
『まだ起きてますか?』
シンプルに一言だけ。
何か困り事だろうか。
メールで送ってくるということは緊急事態ではないだろう。
まどろっこしいのは嫌いなので、俺は電話を掛けた。
2コールで繋がった。
『もっ、もしもし!』
「どうした、何かあったか?」
『いえ、あの・・・それが』
歯切れが悪い名前に疑問符を浮かべる。
「眠れないのか?」
まあ、学校の仮眠室だしな。
寝心地最高とはいかないだろう。
『いえ、そうではなくて・・・眠れてはいるのですが』
「?」
『実は、ト、トイレに行きたくて』
「・・・・・・行けばいいだろう?」
寝ぼけているのか?
そう思ったが、名前はボソボソと電話口で行けない理由を喋った。
「怖いのか」
『うう・・・はい』
電話を掛けたかったが、時間が時間なので遠慮してメールにした、そんなところか。
ある意味緊急事態であるにも関わらず。
部屋で縮こまっている名前を想像したら少し笑えた。
『こんなしょうもないことでごめんなさい・・・』
「会話しながらだったら行けそうか?」
『・・・はい!なんだか怖さが薄れてきた気がします』
「まあ夜の学校は怖いよな」
『相澤先生も怖いですか?』
「俺は別に」
『ですよね』
「怖い話してやろうか」
『ひどい!』
仮眠室からトイレはそう遠くない。
すぐに着いたようで、トイレの電気を付ける音が聞こえた。
「一旦切るから終わったらまた電話しろ」
『ありがとうございます!』
そこから数分後。
俺の携帯が再び震えた。
「もしもし」
『お待たせしました』
「解決できて良かったな」
『これからは夜中行かなくていいように、水分に気を付けます』
「脱水症状起きるから無理するな」
『でも・・・』
「また掛けてくればいい」
別に嫌ではなかった。
仮に睡眠妨害されたとしても、たった数分のことだ。
『あ、ありがとうございます』
電話越しに聞こえた彼女の声が遠慮がちで。
遠慮する事ないけどな、と心の中で思った。
