【3章】始まり
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「うーん・・・疲れた!」
業務が終わり、私は自室もとい仮眠室になだれ込んだ。
仕事自体は全く苦ではない。
ただの気疲れ。
職場まで移動しなくていいってめちゃくちゃ楽だな。
ギリギリまで寝れるじゃん。
シャワー室で今日の汚れを落とす。
これが元仮眠室ってさすが天下の雄英。
私が一人暮らししている家と大して変わらない。
小さいけどテレビもある。
上がってドライヤーで髪を乾かしながらテレビを付けた。
「うわっ!オールマイトだぁ・・・」
アニメで見るのと、実況中継で見るのとでは同じテレビの中でも違った。
臨場感がある。
今春から教員になったオールマイトにはまだ会えていない。
寝間着の代わりにと頂いた雄英高校のジャージに袖を通した。
「おお・・・!」
ブルーのジャージにテンションが上がる。
UAのラインが格好いいなって思ってたんだよね。
一人で歓喜していると扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
返事をすると、相澤先生が顔を覗かせた。
「今いいか」
「はい、どうぞ!」
「俺はもう帰る。何かあった時は携帯に連絡しろ」
そう言って私に携帯を渡してくれた。
「校内用の携帯だ。連絡先は俺と校長のやつだけ入ってる」
「ありがとうございます」
「あと、くれぐれも学校から出るなよ。セキュリティが作動するから」
「はい」
必要なことだけ伝えられると、相澤先生は扉に手を掛けた。
そのまま出て行くのかと思いきや、再びその手を離し靴を脱いで部屋の中へ上がった。
「え・・・?」
近づいてくる相澤先生にドキッとした。
「・・・やはり気になるから聞いておく」
真剣に何かを考え込む相澤先生もカッコイイ・・・じゃなくて。
何を聞かれるんだろう、と私は息を飲んだ。
「この先、雄英に危害が加えられる可能性はあるのか」
そらそうだ。
私は雄英の未来が見えるという体でここに置いてもらえているのだから。
聞かれて当たり前だ。
むしろ、この落ち着いた時間まで聞かれなかっただけでも、十分配慮してくれているのだ。
「・・・はい」
脳裏には林間合宿が過った。
私の答えに相澤先生は目を見開いた。
「いつだ。どんなことが起こる」
前のめりに私の肩に手を掛けた相澤先生。
話していいのだろうか。
正直、USJ襲撃事件を回避できてホッとしている自分がいる。
林間合宿のことも話せば、オールマイトが終わらなくて済むんじゃないか。
それに、話した方が相澤先生はきっと喜んでくれるはず・・・。
そんな邪な考えが湧いた。
しかし、私はすぐにブンブンと頭を横に振った。
「少し、待ってほしいです」
「どうして」
「この話をしてしまって、本来起こるはずの未来を変えた時の代償が分からないんです」
「USJの時みたいに?」
「はい」
USJ襲撃事件が起こるはずだった日からまだ日が浅い。
よく考えたら呑気に仮眠室でテレビを見ている場合じゃない。
何か違う事件が起こってもおかしくないのだ。
「変えた先の未来は見えないのか」
「そうですね」
雄英の未来が見えるといいながら回避した場合の代償が分からないって矛盾している。
疑われるだろうか・・・。
「・・・まぁ、どんな力もリスクはあるからな」
納得した様子の相澤先生にホッと肩の力を抜いた。
「つまり、このまま何も起こらなければ、その次にある危機についても話せるということだな?」
「そういうことになります」
「・・・もの凄く気になるけどな」
「すみません・・・」
相澤先生は今度こそ踵を返して扉に手を掛けた。
「おやすみ」
出て行く間際に、あの低音ボイスでそんなことを言われたものだから私は卒倒しそうになった。
業務が終わり、私は自室もとい仮眠室になだれ込んだ。
仕事自体は全く苦ではない。
ただの気疲れ。
職場まで移動しなくていいってめちゃくちゃ楽だな。
ギリギリまで寝れるじゃん。
シャワー室で今日の汚れを落とす。
これが元仮眠室ってさすが天下の雄英。
私が一人暮らししている家と大して変わらない。
小さいけどテレビもある。
上がってドライヤーで髪を乾かしながらテレビを付けた。
「うわっ!オールマイトだぁ・・・」
アニメで見るのと、実況中継で見るのとでは同じテレビの中でも違った。
臨場感がある。
今春から教員になったオールマイトにはまだ会えていない。
寝間着の代わりにと頂いた雄英高校のジャージに袖を通した。
「おお・・・!」
ブルーのジャージにテンションが上がる。
UAのラインが格好いいなって思ってたんだよね。
一人で歓喜していると扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
返事をすると、相澤先生が顔を覗かせた。
「今いいか」
「はい、どうぞ!」
「俺はもう帰る。何かあった時は携帯に連絡しろ」
そう言って私に携帯を渡してくれた。
「校内用の携帯だ。連絡先は俺と校長のやつだけ入ってる」
「ありがとうございます」
「あと、くれぐれも学校から出るなよ。セキュリティが作動するから」
「はい」
必要なことだけ伝えられると、相澤先生は扉に手を掛けた。
そのまま出て行くのかと思いきや、再びその手を離し靴を脱いで部屋の中へ上がった。
「え・・・?」
近づいてくる相澤先生にドキッとした。
「・・・やはり気になるから聞いておく」
真剣に何かを考え込む相澤先生もカッコイイ・・・じゃなくて。
何を聞かれるんだろう、と私は息を飲んだ。
「この先、雄英に危害が加えられる可能性はあるのか」
そらそうだ。
私は雄英の未来が見えるという体でここに置いてもらえているのだから。
聞かれて当たり前だ。
むしろ、この落ち着いた時間まで聞かれなかっただけでも、十分配慮してくれているのだ。
「・・・はい」
脳裏には林間合宿が過った。
私の答えに相澤先生は目を見開いた。
「いつだ。どんなことが起こる」
前のめりに私の肩に手を掛けた相澤先生。
話していいのだろうか。
正直、USJ襲撃事件を回避できてホッとしている自分がいる。
林間合宿のことも話せば、オールマイトが終わらなくて済むんじゃないか。
それに、話した方が相澤先生はきっと喜んでくれるはず・・・。
そんな邪な考えが湧いた。
しかし、私はすぐにブンブンと頭を横に振った。
「少し、待ってほしいです」
「どうして」
「この話をしてしまって、本来起こるはずの未来を変えた時の代償が分からないんです」
「USJの時みたいに?」
「はい」
USJ襲撃事件が起こるはずだった日からまだ日が浅い。
よく考えたら呑気に仮眠室でテレビを見ている場合じゃない。
何か違う事件が起こってもおかしくないのだ。
「変えた先の未来は見えないのか」
「そうですね」
雄英の未来が見えるといいながら回避した場合の代償が分からないって矛盾している。
疑われるだろうか・・・。
「・・・まぁ、どんな力もリスクはあるからな」
納得した様子の相澤先生にホッと肩の力を抜いた。
「つまり、このまま何も起こらなければ、その次にある危機についても話せるということだな?」
「そういうことになります」
「・・・もの凄く気になるけどな」
「すみません・・・」
相澤先生は今度こそ踵を返して扉に手を掛けた。
「おやすみ」
出て行く間際に、あの低音ボイスでそんなことを言われたものだから私は卒倒しそうになった。
